ルヴァンカップ名古屋戦〜負傷交代で入った2人の得点

2022年3月2日　ルヴァンカップグループステージ　サンフレッチェ広島 vs 名古屋グランパス　エディオンスタジアム広島

　今シーズン初スタメンのドウグラス・ヴィエイラ。それをトップとして大卒ルーキーの仙波はどう生かしてくれるか。そんなチャンスを貰った選手がいる一方で青山、佐々木、塩谷という主軸が入ってる。若手や出場機会を与えた選手を使いつつもガチンコのメンバーを選考。それは名古屋も同様でこの試合に対する両者の本気度が伺えた。
　スタンドの手拍子が響く中始まった試合。サンフレッチェは最初から激しいプレスで圧力を掛けていきボール奪取をしていきトップのヴィエイラを狙うのだった。
　最終ラインの塩谷によってズバッと縦パスが入る。ヴィエイラが身体を張るもののサポートがなくそこからの展開につながらない。他にも仙波が中盤で奪ったらすぐに前線のスペースに蹴り込んだもののとてもヴィエイラの追いつけない。まだまだチームとしての熟練がない。そこが若い選手が多いことでの未熟さなんだろうか。
　それでもチャンスを掴んだ選手はアグレッシブにボールに関わる。守備もサボらない。そんな頼もしさを感じている時、ジャンプの着地で相手と交錯した東が倒れた。
　うずくまったまま立ち上がらない。まさかこんな早い時間で。駆けつけたチームスタッフからは手で大きくバツの文字。そこで大卒ルーキーの満田が入ったが、これは流石に痛かった。迫井ヘッドコーチにしてもプランが大きく変わってしまったはずだ。
　ところがこの満田がいきなり左サイドからカットインでペナルティエリアへ入っていく動きをした。そのプレーはDFに閉ざされてしまったもののその物おじしないプレーぶりに熱狂された。それが前線に躍動感が生まれ、更にターゲットとしてのヴィエイラを生かそうとしたその時だった。ヴィエイラが座り込んでしまう。どうやら空中での競り合いで頭を強打したみたいなのだった。
　続行不可能でサントスと交代。縦続けにプランの変更をされた。ついてない。立て続けに2人も負傷交代というのはあまりにも不運であった。
　サントスは存在感がありボールを持った時の懐の深さはあるものの、肝心のラストパスに精度がない。バイタルエリアへ出したパスが微妙に合わないと名古屋は攻撃へと転じる。だがサンフレッチェの守備意識は高く最後は刈り取るのだった。
　すると中盤の川村から相手の守備網をザックリと切り刻むようなパスが出る。受けた満田がそのまま突き進無とカットイン。そこで相手を剥がし切らないまま、シュート。刺さった。ファーサイドのゴールの中に突き刺さったのだった。
　先制。思いもよらないタイミングのゴール。しかもそれが東の負傷で入った満田によるものだったというのは大きな驚きだった。
　ただリードはわずか1点。浮かれるにはまだ時間も早すぎる。名古屋も交代でどんどん強烈なメンバーを入れてくると早いタイミングでのクロスで押し込もうとしてくる。それを住吉が跳ね返す。住吉も自身のアピールを存分に見せつけてるのだった。
　追いつこうと急ぐ名古屋。サンフレッチェも森島や柴崎といった実績のある選手を入れてくる。ボール支配を高め時計の針を進める。無理に前に出さずバックパスで逃げる。そこに詰められたらロングボールを出すと右サイド満田のとこに来た。するとワントラップで縦へ抜ける。吉田が追走し最後は摘み取ったもののチェイシングを諦めない。GKへのパスも詰め寄る。すると出しどころに迷ったランゲラックのトラップにサントスが突進していった。ガツンとゴールにねじ込む。追加点、終了間際のゴール。サントス自身にとっても今シーズン初ゴールはもはやこの試合の勝ちを確信するのに十分なものだった。
　そのまま2−0で試合は終わった。負傷交代で入った2人による得点。単純な勝利という以上にその活躍が嬉しかった。これによりルヴァンカップ２連勝。あとはリーグ戦の初勝利が観たい。この勢いは週末の試合でそれを実現できるだろうか。そしてまたしても誰がメンバーとして選ばれるかわからなくなったという楽しみが増えていったのだった。