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Friendly lab - unlock(); 感想

※アプリ版未プレイ、unlockの内容しか知らないオタクのネタバレ感想※

助けてくださいよ……。

顔の良い男二人をなにもない空間に閉じ込めて、いろいろなものを与えて観察するゲームアプリ「Friendly lab」のR18PC版「Friendly lab - unlock();」ですが、正直のーとん、ラキドだけでなくラフラン、絶服命令も遡った身としては舐めていました。Tennenoujiを。
絶望の苗床を整えるのが上手すぎる。
考察する元気はまだない。
ちなみにクリアしたエンディング順は、
END3→END4(END3と同時)
→END7
→END8→END9
→END6→END5
→END1→END2→END10 でした。苦痛で泣いた。比喩ではなく。


END1/2/3

正規ルート路線の3つ。本筋が大体解明されるEND。

<END1>


正直全END見た後によぼよぼになりながら[紙とペン]の回収をしていたらまたEND1に辿り着いたけど、なんやかんやこのENDが一番安寧だったかもしれない。
ヒガシくんがニシくんの家に行ってからのことを思い出せない、中途半端な終わり。
もたついた関係性が好きなので有耶無耶な感じに逆に救われた。
真実を知ってるから余計に。思い出そうとするのはつらい記憶ばかりだから、というニシくんの優しさも含めて。
このENDでニシくんはヒガシくんが死んだことを知らないままなのも良い。でもヒガシくんが自分を殺したことは覚えている。普通に最高では?

<END2>


ヒガシくんのお母さんの毒っぷりは伝わってきたけど、お母さんは流石に虐待はしてないと思っていたからカードが降りてきた時に「あー……」って声出た。感嘆。放火とか離婚の話とかも、今思えばそうだよな、と。
ヒガシくんがお母さんのことを何より大切に思っていたのが伝わっていたからそれで疑惑が薄まってしまったし、何より『あの人』がヤバすぎて火傷とか階段から落ちて骨折したのも全部『あの人』のせいだと思ってしまっていた。でも怪我した時の学年とか考えたら「ん?」ってなった覚えはあった。
ニシくんはヒガシくんが母親からも虐待されていたことを知っていたから、【母親に愛されていると思いますか?】みたいな質問を態とヒガシくんから遠ざけたんだなあ~~~あ~~そうなる(END2)ってわかってたんだな~~~ニシくんはさ~~~END2でカード見た時も即効破ったもんね~~~と慟哭した。
エンディング終了前にヒガシくんが死んでしまうのがこのEND2だけで、ヒガシくん様々な恐怖とか痛みに耐えて「大丈夫」って言い続けていたけれど、お母さんに愛されていないという事実だけには耐えられなかったんだな……。だからこそもうEND1で良いよ、と思ってしまった。
正直これがラス2のENDでニシくんに「もう一度……」って言われたので任せろ!!!!!!!って思って、新しく実験開始して到達したのが最後に残したEND10だった。ごめんなニシくん……ごめん、ごめん……

<END3>

親友エンド。終わらない友情。
全てのエンディングを見た今、改めて思うことだけどニシくんだけではどう足掻いてもヒガシくんを守れなくて(そもそも二人とも子どもだったし)、ヒガシくんを救うにはヒガシくんの自由を奪う人間を消す()しかなかったんだろうな。それでヒガシくんの母親をそうするしかなかったんだろうなあ。
ヒガシくんから強い憎悪を向けられることまで見越して。それが欲しかったのもあるのだろうか。それはそれでとても良いけど。
最初に見たENDがこれで、正直な感想としてはニシくんのお父さんかわいそう過ぎない……?だった。自分の友人のせいで妻は事故に遭い、それで子ども一人流産して妻もその後亡くなり、息子も死んで、息子の親友も自宅で死んでて、しかも息子がその親友の母親を……って。ニシくんのお父さんが何をしたって言うんだ。

END4

培養液満たせたEND。
最初胎児が二人いることに気付いてなくて、舞雪ちゃん生まれてきて二人で育てるのかと思った。平和ボケってこういうことなんだな。
私には未だにこれがなんなのか理解できていない。ループじゃなくて、何度も生まれ直している(させられている?)のはわかったけど、なんのために?メタ的に言うなら我々があの二人の実験を何回もやるためだけども。

END5/6

黒い四角END。なぜかEND6から見てしまい、END5の展開を察するという失態を犯した。

<END5>

そりゃあそうなりますよね。一個ぐらいはね。そういうENDもありますよね。グロ枠END。
END8を先に見ていたから「これもう一個でかい流血ありそうだな」とは思っていたけど、刃物とかも無さそうだし、アクシデントで狼とかいたからそっち系で来るかと思ったら。結局ニシくんの胸?腰?から下あたりはあの部屋にあるのか、それともあの黒い四角の向こう側にあるのか。
ヒガシくんがニシくんを助けたくて内臓を元に戻そうとしてる描写が、冷静な判断できてなくてとても良かった。
あと一瞬ニシくんの口が開いてヒガシくんがなにか期待した時にプレイヤーとしても「(どう見ても助かるわけはないけれど)最後に何か言うのかな」って思ったら、ニシくんが開けた口から血を吐いたので「より深い絶望ってそうやって生み出すんだ」と本当に感心した。絶望の苗床の整え方を学んだENDその1。

<END6>

本当にわからない。ENDタイトルが「Emergency patch」だから、END5を踏まえるとニシくんを生かすために黒い四角のバージョンアップをして成功した結果……?なのか?プレイヤー(実験者)への興味が高いと助けてもらえるってこと?じゃあ牛肉の塊降らせたのも私なのか?END5を先に見ていたら、END5で切断されたニシくんの肉かと思ったかもしれない。
あの後の二人がどうなるのか、とかあの空間で今までと同じようにいろいろ与えられたりするのかとか思うけど、一旦二人が懐かしい景色を見られたのは良かった。でも夕焼けの虹を見るたびに「肉が降ってくる」って今後思ってしまう、END6がこのゲームのトラウマ枠だと思っていた。あの時は。

END7

R18BLゲーム始まった~~~!!!!!
薄暗闇の中のヒガシくんの紅潮顔が良すギルティでした。
ニシくんもずっと抗っていたのに、思春期のほの暗い性欲の思い出話し始めた時に「重~!!!」と大喜びした。
あと受けが攻めに謝りながらモブとか攻め以外に抱かれているNTR描写はよく目にするけど、「母親に謝りながら母親を殺した攻めに抱かれる受け」というあまり触れてこなかったシチュエーションに強固な錠前で閉ざされていた筈のドアをマシンガンか大砲でぶち抜かれたみたいな気持ちになった。嫌な癖を抉り出されてしまった。
BLゲームにおける快楽堕ちみたいなのは、ある意味ハッピーエンドだと思っているからこれはこれでも良い。知らなくても、思い出さなくても良いことなんていくらでもあるから。君らがそれで良いなら、それも幸せの形だよ。というスケベ心をここで誤魔化しておく。

<追記>
公式BOOTH購入特典のEND7その後の小説読んだけど普通に病んでしまった。なんか平常時もガスの時の二人っぽくなるのかと思ったけど。快楽堕ちではなかったかもしれない。
特典内容なのでこの辺で。

END8/9

カフェオレEND。「???の塊」が必須だったのはヒガシくんにあの幻想を見せるためか。

<END8>

カフェオレヒガシくんEND。
幻覚の中で食事が出てきたら、そこから辿り着く結末は一つしかないという方程式があるので本当に両手を上げて喜んだ。
カニバリズム&ニシくんの微欠損だけど、あの程度で死にはしないだろうし、欠損したから実験中止ってことは二人とも処分されるのか?
あとヒガシくんの幻覚に出てきた幼少期ニシくんが「大人の僕が敬語なのはなにかを君に隠している」みたいなことを言ったのは、END7みたいな仄暗くて歪んだ感情を隠すためなのだろうか。親友として紳士としてありたかったのだろうか。冗談めいて愛を囁いていたのは本当のニシくんの感情ではないのかなあと思ったりした。でも確かにそんなに綺麗なものではないと思う。
フィクションにおける愛故の歪んだカニバリズムが好きなので、ニシくんが何の抵抗もせずにヒガシくんの一部になったのは『愛』しかなかった。

<END9>

カフェオレニシくんEND。
「死んだあと、また誕生したんだ」って幼少期ニシくんに言われたけど、どうしてニシくんの見る幻覚でそれを知っている幼少期ニシくんがいたんだ?でも他のルートで幼少期のニシくんを見る機会がなくて(END7は別件)、幻想の中なのもあって幼少期ニシくんが怖すぎた。ホラゲに出てくる意味深なこと言う子どもキャラみたいで。ヒガシくんはかわいかったんだけど。
でもあの幼少期ニシくんが、本来の取り繕っていないニシくんなんだと思うと大概怖い子どもだなあ……となった。自分の家族とヒガシくん以外どうでも良かったのかも。
あとあのENDの最後にプレイヤーが叱責されて普通に「は?」って声出た。聡明なニシくんに言ってください。


END10

親密度をあげてね♡って指示しておいて辿り着く結末がそれ!??!?!?

10日目まで引っ張ると思っていたから就寝時間になってスキップしてたら、知らないスチルが出てきて「!?」となった。
このEND見ている途中から胃痛と吐き気に襲われて、普通に苦痛で泣いた。
吐瀉物が吐き出せもせず、飲み込みもできず、ずっと喉に詰まっている感覚。或いは、どれだけ噛んでも噛んでも食塊にならずに永遠に飲み込むことができない感覚がずっと続いている。
多分もう二度と見たくないアダルトゲームのENDのぶっちぎりNo.1です。おめでとうございます。勘弁してくれ。
今まで数多くのアダルトゲームで胸糞END見てきたけど、どの胸糞ENDも生ぬるい。いや、シチュエーションだけで考えたら別に珍しくもないENDだけど、なんか、親密度上げて特別感出させて、私は二人が正常な意識下で合意ある行為でもするのかと思って……いたら……。だってその直前に見た★イベントで、ヒガシくんがニシくんを助けるためにガスなしでキスしてくれたのに。助けてくださいよ。
ずっと二人だけであの空間にいて、アクシデントも現実じゃなくて現実に限りなく近いホログラム的なものだと思っていたから『あの人』もホログラムかなんかだと思っていた。最初。そうであれよ。それならニシくんのお父さん呼んでくれよ。いや、それもそれでキツそうだけど。
改めて絶望に突き落とすの上手いな……と思った。END10が特別だと思って、最後に取っておいて後悔した。絶望の苗床を整える上手さが極まっていた。
でも本当にこのENDを見て改めて、ニシくんでは正当にヒガシ君を救うことができないんだなと思わされた。二人が望んだ年齢になってもヒガシくんを守ることができないのか。「記憶なんかもうどうでも良い」って思うぐらいヒガシくんを傷つける全てが許せないのに。それだけ『あの人』が異常であるということなんだろうけど。
あと『あの人』がヒガシくんをもにょもにょしている時に、態と幼子に言うみたいに話していたのが一番気持ち悪くてキツかった。誰でも良いから早くこいつをどうにかしてくれ、と久しぶりに人に起こる一番最悪な不幸を祈った。子どものヒガシくんにはそういうことはしなかったんだな、とわかったことしか救われなかった。救いってなに。
でも惜しみない絶望と苦痛を経て、最後に出てきたスチルが凄く良かった。ニシ君が生きていることを確かめるヒガシくんのあの行為が、END2/3でニシくんの首を絞めるヒガシくんと重なってしまって。
あとヒガシくんが歯ブラシ取りに行ったニシくんに対して「どこ行くの」「行かないで」「見捨てないで」みたいになってたのが凄く良かった。「こんな俺を見ないでくれ」じゃないんだな……え、親密度ってもしかしてこれ?あとこれがPC版ベストENDって本当?

<追記>
心が持ち直したのでEND10をもう一度見直したけど、最後にニシくんが「ヒガシくんを守れるようにもっと強くなりたい」って言ってたから、ニシくんも自分ではヒガシくんを守れないことがわかっているんだな、と。
それに対してヒガシくんが「俺がずっとここでニシくんを守る、ニシくんだけいれば良い」って言っていたから「あ、普通にハピエンだ」になってしまった。普通に愛じゃん。ヒガシくんがニシくんのために止めを刺したのとか。
あとニシくんが「記憶なんて、過去なんてどうでも良い」の後に「仮説が間違っていた。諦めればすべて消えると思っていた」って言ってたけど、これはニシくんがヒガシくんに対する感情を諦めれば、ということだったのだろうか。
ニシくんが自分の人生を諦めれば、ヒガシくんを苦しめる全てが消えると思っていたのだろうか。それは強引な気もするが。
というか、初見時のショックが強過ぎて茫然としていたのか、二人の会話がほとんど頭に入っていなかったらしい。
でもつり橋効果にしてはやりすぎだと思う。それも本当の気持ち。

終わりに

しんどい、同人誌の原稿の合間にやるんじゃなかった。おかげで変なテンションになりアウトプットが止まらない。
ゲームの中でもニシくんの女性関係の話とか、それこそあの施設にニシくんのお父さん本当にいるのかとか、ニシくんの閉所恐怖症の話とか、いやそもそもあの施設はなんなのかとかわからないことは多々あるけれど(多分見落としもある)、「Friendly lab」の名の通り二人は親友で終わらない友情のなかでずっと生きて、死んで、また生まれるんだろうな。
あとニシくんのお父さんも、もしかしたらもう生きてないのかもなあ……って思ったり。耐えられなさそう。だからEND10で唯一生きてた『あの人』が出てきたのか?勘弁してくださいよ。

BLとかR18とか関係なく、ゲームとしてストーリーが上手くできていたし、何回も言うけど絶望させるまでの苗床の調整が天才だった。
スキップもあるから周回も楽。ボイスなしだけど、値段も安価でDL版は発売日からセールもしていたのでコスパも最高。私は全END読了後に手元に欲しくて公式BOOTHでソフトも購入した。(あとEND7のその後が特典で読めると知って)
一つ言うのであれば回収済みのイベントスチルだけ実験内容の録画とは別で見れるようにして欲しかったな、と。要望はそれぐらい。
まだ全実験内容回収できていないので周回しつつ、END10へ立ち向かう強さを手に入れようと思います。私の胃がもってくれれば良いのだが。