チョンブリ戦~茨の予感

2019/01/26 Jリーグ・アジアチャレンジinタイ チョンブリFC vs サンフレッチェ広島 チョンブリスタジアム

 日が落ちてるというのに32度という猛暑。真冬の日本とのギャップにはさぞ戸惑いがあるだろう。タイでのプレシーズンマッチはそんな勝手の違う環境でありながらも新シーズンへ向けてのアピールの場でもある。だがその実、城福監督にとっても勝負の年である。今までの経歴により修正能力のなさ、引き出しのなさは指摘されてきた。昨シーズン6連敗してからというものその采配に疑問を感じてきた。恐らく今シーズン失敗するとサンフレッチェはおろかJリーグにおいても声が掛かることはないだろう。そんな城福監督がどんなメンバーを選んできただろうか。
 するとそこには新しい顔が多く含まれた新鮮な構成だった。右サイドバックの和田がボランチをしてるというのも面白いし、東や松本大哉といったユース上がりの選手が入ってるというのもいい。それぞれ新しいポジションと新規メンバーはどのようなプレイをするのか興味深かった。
 つないでつないで危なくなったらバックパス。それは今までと変わらない。そしてGK林まで戻すとワントラップからロングキックを打つも相手FWに詰められたことでブロックしたボールがそのままゴールに入ってしまう。ああ、いくら親善試合のようなものとはいえあまりにも恥ずかしい失点。林もそろそろ引退かなと思いつつもサブにはもっと危なっかしい中林。今更ながらどうしてGKの補強をしなかったのかと思ってしまう。
 そんな失点の憂いを抱えつつも同点に追いつくべく前係になる。ゴール前にクロスが入る。エミルが落とす。東がフェイント、シュート。3人ものDFに立ちふさがれながらもわずかな隙を縫って決めた。このシュートは素晴らしい。早い時間の同点ということもあってこの東に大いなる希望を感じたのだった。
 ところが後半になるとGK以外メンバー総入れ替えをする。新加入のFWドウグラス・ヴィエイラの大きさが目立つ。それだけで非常な脅威となってる気がする。しかも強烈な左足キックを持つ野津田がいる。これはこれで楽しみな編成であった。
 ところがドウグラスが前線でボールをガツンと収めることもなくまるで迫力がない。そこを悟ったか、チョンブリは気持ちのいいように攻めてしまうようになった。ボールの奪えないサンフレッチェは防戦一方。こういう相手ボールを取れないという悪癖は全く解消されてないのだった。
 相手の攻撃を切ることができない。クリアしたボールは必ず相手のとこに飛ぶ。そんな切迫した状況の中で左に振られるとシュートを打たれた。これにはDFもちゃんと詰めてて林もニアで構えていた。が、このシュートが当たり損ねでバウンドしたボールになるとゴールのファーサイドに入ってしまった。ああ、ヒットしなかったが為に逆にセーブできないしゅーとになってしまった。この運の悪さ、これも昨シーズンと変わりはしなかった。
 更にスローイン、ゴールキックといった本来マイボールにしなくてはいけない場面で相手に簡単にボールを取られてしまう。この辺の課題も全く解消されてないのだった。
 最後は皆川も出て高さで勝負しようとする。が、いいクロスが入らない。そして密集したペナルティエリア内で森島が抜け出す。が、ここでDFのプレッシャーによってラストパスが送れなかった。この辺もフィジカルコンタクトに弱い弱点を克服してない気がする。ああ、どうして個人でもチームでも課題とされてるものが改善されてないのだろうか。やっぱりこれが監督の力量、そんなことを考えてもしまうのだった。
 最後にCKを得た。これを野津田が蹴る。が、簡単にクリアされて終了。2-1で負けてしまったのだった。公式戦ではないとはいえ、とても楽観できる内容ではなかった。
 たえずはACLのプレーオフがある。これはちょっと厳しそうだな。まだキャンプ中だというのにもうそんな悲観的な感情を抱いてしまうのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?