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令和なのに踊る大捜査線を見て泣いた。

大変!大変!大変!

10月から始まる『相棒season21』に亀山くんが帰ってくる!!


私は亀山くんよりむしろ神戸君、カイトくん、冠城さんのときの相棒の方がよく見ていたのに、それでもこんなにもわくわくしている。全国の亀山推しのひとたちはいったいどうなってしまっているの!? おめでとうございます!!

私は刑事モノのドラマが好きなんだけど、きっかけは『踊る大捜査線』だったと思う。『踊る〜』シリーズはコメディ色が強いので、サスペンス色の強い『相棒』みたいなあの枠と並べるのは違うかもしれないが、刑事モノのドラマをやると聞くと注目してしまうのは『踊る〜』シリーズが好きだったからだ。青島、室井さん、和久さん、すみれさん、真下、雪乃さん、スリーアミーゴス……あのキャラクターたちが大好きだった。

そういえば踊る大捜査線シリーズが終わったのっていつだったかしら、と調べてみたところ、劇場版4作目『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』にて踊るシリーズは幕を閉じており、公開されたのは2012年9月だった。

ちょうどいまから10年前───

・・・・・・そろそろ来るかもな。リメイク。

そう思った私は予習を兼ねて(なんの?)踊るシリーズを見ることにした。

踊る大捜査線大好き♡ なんて言いつつも、私がちゃんと見た記憶があるのは劇場版第一弾、第二弾、スピンオフの交渉人 真下正義、容疑者 室井慎次のみ。テレビシリーズはぼんやりとした記憶しかなく、劇場版第三弾、第四弾にいたっては見てすらいない。ていうか、劇場版第二弾までは地上波で何度も放送してるけど、第三弾、第四弾ってあまりやってないよね? つまりそれは あの そういうこと??

テレビシリーズ

めちゃくちゃ面白かった!!こんな面白いものを毎週放送してたんですか……!?
「都知事と同じ青島です!」みたいなセリフが出てくるたびに、私が覚えてる都知事は石原慎太郎以降だわ……となった。当時青島都知事だったのですね。
和久さんが定年退職まで残り3ヶ月という当初の設定を初めて知った。えっじゃぁ第2シーズン以降どうしてたの?? と思ったら第2シーズンなんてものはなかった。スペシャルドラマをよく放送していたので、その印象だったのかもしれない。
青島と室井さんの関係性って最初の方どんなんだったかしらんと思ったら、もうドラマ序盤から青島は「俺は室井さんを信じる!」ってかんじだし、室井さんは「所轄の青島を」ってかんじで、あ、この2人って回を重ねるごとに絆が深まるかんじじゃないんだ……と思って笑った。ありだと思います。
2話の、和久さん宛に送られたマッサージチェアに手榴弾が仕掛けられていて、座ったまま立ち上がれなくなる話が好き。

劇場版第一弾『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』

これは面白かったよね~。小泉今日子様が大好き。青島と室井さんの関係性は「これよ!これ!」だし、青島とすみれさんの距離感もたまらない。

劇場版第二弾『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』

これは正直、第一弾ほどではないな、と思っている……が、いつものアイツらが元気に頑張っている!っていう、それだけでもう満足なのである。おにぎり頬張る少年時代の神木隆之介くん、可愛いねぇ……。
あたしはコメディアンとしてのいかりや長介を知らないので、いかりや長介=踊る大捜査線の和久さんなんだけど、すごく良い演技をするよね。当初の目的であったリメイクするとしたら……という目線でいえば、青島、室井さんのキャスティングはなんとかなるだろうけど、和久さんとすみれさんが難しいだろうなと思った第二弾だった。

スピンオフ『交渉人 真田正義』

ドラマにしても映画にしても、國村隼人が出てきたときのこの安心感ってなんなんだろうね?
この映画は派手でとても好きです。犯人に関しては考えないことにする。
小泉孝太郎、出世したなぁ!いかりや長介のバーターだったのに!

スピンオフ『容疑者 室井慎次』

踊るシリーズで一番「ぽくない」であろうこの作品だけど、結構好きなんである。この映画で描かれる室井さんの過去がたまらない。そして、真矢みき演じる沖田、筧利夫演じる新城の描き方もよい。特に真矢みきの役は劇場版2作目であまり良い印象がなかっただけに、こういう形で彼女の一面が見れてよかった。
この映画の前にいかりや長介は亡くなっているんだけど「和久さんも心配しています」というセリフが出てくる。当時劇場で見たときはこんなセリフ入れてしまうと整合性が取れなくなるんだから入れなきゃいいのにと思ったものだけど、いまならこのセリフを入れたかった気持ちもわかる。

劇場版第三弾『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』

いや〜〜〜酷いね!!なんであたし第三弾見てないんだっけ?と思ったけど、評判が悪かったからですね。
和久さんが生前書き残した「和久ノート」を持つ男、和久さんの甥っ子が登場する。そのノートには和久さんの名言が書き綴られている。和久さんの面影を出したいのはわかるよ。でも和久さんって自分のいいかんじのセリフをノートにメモしておくような人じゃなくない?? 何かトラブルが起こると和久(甥)が「ノートにはこう書いてあります!」と、和久ノートを取り出し、名台詞(なのか?)を言う。正直、うるせ〜〜〜!!と思ってました。

ストーリーとしては、犯人からの「かつて青島が逮捕した9人を解放しろ」という要求は素直に面白そうだなと思いました。しかし蓋を開けてみると、なんと半数以上がすでに出所していたのである!!
そして、精神に異常をきたしている者、まだ自身の償いが終わっていないと出所を拒否する者もいて、実際に解放されることになったのは9人中2人だったのである!!
劇場版1作目の小泉今日子様を出したかったのはわかる。それだけで一定数釣れるよ。でもここまで酷いことある?ってぐらいストーリーが酷い。
それ以外のことをいえば、クライマックスがやたら単調。緊迫感なし。テンポ感悪すぎ。そして無駄になげぇ!!!!(141分)

劇場版第四弾『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』

シリーズ最終章。
私は泣きました───
ストーリーが酷くても耐えられた。よっしゃ!noteに悪口書いちゃお!と思えた。でも踊る大捜査線のシリーズって愛すべきキャラクターたちあってのものじゃないですか。それなのに、すみれさんがこんな扱いを受けることは耐えられなかった。noteに悪口書くしかないじゃないか。

劇場版第二弾で撃たれた後遺症で仕事を続けることが出来なくなっていたすみれさんは刑事を辞めることを決意する。誰にも、青島にさえも辞めることは告げず、こっそりと実家の大分に帰ることにする。それがなんと深夜バスで帰るという。いや、刑事続けられないほど具合悪いんだぞ。なんでわざわざバスなんだ。そう、脚本の都合です。

事件に追われ、すみれさんが辞めたことに気付かない湾岸署のいつものメンバー。事件の概要は省略するが、まぁいろいろあったすえに真下(ユースケサンタマリア)の子供が誘拐されてしまった。走り出す青島。犯人はどこへ向かう?自分が犯人になった気持ちで考える。これは和久さんの捜査方法。そう、和久ノートなんてなくても、和久さんの面影は出すことが出来るってようやく気付いてくれた制作スタッフの皆さん、ありがとう! でもこの場面は「……当てずっぽうじゃねぇか!」と思いました。
途中派手に転んだりしつつも、ある倉庫にたどり着く青島。ハッとひらめき、電話口で室井さんに伝える。
「室井さん!バナナだ、バナナ!
それを受けて室井さんが言う。

「全捜査員に告ぐ。バナナだ

『東京リベンジャーズ』だったらドンッって書いてあるところですね。
踊るシリーズは過去作でも不謹慎な笑いは幾度となくやってきた。でも今回ばかりはドン引きしました。あの堅物な室井さんが真面目な顔して変なことを言って面白〜い!っていうあれ、あれをやったわけなんだけど、いま子供殺されるかもしれないシーンでやられると、笑えない。
あのね、子供はみんなバナナが好きなの。だからね、バナナが保管されてる倉庫に連れていかれたんじゃないかっていうガバ推理をしたんだけど、まぁ本当にそこにいたっていう。ふざけてるのかな?

犯人と対峙する青島。
拳銃を向けられ、子供を庇いつつ、和久(甥)も含めてジリッ……となっている、まさに一触即発の場面……………

倉庫に突っ込んできたの。バスが。

なんかよくわかんないけど、映画『ドラゴンヘッド』を一瞬思い出した。
犯人どころか青島も和久(甥)も誘拐された子供も全員轢かれんじゃねぇの!?みたいな大惨事なんだけど、その隙を狙って(?)無事に犯人は取り押さえられる。が、見てるこちら側としたらすごく嫌な予感がするの。あのバス、まさか……。バスはそのまま倉庫突き破って外に出て、横転。もうめちゃくちゃ。ちょっとした自爆テロ。そんなことになっているバスからひょっこり這い出してくるの。すみれさんが。「青島くん!」つって。そのときすみれさん、何故か透けてるの。

「なんでこんな無茶すんだよ!」
「青島くんのことが……ッ 心配だったから……」
「すみれさん、刑事やめないよね。……やめないでくれッ」
抱き合うふたり。遠くからパトカーの赤色灯が近付いてきて………。

場面は変わり、上層部の会議があったり、会見があったりして、最後に青島が走り出すところでLove somebody〜

【完】

えっ すみれさんは?

バスで突っ込んで横転してラブシーンやった後、一切出てくることがなかったすみれさん。何が起こっている?事件がどこで起こってるのかまったく読めない。

「THE FINAL」を作るにあたり、僕は、何をしてファイナルというんだろうとずっと考えていました。その中で意識したのが、すみれさんがバスで倉庫に突っ込んでくる場面。そこで、青島とすみれさんが抱き合って、恋人のようなラブラブな会話をするんですが、実はあのすみれさんが実体じゃなかったらどうなるんだろうという思いで演出をしたんです。

 あんなに大きなバスの事故で、生きていられるわけがない。観客のみなさんにもそう思った人もいたのではないでしょうか? ちょうどそのころ、我が家で「踊る大捜査線」が始まったころからずっと飼っていた猫が死んじゃって、でも、その存在はいつも感じていました。じいちゃんが亡くなったときもそうでした。怖いわけじゃないんです。でも気配を感じるんです。そういった空気感を映像にしたくて、「THE FINAL」で、もしすみれさんが死んでいたらという気持ちで僕は演出をしたんです。

すみれさん死んでた。

この記事読むに、つまり「FINALだし青島死んでもらおうかな〜」つって山田洋次監督に相談したら「主人公は死なせたらあかん」って言われて「よし、じゃぁすみれさんに死んでもらお!」ってなった……ってコト!?

青島とすみれさんは、結婚しなくても、恋人にならなくても、ずっと一緒にいるんだと思ってた。踊る大捜査線シリーズのバディは青島と室井だと思う。じゃぁすみれさんはお飾りなのかというとそんなことはない。ストーカーに傷を負わされてからは男性に後ろを立たれることを怖がり、ストーカーが自分の前に現れる火曜日は誰かと一緒ではないと過ごせなくなる、そんなトラウマを持っていた彼女はそのストーカー野郎を逮捕して立ち直った。女や子供を傷つける犯人を許さない、上司相手にも屈しない、そんな格好良い刑事だった。青島とはお互いを慰め、励まし、発破をかけ、見守り、支え合ってきたのだ。ふたりはこれからもそうして生きていくんだと思ってた。なのに、なんだ。すみれさんは青島にとって、この踊る大捜査線シリーズにとって、何だったのだ。別にすみれさんが死んでも良い。いや、死ぬのは嫌だけど、ストーリー上意味のある死なら受け入れる。でもこんなのってあんまりだ。私は泣きました。こんなのってない。劇場版第三弾、第四弾の良かったところなんて眼鏡姿の小栗旬だけじゃないか。なんで私は10年前の映画を見て泣いているんだ。頼む、いつの日かリメイクするときは、恩田すみれという女性を軽視しないでくれ。いや、もうどうせ無理だから、リメイクしないでくれ。

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