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仙台戦~今シーズンの悪癖

2021年10月23日 ベガルタ仙台 vs サンフレッチェ広島 ユアテックスタジアム仙台

 代表ウィークによる中断が明け、3週間ぶりのリーグ戦。相手は残留争いをしてる仙台。後のない状況にある上に今シーズンサンフレッチェには負けてない。むしろ煮湯を飲まされ続けてる。それだけに仙台はこの試合での勝ち点は当然計算に入れてるはずだった。
 それでも2連勝といういい流れはメンタルに好影響を及ぼし、試合の入りは悪くなかった。ボールが握れる。右サイドの藤井を使いショートパスで繋ぎ中へ入れるとCBの荒木がゴール前まで上がりヘッド。枠には入らなかったものの有利に進む予感を感じた。
 ところが後ろでの繋ぎに対してプレッシャーが掛かると途端に余裕を失いラインへ逃げる。仙台スローインに対して4人で囲むも奪えずゴール前へ出されそれをワンタッチで落とされると関口がフリーでシュート。そのままゴールにぶち込まれてしまったのだった。
 ああ、早くも失点してしまった。点の取れないチームにとって最悪の展開。ここから仙台は守備ブロックをつくる。ボールは支配できはするもののそれは全て後ろの安全圏で回してるだけだった。
 するといきなり仙台の前プレスが始まる。パスで逃げるサンフレッチェ。相手をいなすつもりがどんどん追い込まれていきついにはラインアウトさしてしまう。仙台のスローインから始まり4人掛かりで囲むも奪えず通される。そしてペナルティエリアに入られると慌ててDFが食らいつくとあっさり中央へと落とされ走り込んだ関根がシュート。GK林が指一本すら触ることができず叩き込まれてしまったのだった。
 やられた。あれだけ守備の人数が揃っていながらたった3人位に決められてしまった。仙台とやる時はいつもこういうパターンでやられる。4回やって4回同じ。いい加減修正はできないものだろうかとため息が出るのだった。
 先制されると当然のことながら仙台はブロックを敷いてきた。スペースのなくなった前線へはパスが通らない。トップの浅野に入ったとしても落としがことごとく味方に合わない。その為右サイドの藤井のスピードを使って崩しに掛かろうとするもせっかく抜いても上げるタイミングがズレて全て跳ね返されてしまう。更にショートパスを駆使して打開を図ろうとするも森島は2人に囲まれて倒れてしまう。もはやその辺のこの粘りが仙台とは大きく差があるのだった。
 無理に攻めてこない仙台に対して遅攻によってビルドアップをしていくがその遅い遅い展開は仙台にとって願ったり叶ったりだった。ゴール前さえ固めていれば何もできない。実際にそれで危ないシーンまで持っていかれてない。毎回同じような守備をやられて同じように崩せない。もっとミドルシュートを狙っていけと叫びそうになった時、森島がCKの溢れをダイレクトシュート。強烈な弾道ではあったがGK真正面、キャッチされたのだった。
 全然点の入る気配がない。このまま無常に時間だけ過ぎてなす術なく時間切れ、そんな光景を予想してきたものの、後半に入りパサーの柴崎に代えてドリブラーのエゼキエウを入れると浅野目掛けたロングパスが入る。最前線でボールを落とした浅野。そこにはエゼキエウが反応したもののシュートは枠の外だった。
 その後も青山のクロスを森島がバックヘッドで逸らすと東がゴール前フリーに。シュートを放つ。が、バーの上を超えていく。往々にして東はこういう場面に顔を出すもののいかんせんシュートが下手なのだった。
 この硬直を打破しようとサントス、茶島が浅野、藤井に代わって入る。藤井はチャンスを作ってるようでいてどことなく思い切りがなかっただけに茶島は縦がダメなら中に切り込んで自らシュートにもち込んだ。枠には入らなかったもののそういう強引さはチームを活性化させる。再び右サイドから縦への突破、クロス。ゴール前でサントス、ヘッド。タイミングは合っていた。それなのにゴールバーを超えてしまうのだった。
 それでもセカンドボールを拾い攻撃の時間は続く。野上がオーバーラップからペナルティエリア深くに食い込んだ。すかさずゴール前へ。東が飛び込む。決まった、と叫びそうになるも空振りしてしまった。直前でGKに触られほんのわずかにズレた軌道に合わすことができなかった。
 その後もボールカットからカウンターも自ら打ちに行かずサイドに流したことによりクロスはGKに取られる。FKがあれば枠に蹴ることができない。東、このところ輝いてきたと思っていたらまた元の残念なプレーを繰り返すようになってしまった。そんな攻撃のもたつきは仙台に活力を与え自陣でのスローインを与えてしまうに至った。
 前掛かりだったDFも守備に戻って構える。ところがこのスローインからのボールを止めることができない。スルスルすると抜けられゴール前へ。対峙した野上はあっさりかわされるとシュート。そのままゴールにぶち込まれてしまったのだった。
 終わった。終了間際の2失点。しかも2点ともスローインからそのまま決められた。どうして同じパターンで同じようにやられるのか不思議でしょうがない。もっと言えば仙台との試合はほぼ同じようなパターンでいつも負けている。同じことの繰り返し。学習能力の欠如。せめて前回対戦の研究ぐらいしないのだろうか。情けなさに打ちひしがれるのだった。
 そのまま何もすることもできず試合は終了した。虚しい。虚無感だけが漂う。一体中断期間中何をやっていたのだろう。というより中断期間明けは必ず最悪な試合をしてしまう。そして相変わらずの得点力不足。一体何が原因なんだろう。ある意味今シーズンを象徴する試合にただただ呆然としてしまうのだった。

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