天皇杯鹿島線~退化する選手

2018年9月26日 天皇杯ラウンド16 鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島 茨木県立カシマサッカースタジアム

 延長に入り、2発を食らって沈んでしまった。90分での勝利を目指すべく次々につぎ込んだ切り札は何の効果ももたらすこともなく時間だけが過ぎてしまい延長まで持ち込むのが精一杯だった。そこに両者の力の差がありこのチームの限界があった。そしてそれこそがこのチームの抱えてる問題でもあるのだった。
 メンバー固定、流動性のない戦い。それが膠着状態を生み出し勝ち点を拾えなくなっていった。もっと他の選手を使いたい。チームに変化をもたらしたい。そんな要求から出場機会のない選手を中心に戦ったもののそれは燦燦たる内容だった。シュートはおろかボールを前に運ぶことができない。なのでロングボールに頼ってしまう。そのワンパターンなサッカーは守る方にとってはいとも容易いことなのだった。
 渡はこの試合でも沈黙。シュートが打てないというのはフォワードとして致命的である。そしてシーズン途中に加入したベリーシャもまるで相手に脅威を与えていない。サイドバックの馬渡も当初のふてぶてしさはどこかに消えてしまったようで存在感がない。川辺や吉野といったスーパーサブ的な使い方をされてる選手もまるで輝きをみせず出るのはため息だけだ。どうしてみんなこうなってしまったんだろう。
 これらの選手の共通点はみんな鳴り物入りで入団したということである。そしてそれぞれが皆最初はそれなりの可能性を魅せていった。それが時を経るにつれどんどんフェードアウトする。存在が霞んでいく。レベルが下がる。どうしてこうなってしまったのか。不思議で不思議でたまらないのだった。
 今シーズン、新加入した中でまともに出場してるのは和田だけである。そこに愕然としてしまう。そこまでスカウトは人をみる眼がないのだろうか。いや、だけど青山以外みんな補強によってやってきた選手ばかりだった。
 今や絶対的エースとなったパトリックは昨シーズン3ゴールしか取れなかった。中盤のダイナモである稲垣も出場機会を得ることができなかった。CBの中心である野上を始め多くの選手が加入後1年以上経ってからレギュラーをつかんでいる。そう考えるとそもそもサンフレッチェに順応するのは時間が掛かるということかもしれない。
 来年になれば渡も馬渡もベリーシャも大活躍をすることだろう。そう願いたい。ただ、も川辺や吉野などそこそこ出場機会を貰っておきながら依然としてパッとした成果をあげられない選手を見ると、ことはそう簡単ではないのかもしれないと思うのだった。

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