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流れる散歩

2021(R3)0518Tue

いつのまにかAM4:00で、今寝たら後悔の一日になると思った。そこで閃いた、2時間くらい散歩しよう。心身ともに良いことだと思っていたが、案の定良かった。(意識の流れもどき) 昼間にいつも見る「朝市」という旗の立つ店。8時かららしい。少し前にセブンが潰れて、またセブンが入っていた。セブンフォーエバー。少し走っただけで足が痒いので帰ろうかと思ったけれど、バス停でぼーっとしたら落ち着いた。走らず歩くことにした。パン屋さんは早くて8時からだと知る。きっと日本の一日の(スイッチの切り替わるような)始まりは8時なのだ。蛙が鳴く。梅雨だものね。鳥も鳴く。スズメ?どうして君たちは朝にしかその声を響かせないのか。昼はとてもうるさくて、聞こえてないだけかもしれない。そうして夜は眠ってる。前に恋人と見た未完成のアパートが完成していて、誰かの洗濯物が時間を仮留めしている。くもんの匂いがする。正確には、木造建築の家に染みつくお線香の匂い。空想の夏が現れる。幼い頃の思い出は、どうしてか夏が一等鮮やかだ。私の夏にそんなに思い出はあったっけか。夏そのものが思い出みたいなものなのか。張りつめた水面から鳥が飛び立つ。宇多田ヒカルは、水紋ができる様を「小舟が傷を残す」と言った。傷、と言うのなら、遠くから海を見ていたのかもしれない。水面の輪っかが線に見えるほど。私が過ぎるのは川辺。昼間も暗い、プチ樹海と呼んでいる逸れ道がある。暗闇は、限りなく黒い深緑。その色だけを目の奥に残して去る。合わない靴で滲む痛みを、止まれないと思わせるような歩みでぼやかす。風はなく、水くさい匂いの空気がぎゅうぎゅうに満ちている。いつのまにか、細い糸が降っていた。静かな朝はもうすぐ終わる。

#日記

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