鹿島戦~監督交代後の惨敗

2021年11月3日 サンフレッチェ広島 vs 鹿島アントラーズ エディオンスタジアム広島

 城福監督が退任し、沢田監督の初めての試合となった。一応まだ代行の立場だが、この後の成績如何によっては正式に監督として就任することもあり得るだろう。城福監督にとっては無念であったろうが勝つことがせめてもの花向けにな理想だった。
 怪我から戻ったヴィエイラがトップにはいり、UAEから戻った塩谷もベンチ入りした。メンバーは揃った。相手が上位争いをしてる鹿島だけに自らの力を示したいとこだった。
 ところが開始3分に蹴り込まれたロングボールに荒木は追いつくものの処理にもたつく隙に上田にあっさりと身体を入れ替えられてサイドを抉られる。慌てて戻ったDF陣の走りも虚しく中央に流されたボールはカイキに詰められあっさり先制点を与えてしまう。3分、たった3分での失点に唖然としてしまうのだった。
 何とか振り出しに戻すべくパスでボール保有率を高めて好機を窺う。が、前に出そうとすると簡単に蓋をされてしまいボールを奪われてしまうと鋭いカウンター。何とかクリアはしたもののC K。全員が戻ってゴール前のスペースを埋める。すると一旦は弾いたCKのボールは落下点に走り込まれミドルシュート。それがドライブシュートとなりゴール隅に叩き込まれてしまった。0−2。なんてこった。1点差ならまだしも2点差になるともうどうしようもないような気がした。確かにスーパーゴールではある。だけどセカンドボールの予測は明らかに鹿島が上回っていた。
 繋いで繋いで結局何もできないサンフレッチェに対して鹿島はロングボールとセットプレーの流れで簡単に点を取る。その現実に愕然とし、結局監督代わろうが関係ないのかよと思っていたら今度はサンフレッチェがCKを得た。ハイネルの蹴るボールは一旦はクリアされるもそのセカンドボールを青山がダイレクトシュート。が、枠に入らない。同じことをしても決めることはできないのだった。
 縦パスは読まれてカットされる。打つ手なしに思えると今度は右サイドからペナルティエリアに出されると抜け出た青山。だが角度がない。マイナスに流すとエゼキエウが詰め押し込むことができた。1点返した。これで1点差まだこの試合は終わってはいなかった。
 そのゴールを機にチームにアグレッシブさが生まれる。青山のロングパスが出ると森島が抜け出しダイレクトシュート。GKにセーブされたもののCK。悪くない流れ。が、CKは佐々木のファールが取られてしまう。どちらにしてもそれがなければGKにキャッチされてただろう。その後もせっかく敵陣で攻めてるのにサイドチェンジのボールを藤井がトラップミスをしてしまい潰えてしまう。そんな窮状に次第にフラストレーションを高めていき、遂には野上のスライディングから騒動に発展してしまうのだった。抗議をする三竿を野上が掌で制すると倒れた。まるで生死を彷徨うかのような倒れ方にピッチは荒れた。そして西村主審はイエローを提示する。やられた。あんな大根芝居に同調する西村主審も西村主審だが鹿島はそういうことを平気でやるチームだったというのを忘れていた。
 そのヒートアップはハーフタイムにより一旦は収まるものの後半になっても決め切ることはできない。右サイド藤井の突破からクロスを上げてもヴィエイラは合わすことができず、エゼキエウは何とかシュートを放ったもののレロレロレロとGKの手元に転がっていく。そんな尻つぼみの攻撃に鹿島は勢いを持ち攻め立てる。ゴール前でクリア。が、セカンドボールをことごとく拾われついには東はエリア内でドリブルをするという判断ミスからボールを奪われるとわずか2人の選手によってゴールを割られてしまうのだった。もうどうしてここまで簡単に失点してしまうのか、しかもまたしても後半開始早々の失点。前半と同じことを繰り返してしまったのだった。
 ということはもう1失点してしまうのだろうか。そんな嫌な予感が湧き上がったものの柏とサントスを入れるとペースが変わってくる。相手を押し込む展開に持ち込めた。後は決めるだけ。だが決めきれないことからカウンターを受けてしまう。決死の守備で止める。エリア内で荒木が受ける。するとそこでプレーを考えてる隙に背後から鹿島の選手に入り込まれ倒してしまった。VARが入るもののPK。荒木、この試合2点目のミスだった。
 このPKも最も簡単に決められてしまい4失点目。もはや勝負はあった。ただここから1点でもいいから返したい。荒木は塩谷と交代してピッチを後にすると涙にくれる姿があった。更にエゼキエウに代わって浅野で打開を図る。が、確かに塩谷はフィジカルの強さからピンチを摘み取る場面は見せたものの浅野に至っては相手をビビらせることすらできない。森島が裏へボールを出しても反応しない。カウンターでドリブルをすれば摘み取られてしまう。攻撃でのお互いの意図が合わない。まるでこの場の個々の思いつきでしかないような連携のなさである。
 相手の予測の範疇での攻撃に予測通りに封じられ奪ってからはのたりくらりとボールを回されつつもゴールを目指される。完全に個人でもチーム力でも鹿島は上回ってる。この鹿島に勝ったことあったんだよなと遠い目をしてしまうのだった。
 隠してこのまま1−4のまま惨敗で終わった。佐々木が4枚目のイエローを貰い次節出場停止。鹿島の方もアフターチャージはカードものだったのにそこは2枚目になるからか忖度を働かせ西村主審は出さなかった。本当にこの人のカードを出す基準は訳がわからない。できればサンフレッチェの試合には割り当てて欲しくないのだった。
 だがそれ以上にこんな大敗に監督を交代した意味を問うてしまう。沢田監督も代行で終わる可能性が高くなった。果たして残りシーズン1試合でも勝つことができるのだろうか。とても怪しい雲行きにどこか希望は見いだせないものだろうかと思い悩むのだった。

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