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仕事依頼:創作物銃器設定アドバイザー(自称)はじめました/初心者のための鉄砲設定ご相談・指南・作成承ります

というわけで、この記事の内容を端的に言えば、表題通りであります。

具体的な依頼と回答例のケーススタディも記載しておりますので、少しでも興味がある方は最後までお読みいただくと、参考になるかも知れません。

皆々様、ドーモご機嫌よう。初めましての方は初めまして。ある時は物書きワナビー、ある時は銃オタクかぶれ、またある時は辛い麺探究者、しかしてその実態は人畜無害な公衆の敵、素浪汰 狩人 slaughtercult です。

お初の方はお見知りおきを。


『面倒くさくない鉄砲オタク』にご相談ください

様々な創作に日々励んでいる皆様、こんなこと考えた経験はありませんか?

僕の・私の・俺の漫画、小説、ゲーム。自分の考えたキャラに銃器・鉄砲を持たせて、格好よい見せ場を描いてみたい! と思ったまではいいけれど。

いざ調べてみると、銃って色々な情報が複雑にこんがらがって意味不明!?

私の考えたキャラに合う最強の鉄砲って、世界のどこかに無いの!?

リアルな、ファンタジーな世界感で、どんな銃を持たせるのが正しいの!?

気が付けば何時間も銃のサイトを見てるけど、なかなか決められない……。

これだ! と思って決めたつもりでも、改めて考え直すと自信が無い……。

鉄砲の解説サイトを見てるんだけど、専門用語ばかりで良く分からない!

この悩んでる時間、勿体ないかも!? 本音では誰かに聞きたいけど……。

どうせミリタリーに詳しい陰キャオタクって、口数が多くて、何だか上から目線で専門用語ばかり捲し立てて、「こんなことも知らないの?」みたいにマウント取ってくるような、面倒くさいヤツばかりなんでしょ?

……って、思ってませんか?

うーんそう思いますよね……。

まぁ、確かにそうかもしれないけど(否定はしない)

ですが、世の中そういう人ばかりじゃないですよ!

「人よりちょっとだけ鉄砲に詳しい(自称)ご近所の世話焼きおじさん」に気軽にご相談あれ! 丁度いい距離感で、丁寧にお話をお伺いします!

創作物の銃の設定に関するご相談、面倒臭くないオタクがお応えします!

銃の事は何も知らない初心者様から、鉄砲はちょっと詳しいつもりだけれどシーンごとに適切な銃を選べるほど自信満々でない方まで、依頼者様ごとに異なる知識レベルに合わせて、過不足ない適切な情報を提供いたします。

(註:無用とは思いますが念のために注釈すると、上級者様からのご依頼は基本的にお請けしておりません。この場合の「上級者」の定義は、キャラの国籍や性別、年齢、経歴、所属組織といった設定一切から、それに相応しい軍服・防具といった装具一式、それに応じた銃器と改修部品や光学機器などキャラ・設定・銃に至るまでトータルコーディネートできる方を指します

本当に念のためのおことわりです。おわかりいただけましたか?

創作物の銃器設定でウンウン悩んでいるその時間、貴方が本当に作りたいと思っている、物語本編のネタ出し・構想の時間に使いませんか!?

貴方の物語にマッチする、貴方だけの鉄砲の組み合わせ、無償から有償までご依頼の規模に応じて、世界中の銃器から相応しい物をご紹介いたします!



私こと素浪汰 狩人の銃器における”得意分野”

第二次大戦後(西暦1945年以降)の冷戦期から現代に至るまでの、特筆して西側諸国(ヨーロッパとアメリカ合衆国)、ロシア連邦、部分的知識として中国や韓国、東南アジア諸国、オーストラリア等の現代銃器について。

19世紀の産業革命期や西部開拓時代、黒色火薬の前装銃や金属薬莢黎明期の拳銃・小銃・機関銃類に関しては、まだまだ勉強途中なので限定的であればご相談がお受けできますが、現代銃に比較するとお答えに時間を要します。

一方、19世紀より以前に遡る前装銃の全盛期や、現代であっても銃の範疇に含まれない、例えば大口径機関砲や航空機銃、艦砲や戦車砲、ロケット砲や無反動砲、ミサイル等の誘導弾、戦術ミサイルや無人機であったり、戦車や戦艦や戦闘機といった重火器の類は、私の専門外なのでお請けできません。

私の専門分野を予めご理解いただいた上で、ご相談をご検討くださいませ。



私こと素浪汰 狩人が”できる”こと

・物語のシチュエーションに応じた、銃器の選択に関するご相談・ご指南。

(注意:極限までリアルに寄せた、失敗の許されない設定をお求めの場合、プロの学芸員・軍研究家の方へ有償でご依頼することをお勧めいたします)

商業出版・放映など、大規模な資金の絡むビジネスは、私よりもっとましな人に頼んでください。そもそもプロの方であれば、こんな怪しいアマチュアには頼まないでしょうが……。


・上記から転じて、依頼者様の作成した物語の、世界観や設定の練り具合に合わせた『銃器設定』のお手伝い、またオートクチュールの銃器設定構築。

特定のシチュエーションor設定orキャラクターに応じ、最適な銃器の選定を依頼者1名様に付き、シチュ/設定/キャラ1項目に対して、銃器を5挺まで無料にて選定いたします。「なぜその銃器を選んだのか」などの選定に至る思考過程の開示を求められる場合、また大量のキャラに合わせた一括選定をご希望の場合は、こちらも相応の時間を要するために有償でお請けします。

(注意:特に銃器設定のお手伝い、銃器設定全般の下請けに関しましては、作業の規模や関与具合に応じて『有償』となります。相談費用は小口ならば原則として前払い、大規模なプロジェクトであれば一部費用を前金を兼ねた信用保証料として受領、プロジェクトが成功裏に終われば、成功報酬として後金を申し受けます。依頼者様の都合でプロジェクトを中途キャンセルした場合でも、前金の返金はなさいませんのでご承知おきください。その場合はキャンセル段階で構想していた情報を、中途で依頼者様に引き渡します)

アマチュアといえども、時間と手間がかかる業務に関しては、相応の対価を頂きます。


・上記の業務を遂行するための、主にインターネット上における情報収集。インターネットが主な理由は、田舎の図書館や書店、古書店で参照もしくは入手可能な物理書籍(特に外国の専門書籍)は限りなく0に近いからです。またネットに張り付いて情報を漁る副次的なメリットは、参考文献や動画をSNS等を通じることで、依頼者様とシームレスに共有できる点もあります。まあ雑誌や専門書にせよ、画像を写メして共有すればいいだけですが……。



私こと素浪汰 狩人が”できない”こと

・特定の銃器の写真の一部、または全体の写真を見て、シリアルナンバーや刻印、時代による微妙な形状の差異を見分けた、銃の詳細な製造年だったり銃の派生型(1型、B型、前期/後期型……等々)の精密な査定・同定

(例えばマウザーC96やルガーP08、コルトM1911またはワルサーP38なの、製造時期、製造国や製造会社によって、刻印や表面処理、成形の違いなどの微妙な差異や派生が無数にある銃器たちを、個別の写真で正確に・精密に、いつ・どこで作られたどの銃と鑑定・同定するのは、非常に難しいです。

例を上げればM1911拳銃とM1911A1拳銃の違い、あるいはグロック拳銃の第1~5世代の違いといった、具体例が豊富で分かり易いマイナーチェンジを判別する程度ならば問題ありませんが、M1911A1、P08やP38、トカレフやマカロフ拳銃など、同じ型式の銃で刻印やシリアルナンバーを比べて会社や製造年代を判別する、間違い探しに等しい鑑定は、原則お請けできません
(※2挺のM1911A1や3挺のP08、4挺のP38や5挺のマカロフ、トカレフ等を同じ銃同士で並べて見比べ、それぞれ何がどこ製か判別するような鑑定)

真贋や間違い探しのような高レベル業務は、プロの学芸員や研究家にお任せください。


現実にある特定の軍隊や警察・準軍事組織、諜報機関等を元にした架空の武装集団を設定すること。装甲車両、艦船、戦闘機やヘリ等の重火器を含む大規模な軍団、それらの兵員構成や使用する軍装品(迷彩服・ヘルメットやプレートキャリア、懐中電灯、レーザーポインタ、暗視装置など)といった細かい点の厳密な考証。歩兵等の直接戦闘部隊であれば、隊員が使う銃器の細かな考証(作戦に使用する銃に装着する追加部品、弾倉は製造メーカーや携行本数など)、突撃時の分隊人数や盾の有無、コールサインの設定etc。

(正直、不得意です。私は特に古今東西の銃に対して浅く広く興味を持ち、情報収集を心がけていますが、ある集団のある部隊装備を完コピできるほどミリタリーオタクでも、特殊部隊オタクでもありません。単純な銃と人間の集団のみならず、そこに車両・船舶・航空機といった重火器が絡んでくると私が手に負える守備範囲を逸脱します。前線で敵と直接撃ち合う歩兵部隊に限定すれば、大体どういう軍が大体どういう銃を使っている『ようだ』……そういう表面的な伝聞であれば提供できるのですが、ある特定の特殊部隊がどういう銃にどういう改修部品を装着し……という『厳密な答え合わせ』はほぼ不可能に近いと考えていただいて結構です。まして「ヤバいテロ組織を元ネタに、架空の悪の軍団を作ってください!」のレベルで大雑把な依頼はお断りします。依頼者様のご要望を100%叶えられる保証はございません)

リアルに見える武装組織をデッチ上げるのは想像以上に難しいのです……。


リアルに即した銃の威力(もとい殺傷力、ダメージ、貫通力)の提示

(可能な限り、フラットな見地からフェアなオピニオンを提供できるように私も気を付けますが、銃の威力の相対化が非常に困難なものであることは、依頼者様も予めご承知おきください。私が銃の威力についてご説明する時は原則弾の運動エネルギーを『速度の2乗×弾頭重量÷特殊係数の総和』で数値化した『ft-lbd:フットパウンド』や『J:ジュール』の単位で相対化しお話しさせていただきます。他に『テイラー・ノックアウトファクター』を始め比較検討する数式は数多くありますし、FBI式の弾道ゼラチンテストや鉄板・木版・水壁の貫通試験といったより視覚的に分かり易い実射テストも多々ありますが、私の提供する情報においては、我が国のエアソフトガンのBB弾における威力規制(1J規制)でも用いる『J:ジュール』単位のように簡易的な計算で導き出された数値を根拠として、相対化してお話しします。

運動エネルギーのような数字を机上論で導き出した評価は無意味、現場の兵士や戦闘員や猟師が『実感した』風評が、武器の正当な評価だ」といった原理主義的な極論じみた話を時々耳にしますが、私としては現場の評価ほど情報として扱い辛いものはありません。「現場の人間の判断だから」などと権威主義的な思考停止に呑まれ、主観的な思い込みと客観的な事実を分けて冷静に相対評価することが困難だからです。確かに、簡易計算で導き出した運動エネルギーを、数値で相対的に比べるのは机上の空論です。その結果を決して鵜呑みにしていいわけではありません。しかし、主観的な思い込みを排除した『数字』という、動かし難い客観的な事実を根拠とせねば、本来は射距離や着弾部位や弾頭形状や射入角度で∞通りの『結果』が導き出される銃と弾薬の威力を、相対化して比較することなど出来るわけがないのです。

自動車の燃費試験だって『ただの数字』だけど、買う時の比べる基準として勘定に入れるでしょ?


・要するに、私の提供するオピニオンを過信も鵜呑みもしないでください。私が提供できるのは、「人よりちょっとだけ鉄砲に詳しい程度の、ご近所の世話焼きおじさん」である、アマチュアの立場からの一つの物の見方です。



免責事項

私が提供する情報によってもたらされた、いかなる損害や風評被害の類も素浪汰 狩人は保証しないものとします。有償業務に対して発生する対価は、私が情報を収集・整理・比較・検討し回答を導き出すため要する『手間』と『時間』に対して払われるものとし、依頼者様に提供する情報は可能な限り正確を期する努力義務を私は有しますが、リサーチの結果として誤ソースや飛ばし記事に尋ね当たり、意図せずして引き起こした誤情報によって起きた依頼者様への損害に対しては、素浪汰 狩人はその責を負わぬものとします

(元情報の誤り、飛ばし記事で後からウソ発覚……。こういったトラブルは鉄砲業界のみならず、あらゆる分野で起こり得ると思いますが。そういった私自身の責に帰さない間違いまで、私が保証してられるかって話なのです)

話題の専門性が高くなればなるほど、誤報と真実の判別は困難を極めます。


何度も言いますが、私は勉強途中のアマチュアです。時には、皆様の方が私より鉄砲に詳しいケースも多々あるでしょう。先ずは無料範囲でお気軽にご質問ください。質問の回答結果から、私が貴方の創作の銃器設定に資する『使える・信頼できるヤツかどうか』をご判断いただき、時と場合によって有償のお手伝いなどいただければ、私も生活の足しになるので助かります。


・納期に関しては応相談です。有償の仕事であれば優先して対応し、無料の相談であればその時の気分で対応します。無料相談では、私が忙しかったり依頼者の態度が悪かったり、その他諸々の事情で情報提供までの所要時間が伸びる場合があります。依頼者様につきましては、未成年か成年であるかの区別なく、社会通念上一般的な常識に則り、礼儀を弁えた、節度ある発言と対応をお願いします。私も依頼者様を年齢で区別せず、対等に対応します。


その他、ここの項目は実際のご相談で生じたケーススタディに応じて、随時書き足される場合がありますので、逐次ご確認をよろしくお願いします。


ご理解いただけましたか? ご理解いただきましたね?



注意事項:銃の選定を依頼する時、念頭に置いていただきたい『リアル』と『ファンタジー』

実際に依頼する前に、下記の注意事項をお読みいただき、ご理解ください。

――――――――――

素浪汰 狩人の基本方針では「ある時代・ある地域で普遍的に流通しておりその世界の人間が一般的に使うであろう銃器」を紹介させていただきます。

よって、状況次第では文章による描写や、漫画の作画にかかるコストなどが上昇したり、依頼者様がイメージを練るために参考にするエアガンといった現物資料の調達が困難な場合も頻繁にございますので、ご了承ください。

なおかつ重要なことなのですが、作風が『リアル』か『ファンタジー』かはご質問の最初の段階で、明確にご指定ください。リアルかファンタジーかでご紹介できる銃器に差異や自由度があります。依頼者様から、作風に関して何も指定が無い場合、私は勝手に銃の選定をリアル寄りと判断いたします。いちいち依頼者様に質問を再確認したりはしません。重々ご注意のこと。

ここで言うリアルとは、ただ現実世界を舞台にした物語であるのみならず、ある現実の時系列に即した(か、限りなくそれを模倣した)世界で、作中の年代に即した銃器が登場する物語を意味します。例えば幕末の話であれば、明治時代以降の銃器(どころか作中年代以降の銃)を出してはいけません。このルールに則らない(現実の年代に囚われない銃器や服装、建物や車など工業製品がリンクすべき時間軸を無視した)作風は、それが一般に意味するファンタジー世界でなく、現実を模倣した世界観であっても、私の意図する意味での『ファンタジー(本来有り得ない空想)作品』と呼称します。

自分がどういう年代、どういう世界感で物語を作りたいか、しっかりお考えの上ご相談ください。



具体的な相談例:依頼の参考にご覧ください

銃器という現実に存在する武器は、環境や世界感でチョイスが絞られる点も無きにしも非ずですが、創作で最も大事なのはキャラクターです。この点は考え違えなさいませぬよう重々ご注意ください。銃器を持つべき登場人物もキャラクターであり、登場人物が持つべき銃もまたある種のキャラクターとご理解ください。大事なのはキャラ同士のマリアージュ……あるいはそれを 『相性』や『整合性』と表現し、ご理解くださっても差し支えありません。

よろしいですね? 物語はまずキャラクター・ファーストです。魅力のあるキャラ:人物を創り出し、それに相応しいキャラ:鉄砲を宛がえば、環境や世界感との整合性は後から勝手についてきます。創作物で銃を活躍させたいクリエイター様は、先ずそれを持つべき魅力的なキャラを作り出すのです。

ここからは依頼者様がご質問の参考にしやすいよう、私の独断と偏見により考えた、創作物の銃器設定に対する具体的なケーススタディを行います。

相談例:「時代は20世紀初頭無国籍風探偵キャラに相応しい拳銃は?」

上記の相談例ですと、『無国籍風』という大雑把な世界感ではありますが、『時代は20世紀初頭』と強い制限がかかり、かつキャラクターは『探偵』と物語性の想像しやすいものであるので、最後に『拳銃』と、キャラに必要な銃器の絞り込みまで行えれば(まあ大抵の場合は拳銃でしょう)、該当する鉄砲たちは上記の条件に合わせて、かなり的確な物がご紹介できます。

創作物の世界感、キャラクターの職業、性別、金持ちか貧乏人か、出来れば性格や年齢、行動の癖といった『人となり』が事細かに突き詰められれば、依頼者様ごとに個別の状況・シーンに見合った銃の選定はスムーズです。

今回は単純化した一例ですので、キャラクターそのものの人間性や身なりや言葉遣いといったものは作り込まず、一般に『探偵』作品で想像するようなテンプレートに則ったキャラクター作りを、例にも踏襲するものとします。



回答例:1/5『FN・M1900』

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Browning_1900_.32_330049_L_DSC_3314.JPG より転載されています。

弾薬・口径 7.65×17mm ブローニング SR/.32ACP、装弾数 7+1発で、全長はソース次第で164mmや172mmと異なりますが、実測するのが不可能なのでこれ以降、ソースで異なる数値は、出来る限りそのまま並記します。重量は625~630gと比較的正確です。銃器の重量は原則、弾薬を一発も装填しない重量とお考え下さい(せこいことにマガジンを外した重量がある場合も)。

登場はモデル名と同じ1900年、19世紀最後の年で、シングルアクション式のストライカー撃発、ストレートブローバック作動を用いた、20世紀の到来に相応しい単純構造、薄型軽量で持ち運び易い、手頃で画期的な実用拳銃。

比較対象として、当時一般的なマウザー・ミリタリー/C96拳銃は、弾薬が口径 7.63×25mmマウザー(など)、装弾数 10発(短縮版のボロは6発)、全長が296~312mm(短縮版のボロで271mm)、重量1,100g(標準型)。

翻って現代、軍・警察用から民間人の護身用まで一般的なグロック19拳銃。弾薬は口径 9mm×19ルガー、装弾数 15+1発、全長183mm、重量670g。但しフレームが殆ど強化ポリマーで、一部を軽合金フレームで強化しています。

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Browning_1900_.32_330049_R_DSC_3317.JPG より転載されています。

これらの拳銃と比べたM1900が、.32口径・8連発と火力的に見劣りすれども総鋼鉄製で630gの重量が、いかに軽量小型を頑張っているか分かりますね?


回答例:2/5『コルト・モデル1903 ”ポケット・ハンマー”』

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Woolaroc_-_Colt-Sammlung.jpg より転載されています。

弾薬・口径 9×23mm SR/.38ACP、全長197mm、重量890g、装弾数 7+1発。

拳銃の代名詞『コルト・M1911』が後に用いるリンク式ショートリコイルの原型となる、前後リンク式のショートリコイル構造を採用し、モデル1900やその改良型モデル1902といった、兄貴分の全長230mmと比べると、弟分のモデル1903 "ポケット・ハンマー" は197mmと大幅に短縮化されています。

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Colt_Model_1902_Patent.jpg より転載されています。

分解時はスライドを後ろに抜ける構造のため、スライドを支える固定ピンが折れた時、後退したスライドが顔面に激突する危険があったり、安全装置が存在しなかったり(モデル1900では照門が安全装置でしたが、操作性が悪く不評だったためモデル1902で廃止しました)、ホールドオープン機能が無く弾切れが分かり辛い(当時の銃では珍しくなく、FN・M1900も装備なし)と問題が無くはないものの、9×19mmルガー弾に匹敵する .38ACP弾の威力は魅力的です。20世紀初頭の高威力なキャリーガンだったら、威力とサイズをどちらも妥協しない現実的な落とし所として、有力な候補だと思います。

あとFN・M1900拳銃が使う7.65×17mmSR/.32ACP弾の威力は、.38ACPや9mmルガーと比較すると、ざっくり言って半分程度しかありません。威力が弱いということは、遅延機構が不要なので単純構造が採用でき、銃の鋼材を薄くしても強度を保て、軽量化が容易なので、悪いばかりではありません。

9mmルガー弾を用いるルガー拳銃の中で、短銃身モデルのP08と比べると、全長219~230mm、重量871~890g、装弾数 8+1発。ポケット・ハンマーと重量が同等、装弾数が1発多く、手動安全装置を装備、ホールドオープンも可能と一見いいこと尽くめですが、複雑な構造と全長の長さは否めません。あとコルト・モデル1900系を買うより、費用が高くつくことが予想される。

一方、現代の口径9mmポリマー軍用拳銃代表、グロック17と比べた場合、全長202mm、重量708g、装弾数 17+1発。ポリマーフレームなので鉄のみで造られた銃より軽量なのは当然、かつ全長が20~30mm短くなっています。

中途半端に過渡期のモデル1900系を持たせるなら、最終進化系のM1911を使うべきという、一見もっともらしい指摘も想定できますが、全長216mmの重量1,100gという豊満ボディが、探偵の護身用向きかというと疑問ですね。

補足すると、安全装置が存在しない銃を安全に持ち歩けるのか? と疑問に思う方も居るでしょうが、西部開拓時代のリボルバーのように、ハンマーの触れる薬室から弾を抜けばいいでしょう。撃つ時は、ピストルを抜いてからスライドを引き、弾を装填して発砲します。この方法なら、即応性は犠牲になりますが、安全な状態で銃を持ち運べます。薬室を空にして持ち運ぶならわざわざお高い最新式を買わずとも、安価な旧型を使えば事足りるでしょ?


回答例・3/5『コルト・モデル1903/1908 ”ポケット・ハンマーレス”』

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Colt_1903_(6825667246).jpg より転載されています。

弾薬・.32ACP(モデル1903)、9×17mm/.380ACP(モデル1908)、全長は初期型のみ180mm、のち171mm。重量は650~680g。装弾数は.32口径では8+1発、.380口径だと7+1発。2項目の”ポケットハンマー”と同一の1903年に発売され、名前も”ポケットハンマーレス”という超絶・紛らわしい名称。

『ハンマーレス』とありますが、物理的にハンマーを省略したストライカー構造というわけではなく、物理的にハンマーをスライドの内部に閉じ込めたコンシールドハンマー構造となっています。スライド操作以外でハンマーへ物理的に干渉できないため、一見すると安全そうです。しかしこの構造ではハンマーが起きているか倒れているか視認することが不可能ですし、薬室に弾が入っている時は100%ハンマーも起きている構造のため、何かの拍子にトリガーを触ると銃が暴発する、銃の安全を確認できない問題があります。

その点を改善するのが、先祖のFN・M1900から使われ続ける、親指で動かす手動安全装置・サムセフティと、M1900の改良型たるFN・モデル1903から受け継いだ、手の虎口(親指と人差し指の又の部分)で押し込んで解除するグリップセフティとの、二重の安全装置です。後に改良として、マガジンを抜くとトリガーが撃てなくなるマガジンセフティも追加されたようです。

ここまで紹介した3挺の拳銃全てを設計したジョン・ブローニング技師は、1903年に9×20mm SR/9mmブローニング・ロング弾のFN・モデル1903、前述の .38ACP弾を使うコルト・モデル1903 "ポケット・ハンマー" 、そしてこの .32ACP弾を使うコルト・モデル1903 "ポケット・ハンマーレス" まで、実に同年に3種類の、性能の異なる拳銃の設計・実用化に関わっています。

FN・モデル1903は全長205mm、重量905~930g、装弾数 7+1発で、弾薬は前述の9mmロング、威力は .38ACPや9mmルガーより後の9mmショート/ .380ACPに近い、割り切った性能でした。.38ACPの ”ポケットハンマー” より10mmほど全長が長く、若干重く、威力は押さえたことで、より単純構造のストレートブローバック機構を採用。二重の安全装置とスライドストップのホールドオープン機構も持つ先進性から、外国の軍隊が少数採用しました。

一方でFN・1903やコルト・ポケットハンマーと比べて、一回り威力が落ちるコルト・ポケットハンマーレスは、弾の決定的な殺傷力ではこれらの2挺に劣るものの、低威力に合わせてフレーム寸法や肉厚が切り詰められ、2挺を凌いで先祖のM1903に迫る小型軽量のボディを手に入れました。軽量小型をウリに軍の将校や警官の武装用で商機を獲得し、世界で好評を博します。

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Colt_1903_2_(6825667436).jpg より転載されています。

まあグリップセフティの有無に意見が分かれそうですが、.32口径を使うならわざわざこれを選ばずM1900でいい気もしますね。新型の利点にネジ回しが無くても分解組み立て出来たり、.32口径ならマガジンの装弾数も1発多く、後年にはより強力な .380口径も選べるようになります。強力な .380口径版が発売された1908年の2年後に、チョー強力な対抗馬が現れちゃうんですが。


回答例・4/5『FN・モデル1905/1906』

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Browning_1906_.25_1063274_L_DSC_3310.JPG より転載されています。

口径 6.35×16mm SR/.25ACP、全長はソースによって114~127mm、重量は350~367g、装弾数 6+1発。ストライカー撃発のストレートブローバックとFN・M1900に先祖返りした機構を、FN・モデル1903やコルト・モデル1903 ”ポケット・ハンマーレス” の外見に落とし込み、トリガー周りだけを残してざっくり切り詰めてしまったような、ちんちくりんの見た目が特徴的。

一見すると、箸休め的な『脇役』の存在に見えますが、ブローニング技師が1903年版の拳銃を3挺ともハンマー式(うち2挺はコンシールドハンマー)に改めていたのを、1905/1906年には再びストライカー式に戻している辺りが地味に目の付け所です。これは恐らく、後の設計に至る伏線でしょうか。

口径 .25ACP弾は制圧火力を捨ててでも隠し持つことに特化した、小型でかつ半自動連射もできる銃のために設計されました。その弾を使うモデル1906はポケットピストルやマウスガンと俗に言う、極小拳銃の市場を拓いた初期の画期的製品で、特に軍人や警察官でない一般人が、至近距離で咄嗟に抜いて眼前の相手を撃つ護身用に、一定の市場を築くことになります。殺傷力など期待できるはずもない豆鉄砲にも拘らず。小型軽量は正義なのでしょうか。

全長5インチ≒127mmというサイズは拳銃として実用できる限界ギリギリのラインで、比較対象として1914年発表のコリブリ拳銃は全長68mm、弾薬は口径2.7mmで装弾数6+1発、1920年発表のリリパット拳銃は全長108mmで、弾薬は口径4.25mm(.25ACPや.32ACPを使う銃も)、装弾数6+1発でした。

モデル1906より小型な拳銃は、どうにか火薬で弾を飛ばせ、自動拳銃として辛うじて成立しているレベルの物。銃の精緻な造りを珍重し、銃が動くことそれ自体を楽しむ『ミニチュア・ガン』と同じ枠で理解するのが自然です。

いずれにせよ、鉄砲が道具である以上は相応しい大きさというものがあり、度を越した小ささは言うまでも無く、使い勝手を阻害します。仮にこの銃を100%完璧に扱えたところで、小さ過ぎる銃の宿命として、威力も低いものとならざるを得ないので、結局は鉄砲という殺傷兵器として中途半端です。

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Browning_1906_.25_1063274_R_DSC_3313.JPG より転載されています。

何にせよ、1906年に発表されたこの拳銃は、様々なメーカーにコピーされて戦前から戦後に至るまで特に一般社会で普及し、どこでも持ち歩けて相手に一応の脅威を与える(当たり所によっては死ぬ)軽快な武器として、犯罪に多用されました。結果、特にアメリカではこれらモデル1906のコピー拳銃を含む、小口径かつ安価な拳銃が『サタデーナイトスペシャル』のレッテルを張られ、同国における極小拳銃に対する法規制の遠因ともなりました。



回答例・5/5『FN・モデル1910』

画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Browning_1910_(6971783833).jpg より転載されています。

弾薬・口径 .32ACP(装弾数 7+1発)、.380ACP(装弾数 6+1発)。全長は152~154mm、重量570~590g。コルト・ポケット・ハンマーレスの文末の伏線回収ということで、中口径拳銃の決定版にして世界的ベストセラー。

ていうか、ここまで全部、ジョン・モーゼズ・ブローニング技師の設計した半自動拳銃だったり。自動拳銃の黎明期から、元々合理的だった構造を更に順当進化させ、20世紀初頭の世に中型拳銃の絶対王者として君臨するまでの進化の過程をお見せしてきた次第です。お分かりいただけたでしょうか?

これまでの4挺とこの1挺。姿形は似ていても1つ決定的に異なる点があり、それまでリコイルスプリング/復座バネの位置が、バレル/銃身の上か下に陣取る2段構造だったのを、このモデル1910では銃身と同軸に取り巻く形で復座バネを設置する1段構造に改め、構造を合理化・簡略化しています。

一見すると馬鹿馬鹿しく単純なこの進化は、後のドイツのPP拳銃に見られる固定銃身かつ復座バネが同軸かつ簡単にスライドが脱着可能という、簡潔で合理的で道具としてより洗練された中型拳銃に昇華する道筋を示しました。

とはいえ、この時点では分解する時に銃身を回して引き抜くなど、古き良きブローニング設計を引きずっている節があり、改良の余地を残しています。

動画でも指摘していますが、「銃としての精度は悪い」。ただでさえ当時の拳銃は、現代に比べて照準器/オープンサイトの設計に難があり、とりわけ中小型の拳銃ときたら、照準器は僅かな窪みと出っ張りみたいなレベルで、あろうがなかろうが関係ないゴミ当然な物が多く、命中精度はお察しです。

どう釈明しようが、それが当時の拳銃の性能の限界であり、創作者としては現実をありのまま受け入れ、諦めてくださいとしか言いようがありません。

それが嫌なら、C96やP08やM1911を始めとする、当時の軍隊で使われていた全長220~300mmぐらいのフルサイズ拳銃を持たせればよいですが、当時は基本的に拳銃は片手で撃つ物と考えられていたなど、射撃法が未熟といった別の問題もあるので、どの道、拳銃は当たらない物でしたが。細かいことはさておき、20世紀初頭で探偵に勧められる拳銃は大体こういった具合です。



回答例・総括、そして未来へ

ここまでに挙げた5挺の拳銃を見て、皆様はどんなことを考えましたか? 私の想像通りの銃だとか、こんな弱っちい銃は私の想像する探偵キャラには合わないとか、肯定否定様々の、各人各様なりの意見がおありと存じます。

デカい銃と小さい銃、ゴツゴツした銃とツルツルした銃、それらのどちらが探偵の懐に忍ばせるに相応しい拳銃か、皆様の視点で考えてみてください。

補足しておくと、デカくてゴツゴツした軍用拳銃が必ずしも相応しくないと言ってはいないのです。シチュエーションが大事なのです。リアルにするかファンタジーにするのか、物語作りに置く軸足の位置と言うべきですか。

うまいこと設定を組み立てるには、OKな例だけでなくNGな例も知っている必要があります。知識はバランスであり、そこにノウハウがあるのです。

お分かりいただけましたでしょうか?

貴方が調べ物して、考えて、結論を出す……その時間、私が立て替えます。

貴方は情報収集を丸投げして、結論が出るまで待つだけ。鉄砲の情報収集や銃の勉強に浪費していた今までの時間を、創作そのものに回せるとしたら?

貴方の物語の世界設定、登場させてみたい銃器の種類、自分が苦労を重ねて作り上げたキャラクターにマッチする鉄砲、疑問点はお尋ねください!

貴方の構想が、疑問点が、具体的であればあるほど、答えは近づきますよ!

貴方は出来上がった結論を確認して、結論に従うか否かを決めるだけ。



どんなことでも先ずはお気軽にお尋ねください!

銃器の世界にも、特定の宗教・思想・イデオロギー、偏見や先入観といった正確な情報を得るためには邪魔なバイアスがございます。当方はそういった情報ノイズを努めて排除し、フェアなオピニオンの提供を心掛けます!

依頼者からのご質問に対しては、夢や理想を差し引いたフラットな見地から情報提供をさせていただくよう心がけます。そのため、時には依頼者様との意見の衝突もございますでしょうが、私は情報に対する誠意を尊重します。


私が提供するのは、あくまで意見です。銃器・鉄砲に対する『物の見方』を養うための、基礎的かつ普遍的な情報(コモンセンス)をお届けします。

クライアントの皆様は、私のお届けした情報を元に、それに従ってご自身の創作物の銃器設定を決めるもよし、もしくはその正反対の道に進むも良し。

創作としてリアル路線を突き進むのか、もしくは全くのファンタジー路線にビシッと決めるのか、そういった道筋を照らし出す切欠となれば幸いです。

情報はあくまで情報です。フェアなオピニオンを手に入れたからといって、必ずしもその通りに動く必要はありません。ですが、適切な『物の見方』が養われていなければ、創作の最初の一歩を歩き出すために、自分の現在地がどこなのか、正しい方向に歩もうとしているのか、それすら分かりません。


お分かりいただけますでしょうか?

適切な情報を取捨選択するということそれ自体に、ノウハウがあるのです。


長い時間をかけて、嘘情報・欺瞞に惑わされ、騙されつつ、時にはネットの顔も見えない他人と議論して嘘を喝破され、恥を晒し、絶え間なく新情報を取り込んで知識をアップデートし続け、ようやく適切な判断力を持つという情報の取捨選択のスタートラインに立てるのです。それを会得するためには貴重な人生の時間とお金を、それも少なくない量を費やす必要があります。

この分野に関して、私はあくまで情報の取捨選択能力に限定した話ですが、少なくとも15年ほどは知見・書籍を収集してきた積み重ねがあります。

まだまだ修行中の身ではございますが、ささやかな情報を提供をさせて頂く立場に限定する意味合いで、何某か皆様のお役に立てると信じております。


繰り返します。私が依頼者様に提供できるのは、一つの『物の見方』です。

皆様はその通りにしても良し、それに反発しても良し、全くの自由です。

自分の進む道を明確にするための、情報の取捨選択するスタートラインへと至るまでの、知見の積み重ねというステップをチートで短縮しませんか?

誰かに相談して知識を引き出すことは、決して悪い事ではありません。

皆様の貴重な時間を、物語の創作そのものに集中して使ってください。

私は銃器・鉄砲の設定のアドバイスという立場で、その手助けができます。

私のオピニオンで、ご自身の進むべき創作の方向性を見つけてください!

依頼者様の創作物に関わる些細な銃器の設定や疑問点から、場合によってはある一つの創作物の銃器設定全般に至るまで、案件の規模に応じて無料から有償まで、納期も即納からじっくり腰を据えた依頼まで様々に、銃に関わる依頼者様の『分からない!』を解決できるお手伝いが出来ればと存じます。


私が提供できるのは、要するに『銃器のことは分からないが、必要に迫られ銃器の情報を検索して悩み苦しみ、設定を捻り出す』時間を短縮するため、私が保有する銃器の情報をお届けする創作者向けサービスでございます。

ここまでお読みいただいた上で、それでも素浪汰 狩人に任せてみようかなと思われた方は、twitterアカウントまでお気軽にDM頂ければと存じます。

ご依頼の内容に応じて、twitter上でお答えしたり、メールに切り替えた上でまとまったお話をしたりなど、様々の形で連絡手段を検討させて頂きます。

不特定多数の方が見られる当該記事上においては、メールアドレスの公表は控えさせて頂きますので、悪しからずご容赦をお願いします。

有償の依頼料に関する振り込み窓口は、ゆうちょ銀行の銀行振込やネットのPaypalを始めに、様々な支払方法を検討可能でございますので、依頼者様に最適な支払プランをご検討くださいますと幸いです(とはいえ地域商品券やクオカード、JCB・アマゾンギフトカードなど金券での支払いは原則として受け付けておりませんので、悪しからずご了承ください)。無料の範囲でのご相談も、お気軽にいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

以上

2022年2月吉日 素浪汰 狩人 slaughtercult



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