天皇杯沖縄戦~勝利によりアピール

2019年7月3日 天皇杯2回戦 サンフレッチェ広島vs 沖縄SV 福山市竹ヶ端運動公園陸上競技場

 リーグ戦も折り返しになってきた時にはまされる天皇杯2回戦。ついついその存在を忘れてしまう。その為、うっかりとモチベーションを落としてしまいJ1のクラブが格下にやられるというのはそう珍しくもない。実際サンフレッチェもFC今治によって敗退という屈辱を味わっている。それ故、地域リーグのチーム相手とはいえ決して油断はできないのだった。
 そんな不安は前半の拮抗した展開により一層強まる。だがそれ以上にもどかしくもある。というのもここに出てるのはここ最近出場機会を減らしてる選手。格好のアピールの場であるはず。こんなんでいいのか。こんなものしかできないのかと失望を感じて来だした。
 そんな停滞感を打破したのが渡だった。サイドを抉るとそのままラインを割るかと思いきや中央へクロス。無理な体制からでも上げることができた。そして真ん中で待ちかまえていた皆川がヘッド。ドンピシャなタイミング。しかしこれがGK真正面でゴールならないのだった。
 それでも渡の突破から何度もチャンスが生まれる。トップに収まるべき選手と思っていたがこういうチャンスメイクをする役割もいい。そんな新境地に心躍りながらもゴール正面にFKを得た。これを野津田が蹴ると魅惑的な回転が掛かりGKはファンブル。こぼれ球を東が押し込んだのだった。
 これから活躍して欲しい、若手の東が決めたことで堰を切ったように勢いを増す。この後ゴールになだれ込むような展開になると中央から右の松本大哉へ。ゴールへ向かう勢いそのまま、シュート。ファーサイドに突き刺さった。よく決めた。攻撃の選手でないだけにシュート以外の選択肢はないと言わんばかりのプレーにまたしても色めき立ったのだった。
 後半も半ばで2-0。もはや勝利は手中にしたようなもの。だけどアピールしたいのは若手だけではなかった。途中出場した青山は長短交えたパスを繰り出すとパトリックはゴールを目指して襲いかかる。ゴール前の狭いエリアを狙う。GKもセーブできない、ちからの抜けたシュート。それを決めたのを観た時、パトリックのコンディションの良さを感じさせてもらえた。そして、稲垣のプレスからのカウンターをいとも簡単にゴールに流し込んだ時、これからの爆発を予感せずにはいられないのだった。
 4-0、快勝である。でもそれ以上にここで出場した選手たちが活躍したのが嬉しい。ただ唯一皆川だけは決めきれなかった。他がよかっただけにどうしても心に引っかかる傷であるのだった。

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