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たくさんの寮歌と1つの校歌と

私の母校にはたくさんの歌がある (母校と言っても進学先も同じなので、まだ在学中の身ではあるが)。「永遠の幸 (とこしえのさち)」という校歌と、大学敷地内にある自治寮で明治から平成にかけて作られた (恐らく今も作り続けられている?) たくさんの寮歌。

風変わりな点は、学校の式典等で歌われる機会の多い曲が校歌ではなく、とある寮歌であるということだ。
「都ぞ弥生」なるその曲は、私個人的には曲調が全く好きになれないのだが、入学式や卒業式、同窓会などの催し物で歌われ、あたかも校歌のような立ち振る舞いをしている。さらに歌う前には「前口上」なるものと作詞家・作曲家の名前を述べるのも通例となっている。

cf. 「前口上」
『吾等(われら)が三年(みとせ)を契る絢爛のその饗宴(うたげ)は、げに過ぎ易し。
然れども見ずや穹北に瞬く星斗(せいと)永久(とわ)に曇りなく、
雲とまがふ万朶(ばんだ)の桜花久遠(くおん)に萎えざるを。
寮友(ともどち)よ徒らに明日の運命(さだめ)を歎(なげ)かんよりは楡林(ゆりん)に篝火(かがりび)を焚きて、
去りては再び帰らざる若き日の感激を謳歌(うた)はん。』
『明治45年度寮歌、横山芳介君作歌・赤木顕次君作曲、都ぞ弥生、アインス、ツバイ、ドライ』

あくまで寮歌だからね。校歌じゃないんよ?

ただこの寮歌。知名度とは裏腹に全校生徒がソラで歌えるというわけでもない。主に歌うのは前述の自治寮、応援団、合唱団、および伝統ある運動部に所属する生徒である。彼らは集会の度に最低でも「都ぞ弥生」は歌うことだろう。
かくいう私も、サークルではあったが60年の歴史を持つ公認サークルに所属していたために、少し大きめな集会があると「都ぞ弥生」と「永遠の幸」、そして「草は萌え出で」という校内でも微妙な知名度の寮歌を歌っていた。
ついぞ私はうろ覚えのまま卒業してしまったが、たまに「永遠の幸」のサビだけ思い出すこともある。『イザイザイザ うちつれて 進むは今ぞ 豊平の川 尽きせぬながれ 友たれ長く友たれ』 "友たれ長く友たれ" って良くないですか?
歌詞だけ見ると「草は萌え出で」も良いのだ。『厳しき北の大地より 新たな夢に飛びたたん』『読み飲み語り夜は明け 熱き情に年は経り ああ青春の祭日も はや七十を数うなり 寮生よ再び楡影に 三十年後に集わなん』

卒業してまる3年。どの曲もしばらく歌うことは無いだろうなぁ。

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