上昇する深海魚

2020(R2)0713Mon

いつの日かめちゃくちゃ高校に行きたくなくて、でもお母さんに心配かけたくなくて(そもそも行きたくなかったのはテスト勉強が完璧じゃなくて良い点取れる気がしなかったから)、いつも降りる駅を颯爽と過ぎていったことがある。その時同じところから来てたあんま話したことない人に見られて、とっさに「お願い言わんで!」ってジェスチャーしたらバレてなかった、多分。いい人やったな。なんで急にそんなことを言い始めたかというと、気まぐれに流した曲を聴いてその時の光景が蘇ったからです。その日は、電車を乗り継いでイオンシネマに行った。地元は田舎of田舎なので、私にとってイオンがあれば都会です。お母さんが作ってくれたお弁当をフードコートで一人で食べて、平日の誰もいないゲーセンで一人でプリクラを撮って、あんま面白くない映画を観た。帰って来たとき罪悪感が底の方で揺らめいていたけれど、あの日の光景は私にとって愛しいものです。もしかしたら、前の日記でこの日のことを思い出して書いたかもしれないな、まあいいや。私の経験では、視覚よりも聴覚と嗅覚によって、ある場面を唐突に思い出すことが多い。それで思い出される場面は、視覚によるものなんだよな。繋がってるんだね、生きてるじゃん。思い出すのって、深海にいた記憶が急上昇して海面を生き生きと泳ぎ出す感じ。ハクも「忘れはしないよ、思い出せないだけで。」(こんな感じ)って言ってたしな〜。たまに思い出すと嬉しくなる、私が生きてきた時間にちゃんと中身がある気がして。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?