コスタリカ戦~森保ジャパン初戦

2018/09/11 キリンチャレンジカップ 日本vsコスタリカ パナソニックスタジアム吹田

 森保ジャパン初陣。それは北海道の震災により一試合飛んでしまった後でのものだった。ロシアワールドカップから大きくメンバーを替え新生日本代表として臨んだ。前々監督のハリルホジッチだったらこうはしなかっただろう。またヨーロッパクラブ所属の同じメンバーを使って何の新鮮味も出せなかったに違いない。
 その中でもサンフレッチェから青山と佐々木の選出は大きな特色となっている。特に青山にキャプテンを指名するということが森保監督の目指すサッカーへの指針を示していた。
そこはハリルホジッチが忌み嫌ったサンフレッチェで築いたサッカーをやるというメッセージだった。どんなに勝ち続けようと絶対にサンフレッチェから選手を選ばなかったことからもハリルが嫌ってたのは明白だった。そんな個人の好き嫌いで結果を出してる選手が見向きもされなかったことに歯噛みした。そして活躍もしてないのにヨーロッパのクラブに所属してるだけで選出する選手選考にも嫌気がさしていた。なのでこの代表チームの一新には久々に大きな期待感を持つことができた。
しかし、それもこれも結果が伴えばの話である。Jリーグで3回優勝した実績を買われた監督も代表チームとなると勝手が違うけどどうなんだろう。そんな懸念は当然あった。が、その不安は開始早々から早くも払拭されるのだった。
前線からの果敢なプレス。青山が配給すればチームが動く。前線では中島や堂安が有機的に動き個人技でかき回し前線では南野がゴールを目指したプレーが目立つ。そんな躍動したプレーが目立つ中、相手ボールに対して青山が無理なスライディングでかわされることもあるがちゃんとその後のカバーリングを他の選手がやってくる。佐々木も守備で負けることがない。かわされた場面もあったが背後で槙野がカバーリング。この流動性。アメーバのようにまとわりつくディフェンス。それこそ森保監督のサッカーなのだった。
そんな優位な試合運びの中CKを得る。佐々木が決めないかなと思ってたら佐々木が競り勝った。ヘディングで飛んだボールは相手選手に当って入ったのだった。先制点。佐々木のゴール。ただ、記録上はオウンゴールとされたのがちょっと残念だった。
 代表でサンフレッチェの選手が活躍してる。それは今までずっと待ち望んでた光景だった。と同時にこれくらいはできると思ってたという冷静な感情もあった。そしてそれはその他の選手も同様だったろう。中島はドリブルで何度もチャンスを作り上げ堂安も守備を切り裂くプレーを続ける。遠藤もボランチの位置から攻撃参加し遂にはペナルティエリアでの折り返しから南野のゴールを生み出したのだった。
 気分がいい。小気味よい。リズムがある。こういうサッカーを代表で観れるとは思わなかった。一緒にプレーする時間が少ない。連携を高めるのが困難だといった言い訳が単に干拓の能力の差でしかないことを思い知らされたのだった。
 終了時間が近づくにつれメンバー交代をどんどんやっていった。堂安に代わって入った伊藤などはあまりプレー時間が残されてなくてかわいそうだった。が、その伊藤がフリーでボールを受けると右サイドを駆け上がる。そしてDFとの駆け引きでカットイン。強引にシュート。GKの掌を弾いて入った。枠内にシュートが突き刺さったのだった。ダメ押しとも言える3点目。ほぼ完璧な形で試合を終わらせることができた。
 楽しかった。代表を観てこんな気分になったのは久し振りだ。もっと観ていたかった。90分という時間が短すぎた。監督によってサッカーってこんなにも変わるとは今更ながらに驚きだった。単純な勝ち負け以上に代表の試合でこういう気分になることの方が大きな喜びであった。

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