ガンバ戦~決定力の差、精度の差

2020年9月27日 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪 エディオンスタジアム広島

 2連勝して、またメンバーをマイナーチェンジして右サイドに左利きの東を入れてきた。それにより縦へ抜ける動きよりも中盤を切り抜ける動きが出てそれが前線へのボールの供給につながるのだった。幸先のいい立ち上がり。クリアボールにも対応し、攻撃の連続性が生まれるのだった。
 珍しく主導権を握ってる。こういう押し込んでる時に先制点を決めたい。ただ、左サイドで柏がクロスを入れる体制まではいくものの、その後が続かない。ガンバの集中した守備。それもあるものの、サンフレッチェのパターンが分かっているようだった。クロスを上げようとボールの落下点には必ずガンバの選手がいる。そしてラストパスを出そうとするとそれもカットされる。そんな実らない攻撃は一転するのにそう時間は掛からなかった。
 脅威のないサンフレッチェの攻撃を食い止めると一気にカウンターへ。サンフレッチェの戻りも速く何とかクリア。が、そのボールの進んだ先にはガンバの選手。再び前線へ放り込むと真ん中で構えてたDFがクリアするも落下点にガンバ倉田が。ワントラップでシュート。距離があるにも関わらず、ドライブの掛かったボールはGK林の指にも触れないゴールの隅に入ってしまったのだった。
 攻めて攻めて攻め続けたサンフレッチェに対してガンバはたった1本のスーパーゴールを決めてしまった。決めるか決めないか、この差をまざまざと見せつけられた光景だった。そして悲劇は尚も続く。GKから出たボールを中盤で受けた倉田は反転、DFの裏へキック。井林の背後を取ったパトリック。そこで必死に追い掛ける井林は遅い。カバーに入った荒木の方が先に出てしまった。が、そんなDFの寄せもモノともせずニアにシュート。GK林の脇にぶち込まれたのだった。
 連続失点。いともたやすく2点決められてしまった。この光景、3節前に起こった5失点して負けた試合を思い出した。もしかして大量失点するかも。もはやその覚悟をせざるをえなかった。
 点を取るべく攻撃に比重を高めるサンフレッチェ。だが密集したゴール前には隙が無い。だがFKを得た。森島のキックはクリア。が、青山がセカンドボールを受ける。グラウンダーのシュート。ポストに当たって外れてしまった。惜しい、わずか数センチの差だった。
その後も青山のドリブルからのクロスは中で合わない。が、左で柏が拾いクロスを入れるもこれも中で合わせられない。惜しいといえば惜しいが、いくら惜しくても点にならない。更にはヴィエイラが最前線で潰れることにより浅野が抜け出した。が、これもGK真正面に打ってしまい止められてしまう。決めきれないサンフレッチェの攻撃に対しガンバの守備は増々自信を深めるのだった。
ュまでいかない。この硬直状態を打開しようとペレイラ、ハイネル、茶島を入れも今度はガンバの攻撃が続いてしまう。守って守って守りきる。荒木はパトリックをよく抑えてる。だが攻撃へ転じようとした時、井林のパスが悪くまるで前線に収まらないのだった。
せっかくトップに高い2人がいるのにちっともボールを入れることができない。そんな苛立ちを感じてると前線に行った。ハイネルがバイタルエリアからシュートと見せかけて左へ流れるクロス。柏が拾いカットイン、クロス。ペレイラがヘッドで叩きつけたボールはGKの逆を突きファーサイドポストに当たるもそのままゴールに入ったのだった。
まず1点。喜びもそこそこに追加点のことを考えるも、ひとまず無得点で終わらなかったことにホッとする。得点力のないチームにおいて1点入れるだけでも多大な労力なのである。それを披露するかのように相手を畳みかけようにも攻撃が遅く必ず遅攻になる。ブロックを敷かれると崩せない、またいつもの負けパターンが訪れるのだった。
ヴィエイラが抜け出しクロスもペレイラのゴール前シュートは枠外。川辺がふわっとしたボールをゴール前に入れるもDFに挟まれたペレイラは触れることすらできず、ハイネルの縦パスに対して浅野が意図を感じられず反応できなかった。
じりじりと減っていく残り時間。どんなにこじ開けようとしても固く閉ざされている。そして最後にCKを得た。恐らくこれがラストプレー。ハイネルの蹴ったボールはゴール前の山を越えてフリーで受けたがシュート打てず。そして落としたもののシュート入らず。そしてこぼれをハイネルが拾うもこれもシュートすら打てず終わってしまった。1-2、あまりにも簡単に与えてしまった失点は1点返すのがやっとだった。
この試合、シュートはガンバより6本多い17本打っている。CKに至っては9本もあった。それなのに決めたのがわずか1点。対するガンバはわずかな時間で簡単に2点も取ってしまった。これはもう決定力の差でしかないだろう。そしてパス精度の差でもありカウンター時のスピードの差もあっただろう。
攻めてるようで負けてしまう。その事実に脱力感に苛まれてしまう。それでいながらかつてのような苛立ちも感じない。もしかしてもう負けるのに慣れてしまったのだろうか。何よりもそれが一番マズい状況なのかもしれないのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?