私が見ている銃器系YOUTUBER
備忘録と、情報の更新がてら。
元々、目次の下部に追加情報として、私が趣味と参考資料として見ているYOUTUBEチャンネルをまとめていたのだが、今回それを改めて紹介する。
目次を作った3年前・2019年から、私自身かなり嗜好が変化しているので紹介する動画の毛色も変わっているが、参考にしてもらえるとありがたい。
【まえがきと注意】
以下、特に予告なく外国語(特に英語)の動画を含むが、読者諸兄諸姉が理解できる/できないは特に気にしない。動画の内容を深く知りたい方々は翻訳ソフトを使うなり、外国語を習うなりして各自の対処をお願いしたい。
私が紹介するのは、動画時間が長くて~30分程度の、ライト~ミドル級の専門性を持つ、英語の理解力が低くても見ていて面白い動画たちである。
私も英語が得意な方でないため、C&Rcenal のように専門性が強く難解で長丁場の動画は見ないし、自分で見ない動画を読者にオススメもできない。(実射に特化した1分間の要約版「Minuit of Mae」は取っ付き易くて良い)
☝個人的に一番好きな回。「Minuit of Mae」は初心者向きの欲張りセット。
こんな感じで、紹介する動画には筆者の独断と偏見が反映され、ある種の偏りがあるということをご承知おきの上、以下をご覧いただければ幸いだ。
【①実験系】
何を隠そう、近頃の私が頻繁に見ている類の動画である。実験というのは主に、10% バリスティックゼラチンという、長さ6×6×16インチの長方形に成形されたゼラチンブロックに銃弾を撃ち込む、簡易的な実射試験である。
「人体はゼラチンではない」という反論をよく目にするが、そんなことは実験している者、それを見ている者は誰でも理解している。生き物を相手に実射試験など出来ないし、試験方法と標本を揃えねば、結果の相対的比較も不可能だからそうしているに過ぎない。条件を揃えて反復性・再現性のある試験結果を得ることが大事だという、科学の一般論をご理解いただきたい。
【Gun Sam _Revolver Aficionado_】
恐らく、今私が最も頻繁に見ていて、資料として一定の信頼を寄せている動画チャンネル。極力均一化するよう努めた実験条件、クロノグラフによる銃口初速の計測と、バリスティックゼラチンの実射と弾頭の変化、集弾性の観察などと、必要なデータが一通り揃っており、資料価値の高さを感じる。
特筆すべきは何より量が多い。とにかく様々な条件で撃ち、実験を重ねてデータを蓄積している。昔の動画ではゼラチンの代わりに水入りのボトルを使うなど、年代ごとに実験方法の変遷あることには注意。過剰演出が少ない淡々とした進行であり安心感がある一方、退屈と感じる人もいるだろう。
☝代表的な動画に、.38口径と .44口径、2種類のLRN(剥き出しの鉛弾頭)を挙げておく。俄かオタクの私が言うのも何だが、これは玄人向けの動画。
【Buffman - R.A.N.G.E.】
前述のGun Sam氏より以前から、私がずっと見ているチャンネルであり、何と言っても「防弾チョッキへの実射試験」を膨大かつ反復して行っている稀有なチャンネルだ。基本的に試験する弾薬の仕様を公開し、測定した時の外気温や標高に至るまで提示しており、神経の細やかさが感じられる。
この人も実験回数がとにかく多いのが特徴で、一般的な銃に使う普遍的な弾薬から、軍用の徹甲弾と防弾チョッキをぶつけ合うような、非常に豪華で興味のそそられる、金がかかってしょうがない実験まで色々と見られるぞ。
☝代表的な動画には、9×19mmの徹甲弾を挙げたい。もはや何も言うまい。
【Oxide】
ロシア軍装備に特化したチャンネルだ。Zenitco社の改造部品を組み込んだカスタムAKを撃つ娯楽的な動画もある一方で、ロシア軍の防弾装備に対して西側の徹甲弾を撃つ実験動画もあり、ここでは実験系に含めることとする。
余り総数は多くなく、大量のデータを期待して見ると肩透かしを食うが、個々のトピックに絞れば興味深い物が多く、英語が理解できればなお良い。
☝MP7の4.6×30mm弾とP90の5.7×28mm弾とを、ロシア製の防弾チョッキのチタン製トラウマプレートに実射し、PDW弾薬の貫通性能を見る試験。
【InRangeTV】
Forgotten Weapons の別動隊としての側面もある、実験系チャンネル。「銃の泥漬け試験」が有名か。精力的に動画を投稿しており、本数が多い。近代的な銃から古の黒色火薬銃まで、意外と手広く手掛けており、過去作を掘り下げていくと様々なジャンルの銃を、雑食的に摂取することが出来る。
☝InRangeの代表作と言えば泥漬け試験? 敢えて「G36、熱に弱い問題」の実証実験を挙げよう。この銃が純正品でなくリビルド品である点には注意。
【②解説系】
これまでの動画は「ある条件で銃を(弾を)撃ってみてどうなるか?」を観察するチャンネルが主だったが、ここでは銃そのものに焦点を当て、その背景にある歴史を解説したり、銃の構造をつまびらかにしたり、珍しい銃や歴史的な銃を実際に発砲してみるなど、教養チャンネル的な側面が強い。
【Forgotten Weapons】
インターネットネイティブ世代の銃オタは、誰しもが見てる説すらある、余りにも有名なチャンネル。基本的には、ネットオークションに出品される骨董品や稀覯品たる様々な銃を、「Gun Jesus」ことイアン・マッカラン氏が深い見識によって解説し、時に実射して作動性を検証するというスタイル。
Royal Armouries と並んで、「ここでしか見られない珍銃」が実際に動く貴重な姿を撮影した、野生のNHKとでも言うべき質の高い動画が見られる。
とにかく動画の数が多く、古今東西の様々な銃が見られ、キュレーターのイアン氏のユーモラスながらニュートラルな語り口は非常に好感が持てる。
☝わざわざフィンランドまで取材に行って撃った、KvKK62ベルト式機関銃の分解&実射動画。このレベルの珍品の動画がゴロゴロしているので凄い。
【Royal Armouries】
イギリスの軍事博物館が、所蔵品を解説するチャンネル。イギリスらしい軍用銃やその試作型、古の変な銃や、掌サイズのちっこい拳銃まで、様々の銃をイギリス風の切り口で解説してくれる。ここに関しては動画だけでなく公式サイトの画像データも数多く、一見の価値があると補足しておく。
☝イギリスと言うことで、ランカスター拳銃などどうだろう。植民地時代のインドに駐屯していた兵士が、猛獣から身を護るための大口径拳銃である。
【Bloke on the Range】
スイス在住の投稿者による、アメリカでは見られないような銃が見られる面白いチャンネル。歴史の解説と実射が半々くらいだが、ここでは解説系に含めた。スイスも銃が身近なお国柄なので、日本人には羨ましい限りだ。
☝BotRと言えばやはりこの動画だろう。「スイスの右翼が破壊活動の目的で保有していた、.41マグナム口径の消音対物狙撃銃」という情報量の多さ。
【LifeSizePotato】
過去の珍銃・名作銃を、解説と実射を交えて紹介するスタイル。この方は悲しいことに新規投降を止めてしまっているが、これまでに公開されている動画のストックが、現在でもなお紹介するに足る価値があるため掲載した。
☝世界初のダブルアクション・セミオート拳銃、リトル・トムの解説動画。こういう古くマイナーな銃をサラッと出す、センスの良さは色褪せない。
【③娯楽系】
これまで実験に解説と、お堅い頭を使う感じのチャンネルが連続したが、ここからは恐らく読者の皆様にも親しみ易い、肩の力を抜いた気楽な感じで見られる動画を幾つか紹介したい。勉強になるかどうかはともかくだが。
【Arm&Gun】
カナダ在住のイケイケな兄ちゃん。金庫にズラリ並んだ所蔵品の多さから金持ちであることが予想される。近頃はショート動画がメインだが、過去の投稿動画を遡れば、メジャーな銃からマイナーな銃まで、突っ込んだ解説が見られる。動画を見終われば「Bomb Diggity」と唸ること間違いなしだ。
☝この人と言えば、間違いなくこの動画。12.7×99mm口径の対物ライフルを主観視点からぶっ放す映像は、ド迫力間違いなし。変態ギミックもあるよ。
【Polenar Tactical】
スロベニア在住のタクティカル系チャンネル。ミリタリー系の訓練射撃を見せたり、とにかくマシンガンを撃ちまくったり、変な実験をおっ始めたり見ていて飽きない。マッチョのジガ、太っちょのサモ、紅一点のマンカなど演者のキャラも立っており、どこかユーモラスでありながら、やる時はやるシリアスな一面をも合わせ持つ、独特なスラヴ風味を味わえることだろう。
☝「酔っ払うと射撃精度に影響するか?」という、恐らくは史上最もアホで危険な実射実験。その余りの危険性から、いつもは実弾を撃ちまくるジガも今回だけはエアソフトガンを発射。スラヴ系なので飲みっぷりが凄まじい。
【GunsOfTheWorld】
演者は喋らず、銃だけを撃つ。シンプルな撮影スタイルで、動画の時間もさほど長くはなく、カップラーメンにお湯を注いだ待ち時間に、一口感覚で楽しめるカジュアルなチャンネルだ。ボルトアクションからマシンガンまで様々な銃を撃っており、結構マイナーな銃まで豊富に動画に撮っている。
☝ナチス・ドイツ末期の画期的な銃、STG-44。実用的なアサルトライフルの元祖とも言われる有名な銃だ。色々な角度から動く姿を見せてくれる。
【1957Shep】
麺カタコッテリのアメリカ銃が見たい人はここが良い。リボルバー好きは特にお勧めできる。どちらかというとレトロ銃が推しであり、ミリタリーが好きな人にはちと退屈か。私はレトロ銃もイケる口なので大好きなのだが。
☝オールド・S&Wの欲張りセットである。黒いゴム製グリップ、テーパード銃身の先端にカマボコ照星、見る人が見れば古いな~と思う。ツウ向け。
【④その他】
上記ほど尖った個性があるわけではないのだけれど、時々見返したくなる個性的な投稿者たち。日本語の投稿者も要るよ。最後にこっそり紹介する。
【Jaeger Z999】
セミオート銃をフルオート銃のように撃ちまくることに定評のある(笑)強靭な指をお持ちの配信者。流行のショート動画で忙しい現代人に最適。
☝バイナリー・トリガー* じゃないのに、よくこんな高速で連射できるなと感心してしまう。ショート動画ではカスタムAKも色々と撃っていて良い。
【RestauraTo】
イタリア在住、壊れた銃を直しちゃう系Youtuber。投稿数こそ少ないが、色々と修理しており今後に期待する意味でも紹介しておく。無言動画なのでイタリア語が分からなくても心配ない。セラコート* が好きなようである。
【Daijiro357】
日本人の銃器系Youtuberでは割と有名な関西弁おじさん。残念だが更新が停止している。twitterもブログも止まっているので、ぶっちゃけ生死不明で気になるところではある。やる気が無くなってしまっただけだと思いたい。
☝Daijiro=サンと言ったら、拳銃のコンシールドキャリーネタがピカイチ。いい動画を作ってくれるんだけどな。日本語の情報は貴重だけに勿体ない。
【JPSikaHunter】
個人の感想です(重要)個人の感想です(念押し)個人の感想です(再)
狩猟とナイフに詳しく、些か尖った見識をお持ちである日本人の配信者。これぐらい念を押ししないと、マジで真に受けて信者になるような人が出る可能性があるので、念には念を入れて断りを入れる。この方は経験から来る「独自の視点」と断定口調が強く、話半分で聞いておくのをオススメする。
☝比較的無害で勉強になる類の解説。こういう動画ばかりならいいのだが。
【おわり】
筆者はここで力尽きました。
チャンネル紹介は一先ず以上です。興味のある方は、紹介した中でどれか一つでも見れば、暇潰しになることでしょう。動画内で提示されている事は投稿者の主観による、バイアスのかかった情報であることはお忘れなく。
ネットに氾濫する情報と正しく向き合い、批評的に摂取しましょう。
けど、ひろゆきみたいになったら嫌われるからほどほどにね。
次回の投稿は未定です。本日は思いついたので取り急ぎ。では失礼。
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