アイス愛歌

2020(R2)0729Wed

アイスが食べたくなるのは喉が渇いている時らしい。確かにそれはあるかもしれない。だがそんな知識は、明確な欲望の前では無力だった。「そんなこと知ったことか、この欲望が、水を飲めば治まると?否、この欲望はアイス(しかも今の気分にぴったり合った)を食べることでしか満たされることはない!!」いつもはそれに対する反論が浮かんでくるものだが、今日ばかりは私の中の全てがイエスマンだった。理性が働いてないわけではない、理性すら拳を上げて賛成していたのだ。早速自転車でドラッグストアへ行った。濃厚バニラと爽やかいちごがあった。すまない、君達ではないんだ。濃厚さは良い、爽やかさも良い、ただ今はその中間が欲しかった。そしてコンビニへ行った。ゆるい顔をした牛がメロンを被っていた。コンビニで、買うものを即決するのはいつぶりだろうか。そんなにもわたしはメロンを待っていた。部屋へ戻り、ちゃんと手を洗って、薄紙を剥がした。なんて容易く尊い幸福!もしアイスがもっと柔らかければ20秒で完食していた。一口一口が、私の全てを満たしていく。喉も、胃も、精神も。そうして私は、たかがカップ一杯の夢を掬い終えた。

#日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?