透明は青になって消える

2020(R2)0624Wed

泣いている私に誰も手をさしのべないで、涙を流している時だけが私の聖域だから、誰も触れないで、ここは私だけの空間なんだよ

真夜中に一人で流す涙は浄化するためのもので、濾過機能は低い。私の一晩を消費しても朝の光を浴びて感じることは「また死ぬことができないまま明日が始まってしまった」ということだけで、絶望は薄まってくれない。それでも涙は浄化する。泣いているとき私を刺すのは実は私自身で、そこに他者は介在せず私は私の言葉に傷つき続ける。透明な血を吐き出して少しずつ少しずつ聖域の純度を上げていく。無菌室の様になった夜は声を上げてはいけない。たまに呻き声が漏れてしまうけれど、その醜悪な声にたちまち自治が崩されて意味もなく布団を噛み締めてしまったりする。結局今日も夜のうちに蒸発することはなかった。am4時の景色は、空というより海だった。朝の光が差し込む前の、夜の青さが消え切れていない空。多分今日は雨が降るんだろうな、その青がところどころ濁って、色が深まっている。これは冬の海だ、冬に海行った記憶ないけれど。浄化された無菌室に風を送り込むのはいつも空だ。今日は逆さまみたいだけれど。

#日記

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