20240214 それぞれの生活


わたしは、他者との間にわたし自身だけでは解決できない感情を抱くことが苦手だと、思っている。
わたし自身だけでは解決できない感情、それは恋であったり、愛であったり、あるいは独占欲や憎悪のような感情かもしれないが、とにかくそういった類の感情でぐちゃぐちゃになっていく感覚が苦手だ。


だいすきで大切な、インターネットのひとたちのことを考える。
わたしは街ゆく人々を見て、「みんなそれぞれの生活があって、この一瞬はそのごく一部でしかなくて、それぞれがそれぞれの生活を送っている」という当たり前のことを考え、気分が悪くなることがある。
インターネット上のゆるいつながりを、何ヶ月も、何年も続けているひとたち。わたしの場合は、好きなものを毎日少しずつ共有しているひとたち。
わたしはそのひとたちのことがかなり好きだと思う。毎日あたたかいごはんを食べて、あたたかいお風呂でゆっくりぬくもって、あたたかいお布団でぐっすり眠っていてほしいとおもう。これはわたしなりの、最上級の愛情表現だ。
わたしが言った。他者との間にわたし自身だけでは解決できない感情を抱くことが苦手だと。わたしが言った。「みんなそれぞれの生活があって、この一瞬はそのごく一部でしかなくて、それぞれがそれぞれの生活を送っている」という当たり前のことを考え、気分が悪くなることがあると。

大切なひとたちが、わたしとは違った、それぞれの生活を送っていることに安心する。わたしの手ではどうにもならない領域、まいにちの生活。わたしたちは、わたしたちの生活の中でみつけた好きなものたちを、少しずつ共有し合っている。それぞれの生活のなかで、それぞれのタイミングで、好きなものを共有する。それぞれの生活のなかで、それぞれのタイミングで、共有された好きなものを見る。それのくり返しでつみ重なった年月と記憶と、あたらしく好きになったものたち。愛おしくてたまらない存在。
もうすっかり、わたし自身だけでは解決できない感情を抱いているみたいだ。これはわたしの大切なひとたちに向けた、大切な感情だ。

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