名古屋戦~課題の圧し掛かる2連敗

2019年4月28日 名古屋グランパスvsサンフレッチェ広島 トヨタスタジアム

 高くせり上がった四方のスタンド。ぎっしりと埋まった観客の光景は壮観だった。後にそれは4万人という発表があったがサンフレッチェがどんなにがんばってもできない動員数だった。観客の声援が降り注ぐ。アウェイゴール裏も紫のサポーターが埋め尽くしているものの、数では到底敵うことができない。そんなスタジアムの空気が名古屋の攻撃を活性化させてるかのようだった。
 守ってばかりいるサンフレッチェ。上手く防いだかと思ったら前に運ぶことができない。攻撃に行こうとすると摘み取られる。名古屋の方がプレスの掛け方が上手い。ポジションがいい。連携が取れている。攻撃へ向かうとピンチになるという一方的な試合なのだった。
 それでも最後の最後は人数を掛け何とか粘りとおす。ボールホルダーへのチェックを怠らない。だが名古屋はそんなサンフレッチェの守備の間、間を狙ってパスを通してくる。そしてサイドのスペースに出されたボールにジョーが横パス。真ん中へ向かう選手を追うサロモノソン。ここは潰した。が、このプレーでGK大迫とサロモンソンが交錯してしまうとルーズボールを押し込まれてしまった。失点。先制点を与えてしまった。
 多少不運な形はあるかもしれない。でもそれまでに攻められすぎた。名古屋にはもはや攻撃のことしか頭になかったはず。サンフレッチェがあまりにも自分たちの時間をつくれない為に勢いを与えてしまったのだ。前半は守備から入る。そんな指示があったのかもしれないがそうであれば守備をしてる時間に失点をするというまるで作戦が裏目に出た形だった。
 後半に入り、攻撃に転じようとするもやはり流れは変わらず。ショートパスをつないでつないでばかりでちっとも前に進まない。名古屋が機能的に攻めてるのに対して実にもどかしい。まるで匍匐前進をしているかのようだ。
 左サイドから崩そうとパスをしてパスをしてパスをする。そして煮詰まったとこで逆サイドに出すもゴールラインを越えそうだ。と思った時、サロモンソンが飛び出して追いついた。ダイレクトで折り返し。柏がシュート。が、ミートすることができずゴールの枠を外れてしまったのだった。
 だがそのプレーはサンフレッチェを前に突き進む力を与えた。DFの壁を突き崩すようなボールが入る。ゴール前に入った柴崎。まさにゴールの真正面。が、決めきれない。これもヒットさせることができなかった。
 更にはサロモンソンがが右サイドから単独突破をはかっていくものの吉田にブロックされてしまう。吉田は鳥栖にいる時からいつも立ちはだかっている。サンフレッチェにとって吉田は鬼門である。吉田がいるだけで局面で勝てる気がしないのだった。
 ここで中盤の松本に代えてFWの皆川が入る。前線にターゲットができたことでアーリークロスが入る。皆川の頭の上を飛んでしまう。もう少しプレーに正確性が持てないものだろうかと悔やむと名古屋はそういう攻めきれなかったボールを上手く回収して攻めてくる。前掛かりになってるものだからスペースが空いてる。スルーパスが面白いように出されその都度DFは全速力でボールホルダーを追いかける。これを決められたらお終いであるものの、最後の最後で防ぐ。ここまで踏ん張ることができるだけに前半の失点が余計に悔やまれる。
 そして悔やみはCKを蹴られた時にも起こった。CKのボールをGK大迫がキャッチするとロングスロー。川辺が受けてドリブル。完全に独走。ドリブル、ドリブル、ドリブルからゴール前へフィード。が、正確性が足りず最後には摘まれてしまった。ああ、あと一歩ゴールに詰めた選手に合わないんだよな。
 それからもサイドからのクロスがあった。皆川が合わせるもポスト。入らない。皆川のヘディングは本当に入らない。あと一歩が入らない。ほんのあと数センチというとこでゴールを決めることができないのだった。
 そしてそのあと一歩は最後まで詰めることができなかった。1-0、2連敗。ついに連敗をしてしまった。昨シーズンここでズルズル沈み込んでしまった。果たして今シーズンは盛り返すことができるだろうか。そしてワントップを渡が入るようになって負けるようになったのも頭が痛い。やはりドウグラス・ヴィエイラかパトリックがいないと駄目なんだろうか。
シーズン序盤にして早くも試練が訪れてしまったのだった。

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