へんしん不要


この本は、ままならない毎日でも、わたしを大丈夫にしてくれます。
ライターの餅井アンナさんが、私(読者)にお手紙のような形でエッセイを綴った本です。


私は、心と体のバランスを16の時に崩し、統合失調症の診断を受けました。現在も通院しています。
最近は穏やかに過ごしているので、情緒がひどく不安定になったり、動けなかったりすることはあまりありません。

過去のnoteを遡っていただければ分かるとおり、慣れない環境や、一人暮らし、学校に行くことがひどく辛く、ほんとうにままならない毎日を過ごしていました。
そんな時に、餅井さんのへんしん不要を読んで、 こういう感じ なのは、自分だけじゃないんだ、と思えたこと、共感できる内容な上、一つ一つのお手紙の締めくくりがポジティブな言葉で、自分もそう考えたらいいんだ、と思えたことは大きかったです。かなり救われました。

特に共感したお手紙は、
・感情がでかすぎる
・ただ粛々と生きるのがどうしてこんなに難しいのか
・「元気に」よりも「うまく」暮らしたい
・この夜をどうにかやり過ごすだけの大丈夫を
・賽の河原で調子という名の石を積む
です。

そして、みんなと同じにできない、とか、どうして自分は頑張れないのだろう、とか、人並みに頑張りたいのに、という気持ちがとても強かった(いまでもその呪いは解けない)わたしにとって、とくに心に響いたのは、

・仕事は一日二時間にしました
というお手紙です。

その中で、

「みんなより少ない」、であって「私にとって少ない」のではない。

みんなと同じように働けないから今の仕事を選んだはずだったのに、まだ「みんなと同じにしなきゃ」に縛られている。

という部分が特に胸に残りました。

学校に行けなくなった自分、みんなと同じように授業が受けられない自分を。
みんなと同じように頑張れない、動けない、自分を、なんだか許せるような、そんな気がしました。

この本は何度も読み返していて、その度に、ああ、そうだった、となります。

とても大切な本です。


本の紹介は難しいです。
読んでいただき、ありがとうございました。

もしこの本に興味を持っていただけたら、ぜひ調べてみてください。

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