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【ケムリクサ】第8話 感想 「どん兵衛買っちゃったナ!」

ズルズル「…悪くない。」

というわけでどん兵衛を食しながら8話の感想を書いていこうと思います。7話から即バトル展開になるかと思いきや、今回は「いったん溜める回」という印象でした。なので今回の感想は、まとまったポイントというよりも気になる点をズルズルと語って行こうと思います。

序盤のピンチで「りん」達の限界を提示

前回7話の感想↓では「赤い木には勝つ見込みがないので、ピンチになる→りく達に助けられる」の展開を予想していましたが、そんなことはありませんでした…。

とはいえ、やはり最初のピンチのシーンでは「予想通りだぜ!」と思って不謹慎ながら興奮してしまったのは事実です。それはさておき、りなちゃんたちが3体も灰色になってしまったのは実にショッキングな映像でした…。これは第1話で「りなこ」が死んでしまったのとはまた別の衝撃を与えるという非常に計算された演出だったと思います。細かくいいますと、「りなこ」の死のときはその直後、「そっくりなキャラが4人も生きて登場する」ことで悲しみより混乱が上回り、それほどその死を悼む気持ちが続くことはありませんでした。それはあくまで他人としての「キャラクターの生死」という見せ方を用意周到にしこんでいたといえるでしょう。一方、今回のピンチではそれが仲間としての「キャラクターの生死」へと、いつの間にか変化していることに気付かされる形となっていました。それは道中を丁寧に描いた積み重ねの結果でさすがとしかいいようがありません。また本作のテーマと私が考える「『キャラクター』の生と死をどう捉えるか」ということを今回も「さまざまな角度」や「グラデーション」によりあぶり出し、視聴者にとっても経験的にそれ問題を考えさせるという独特の作風だと改めて感じました。またこの戦闘により「りん」達の限界(ダメージの許容キャパ、葉の消費ペースとその残量、同時に戦える敵の限度など)をより明確に突きつけることで、今後なるべく戦闘を回避しながら移動をしていくという行動の必然性と緊張感を自然に作り出しているというのも、当然ながらうまい展開だったと思います。

間髪入れずにヒントをもってくる「シロ」

その後めちゃくちゃタイミング良く「シロ」が登場するのですが、このへんがたつき監督独特のシナリオの特徴を感じます。「けものフレンズ」でもそうでしたが、目的を見失うと間髪入れずに「ヒントが向こうから勝手にやってくる」という「スーパーイージーモードが発動」が多々ありました。私が思うにたつき監督は「目標を探すというプロセス」よりも、「目標に向かって移動する中の何気ないやりとり」を非常に重視しており、その過程で『キャラクター』に命を吹き込んでいくというのが独特の作風だと思いました。こういったところで稼いだ尺を、みどりちゃんの「のったり、のったり」とした移動にあてがうことで、例えば第7話の水場到着時には「特別な達成感」を作り出すことができたのだと思います。

「りな」達の区別がつくわかばのイケメンぷり

このあたりも同様の効果で絆を表現していますが、「りな」達をまったくの同一の見た目にしているところが確信犯の匂いがします。下手に服や髪の一部を変えるといったことを一切しないことで『コピー可能なキャラクター性』を打ち出したからこそ、それを先の道中の経験で覆していくところで、「キャラクターの命とはなんなのか?」を別角度でみせていくことになっています。

「りん」が「ウスイロ」をわかばに手渡すという何気ないシーンがとてもいい。

こういった関係の僅かな進展を丁寧に描くシーンに、たつき監督は尺を使いたいんでしょうね。また「ウスイロ」の存在を改めて視聴者に提示してきているので、今後なにかしら「ウスイロ」に意味があることを予見させるシーンだと思います。

「壁」も「アオイロ」も味方ではないという価値観

いままでは私の考察の中で以下の図式を考えていました。

・「りん」達=生命感のあるハンドメイドの『キャラクター』

・「アカイロ」=データベースによる量産型の『キャラクター』

・「水」&「ミドリ」=『ファンの支持&応援』

・わかば=『クリエイター』

その図式で延長として今回の追加して考えると

・「アオイロ」=命令系統のある『組織的な製作サイド&とりまき』
※あまりいいたくないですが「けものフレンズ」絡みのゴタゴタなどで垣間見れたような、必ずしも純粋なクリエイティブだけでなく「水」&「ミドリ」の囲い込みを目的とした組織のメタファーではないでしょうか。

・「シロ」=純粋に仕事にたいする「スキ」=『クリエイティブの原点&原動力』
※「シロ」の発言から「アオイロ」にも「アカイロ」にもそまりたくない純粋なモノづくりの衝動そのもの(スキ)と考えられます。

・「ウスイロ」=白色系統で「シロ」近いことから『クリエイティブの原点』に近いもの=『好奇心?』
※少し色があるがこれから何色にもなれるという発想の源のようなものであり、だからこそ『クリエイター』であるわかばの食料となると考えられます。

『キャラクター』の生命を操る『クリエイター』の業

「シロ」達の集合体に対して、わかばに特攻の許可をさせるところが、さすがの演出だと思います。たとえ自ら望んでいるように描いても『クリエイター』である限り、彼らの生死を決定するのは己自身になります。その責任と重さをわかばに背負わせることで『キャラクターの生命』が通常の生命とは異質なモノであることを描いていると思います。このあと「シロ」達は自ら消えていき非常に胸に迫るシーンだったのですが、これはある種、「りん」達の死に対する予行練習として視聴者に提示されているようにも思います。予備知識として「葉が残っていないと回復できない→本体を使うともう戻れない」などこの世界のルールを事前に整理する意味もあったと思います。

「お前は私達が死んでも泣くのか?」

「当たり前でしょそんなの! 絶対そんなことにはさせませんから!」
という一連のやりとりは完全に涙腺やられました…。そのストレートな感情は「りん」にも効いていましたね。余談ですがこの後のいつものエンディング中に、右端にバシュっと現れるわかばくんがいつもよりも3割増しで頼もしく感じましたよ。

「私ももうこれ以上誰も死なせない、そうさせない」「お前も含めてな…」

いやーシビレました。これはもう「愛の告白」そのものですね。「りん」が「最初の人の葉」を宿していることと関係があるかはわかりませんが、分割で受け継いだのは「目の良さ」とか「体の強さ」だとかより、本当に重要なのは「愛情」というものを大きく受け継いでいる点だと思うんですよね。「愛情」が深いからこそ、簡単に「スキ」が見つけられなかったりすると思うんですよ。私の価値観かもしれませんが「愛」は「スキ」より多くの場合上位にくるものだと思うんです。だからこそ0.X話で語られた他の姉妹のように「スキ」をうまく認識できないのだと思います。というわけで前回7話について語ったnoteでもいいましたが持論としては「りん」はキラキラエフェクトをだして「スキ」を見つける必要は必ずしも必要でなくてそれよりも「愛情」それ自体がすでに尊いものであることに気がつけばそれだけでいい。というか、それだけがいいのよ(byジュピター)のような気持ちでおります。ただ実際は99%「りん」のキラキラエフェクトが物語のいいところででるのが自然なシナリオかと思いますがそれはそれで熱い…。どうせだすなら他のキラキラエフェクトよりものすごく派手にするとか、ものすごく奥ゆかしくさせるとかただのキラキラでない変化でラブを表現してほしいですね。

終わり?…からの~「どん兵衛コラボCM」爆誕!

一番いいシーンのあとに来たから、虚を突かれたというか、普通にびっくりしました。

というわけでnoteを書きながら無事ひょいパク完食いたしました。(美味しゅうございました)

現状で書きたいことは以上です。




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