フィクション不向き

2020(R2)0709Thu

私が古典作品に苦手意識をもつ一番の理由が分かった。当たり前も当たり前なんだけど、現代の価値観と上手く合致しないからだ。例えば物語の中で、男性主人公が男同士の義理人情を貫く人物として肯定的に書かれているけれど、その物語に女性が加わるのは恋愛的な面のみで、しかも女性は大概男性を想って儚く死ぬ…みたいな。(後から考えてみると、私は恋愛物語自体に苦手意識があるのでは?と思った。友情の話に申し訳程度の恋愛、しかも設定の浅い人物はいらなくないか、と思ってしまう。)物語はフィクションだし、フィクションは自由であるべきだと思う、それが創作に与えられた幸福なので。ただ何というか、フィクションとして描こうと意図してない細かい部分で価値観の相違を感じると「あ〜…」となってしまう。現代に倫理観の崩壊した物語は多数あるけれど、作者は「これは倫理観の崩壊した物語だ」と理解していて、その上で物語を創り出している。これとは違う。古典作品の背景にある価値観が現代と異なるのは当然だし、そもそも物語に描かれている人物がその時代の人間を体現しているわけじゃない。そこは理解している、と思う。だから私は、ただ単純に疲れてしまうのだ、自分の価値観がこの物語で通用しないことに。フィクションを楽しむことが向いてないと思う、私はこんなに好きなのに

古典作品を貶す意図はない、私が向いてないというだけの日記。和歌は好き、解釈にある程度幅があるし何より短い言葉に何千に渡る生身の心情が詰まってるので。

#日記

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