仙台戦~悲劇の4連敗

2019年5月12日 ベガルタ仙台vs サンフレッチェ広島 ユアテックスタジアム仙台

 それは悲劇としか言いようがなかった。正直これを記事にするのは身を切るように辛い。忘却の彼方に解き放ちたい。これは悲劇。もしくは憤怒の再現。ああ、この敗戦をどう例えればいいんだろう。試合の入りはよかった。入りはよかったのだった。
 開始早々、サンフレッチェは柏のクロスからドウグラス・ヴィエイラが合わせて先制した。それはDFを背にしながらも脚を伸ばしただけ。後ろのディフェンダーもまさかあそこまで足が伸びるとは思わなかっただろう。ドウグラスの脚の長さは想像の範疇を越えていたのだった。
 そこからというものブロックを形成して仙台の攻めどころをなくしてしまう。ボールは持たせているけど際どいとこまではいけない。カットされるとカウンター。サイドの柏やエミルが上がる。そこからシュートに結び付くチャンスもあった。ペナルティエリア内での混戦では相手の手に当たった場面もあった。飯田主審が笛を吹かなかった為にPKにはならなかったが、相手の攻撃をよく絡めとりそれを逆に自分たちの攻撃につなげるという循環が上手くいってた。1点あればこのまま逃げ切れるという自信があった。
 それでももう1点あれば安泰。エミルがタイミングを見計らった飛び出しからペナルティエリアへ入るりシュート。DFに阻まれ枠に入らなかった。だが手に当たった。当たったはずだった。なのにまたしても飯田主審は笛を吹かなかった。1度ならず2度までも。これは審判のレベルが低いということだろうか。それともサンフレッチェには勝って欲しくないという恣意性があったのだろうか。いずれにしても飯田主審は吹くべき場面で吹かなかったのであった。
 そして残り40分を迎えたとこで佐々木に代わりルーキーの荒木が入る。ACLではいいパフォーマンスをしてただけにチャンスを与える為にも間違った交代ではなかった。ところがここでディフェンスの強度が徐々に薄まっていった。仙台がいいように攻撃してくる。もはやボールを持たせてるとは言えない。完全にボールを持たれたのだった。それにたまりかねて野津田、パトリックをドウグラス、柴崎に代えていれたのだった。
 ところが前への推進力を期待されて投入された2人、全く流れを変えることができなかった。守って守って守ってばかり。前に行けたかと思うとすぐに相手の守備の網にかかってしまう。どうして攻撃に人数を割いてる相手に対してあそこまでボールを奪われるのか、不思議で不思議でしょうがないのだった。
 そしてサイドをえぐられてしまう。食らいつくも折り返された。すると真正面に入ったハモン・ロペスに打たれた。ゴール前に数人いるにも関わらず決められてしまった。その時間
86分。あと数分堪えることができなかったのだろうか。だがこれで攻めなきゃいけなくなった。それなのに攻撃が中途半端に終わってしまう。そこが仙台に尚更活力を与え逆襲へつなげていく。ゴールラインまでへ突き進む。しがみつく野津田。だがまたしても中に入れられると叩き込まれてしまった。この時、ゴール前には4人もの選手がいたにも関わらず防ぐことができなかった。ああ、たった2人の攻撃を数人いて止められなかった。対してサンフレッチェは1人の相手もかわすことができずシュートを決めることができなかった。
 この終盤の8分により逆転、敗戦が決まった。何とも滑稽である。情けなくもあった。マリアナ海溝よりも深い哀しみに沈んでしまう。仙台に劇的勝利をプレゼントしたようなものだった。
 点が取れない、佐々木がいないと守備が破綻する、傾いた流れを引き戻せない。あらゆる課題が浮かび上がる。そして攻撃ではドウグラスがいないと点が取れないというのが確証された。昨シーズンあれだけ点を取ってたパトリックはちっとも脅威を与えなくなってしまった。ACLであれだけ結果を出した渡はちっとも点が取れない。野津田に至ってはシュートすら打ってない。もはやドウグラスがいない限り勝つことはできないようだ。
 パトリックという特定の選手に依存することの危うさを昨シーズン嫌というほど味わったはずである。その為、ドウグラスが機能したことに喜んだら今度はパトリックがトーンダウンしてしまったのであった。
 4連敗。いよいよ勝てなくなってきた。体調が万全でないドウグラスをどれだけ使えるかに掛かっているのだろうか。

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