没落記憶

2020(R2)0609Tue

真夜中、イヤホンで音楽を聴いていたら、高校時代帰りの電車で聴いていた音楽が流れてきて、絶望しそうになった。夕暮れと適度な揺れ、制服、イヤホンをする私がそこにはあった。高校の友達は好きだけど別に高校自体にいい思い出はなかったのに、「私は二度とあの時に戻れない」という当たり前の事実に耐えられなかった。私はそれなりに人に恵まれてきたので、小・中・高を卒業するときはもれなく病んだ。でも今、小学校中学校の思い出なんてほとんど覚えていないし中学校に至っては思い出したくないとすら思っている。このことに、純粋な恐怖を感じる。今、惜しんで泣きそうになっている思い出(のようなもの)も、いつかは感覚も消え失せて「黒歴史」というラベルに貼り替えてしまうのだろうか。嫌だ、忘れたくない、覚えていたいこの美しい情景を、確かに存在した私の時間を。この間、つづ井さんのエッセイを読んでたら、登場人物のオカザキさんが「終わりにすることであの瞬間を永遠にしたかった」と言っていたのを思い出した。急激に納得した。この美しく素晴らしい瞬間がいつか消え失せてしまうのなら、いっそ私を終わらせて未来の可能性を切り離して、今をすべてにしてしまいたい。

あともう一つ尋常でない恐怖を感じているのが、今網戸に虫っぽい影がはりついていること。まじ無理なんやけどタスケテ…

#日記


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