ウルグアイ戦~新たな力

2018年10月17日 日本vsウルグアイ 埼玉スタジアム2002

 サイドハーフからのキラーパスを受けドリブルからのシュート。中島のパスと南野のシュート。これはもはや個人技の差だった。DFの壁を切り裂くパスとDFをかわしてシュートを打つ技術という2つのプレーの結晶。これまで点が取れないのは連携ができてないからと何度同じ言い訳を聞いてきただろう。そんなわだかまりを打破してくれたゴールはこの後3回も訪れた。もっとも3失点したという課題はあったものの間違いなく面白いという感覚を持って観ることのできる試合だった。
 それもそのはず、前々監督のハリルホジッチ時代があまりにも面白くなかったからだ。選ばれるのは今までの代表キャップのある欧州組ばかり。しかもその面子は前々会のワールドカップメンバーと変わらない。そもそもそれって岡田監督が選んだメンバー。結局実績を重視するあまり新戦力も出なかったし、何よりも観てるこちらの方が飽きてしまってた。それで結果が出ないと連携を深める時間がないと嘆く。あんなのだったら誰でも監督できる。そう思った人は多かったのではなかろうか。
 それなのにどうしてあんな監督が約4年近くも監督を任されたか考えてみる。当時から日本人監督でいいんじゃないかという声はあった。それでも外国人にこだわったのは結局のところ選ぶ人が自分でやりたかったからだろう。自分を差し置いてライバルでもある同業の日本人監督にやらせるのは心情的に許せない。それはとうに監督業からも退いた人であってもサッカー協会に所属してた人の中にはそういう人もいただろう。現に日本人には代表監督はできないとはっきりと言い切った重鎮までいた。
 ところがロシアワールドカップ直前に西野監督に交代。そしてこれが決勝トーナメント進出を果たすという結果を出してしまった。改めてこの時の功績は大きい。なぜなら日本人監督でやれるということを証明してしまったのだから。しかもその方がいいサッカーをしてしまった。
 今にして思えばあの監督交代劇のタイミングはあそこしかなかったのだろう。ハリルホジッチに疑問を持ちつつも簡単に切れない事情があったのかもしれない。何かを変える時、タイミングというのが大事なんだというのを見せつけられた。
 森保監督が代表監督に就任したのもそんなギリギリな可能性の中から生まれたのだろう。いつかは代表監督、確かにそんな願いをした。それなのにピッチで指示を送ってる監督はまるでそんな威厳を発してなかった。そう、それこそがサンフレッチェを3回も優勝させた森保監督のスタイルなのだった。

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