ベガルタ仙台戦~4試合連続未勝利

2020年8月29日 サンフレッチェ広島vsベガルタ仙台 エディオンスタジアム広島

 3試合勝ちなし、2試合連続3失点。
 この戦歴のせいでもう今シーズンは終わったような気がしていた。勝ち負け以上に躍動感がない。それはお盆を過ぎてからの一層厳しくなった暑さも関係してるのか。そんな懸念からか、スタメンにベテランの青山の名前がなかった。代わりにハイネルがボランチ。チャン島が右サイド。段々とこの布陣が定着してきたのだった。そしてシャドーには浅野が抜けてヴィエイラ、森島となったが、これはあまりにもシュートを外したせいだろ。決めきる。そんな決意を感じるスタメンであった。
 だが開始早々中途半端な攻撃で終わり早々に主導権を仙台に渡すとポンポンと2回くらいのパスで前線まで持ってくる。ああ、また今日もこうやって手数を掛けない攻撃にやられてしまうのか。そんな基幹的な気分になるも、攻撃を食い止めると再び攻勢に出る。中盤を経由して回していくとペナルティライン前に守備のラインがすでにできあがっていた。DF佐々木も上がりその最終ラインで張るペレイラへ当てる。無謀とも言える中央密集地。ペレらはワントラップで反転、シュート。電撃のような一撃が放たれるとゴールの中へ叩き込まれたのだった。
 先制。早い時間の先制点にすでにこの試合を優位に進めることができるのだった。まだまだ時間があることからも喜びはそこそこにその後の経過を見守る。するとその余裕からか、仙台ばかりボールを持つようになるとクロスを入れられ、シュートを打たれ、はたまたセットプレーまで与えてしまうのだった。そしてその攻勢の中でショートコーナーからのこぼれ球からミドルシュートを放たれる。これはやられた。と思った瞬間ガンッという乾いた音と共にゴールバーで跳ね返り、命拾いしたのだった。
 どうしてこうも攻められ続けるのか。どうもサンフレッチェは先制すると安心感からかペースが落ちる。その分相手は攻撃に比重を置くことができ猛攻を受ける。クリアしてもセカンドボールを拾われる。そして奪ったとしてもそこから一気に駆け上がることがない。相手からすると微塵も怖さがない。
 そこにイラついてるとGK大迫からのパントキックが前線のヴィエイラに渡る。ねっとりとしたキープを続け味方の上りを促すのだった。それにより前線が活性化される。左から右へ、そしてペナルティエリアに入るとペレイラ、打てずに中央柏に流すと柏スルー。後ろから出てきたハイネルがシュート。完全に相手の意表を突いた攻撃だったもののシュートはバーの上高く飛んで行ってしまった。惜しい、惜しかった。いや、むしろこれは決めなければいけない場面だったろう。
 それ以後も川辺からのクロスをヴィエイラのヘッドは枠外にしてしまい決定力のなさに頭を抱える。だがそんなゴールを目指す姿勢が実る瞬間が訪れた。前線でのプレスから相手ゴール前でのパスミスを招きヴィエイラがカット。GKをかわしてシュート。至近距離でのシュート。が、これをカバーに入ったDFに当ててしまったのだった。ああ、ヴィエイラのシュートは本当に入らない。ここまでシュートの入らない外国人FWはいないのではないだろうか。
 もはや追加点を期待することはできない。入れば試合を決めることができる決定的場面だっただけに落胆は大きい。こうなると交代選手が入るも攻めていいのか守った方がいいのか判断に迷う。すると仙台も交代に兵藤を入れてくるとすぐに攻撃の糸口を見つけゴール前へ雪崩れ込んできた。縦へのドリブルを潰すも折り返しをされ中央へ。そこへ入った兵藤。ダイレクトシュートでゴールにぶち込んだのだった。
 同点。またしても失点してしまった。ここまで失点が続くのに毎回DFの顔ぶれが一緒というのはどういうことなんだろう。しかも交代して間もない時間に決められたというのは精神的に大きなダメージを受けたのだった。
 勝ち越し点を狙うべくサンフレッチェも交代選手を入れる。だが東がクロスを入れるも合わず。藤井もクロスを入れたがヴィエイラが倒れてしまったが為にチャンスにならない。更には川辺のクロスは荒木のヘディング。決まったかと思ったらバーに跳ね返されてしまったのだった。
 最後に密集したゴール前への放り込みに佐々木がGKの目の前でシュート。これをGKにぶち当ててしまいこれで終わってしまった。決めなきゃいけない場面でことごとく外してしまい引き分けでおわってしまったのだった。
 交代選手により同点に追いついた仙台。交代選手が全く点を取らないサンフレッチェ。両者の違いはそんなとこに現れていた。先制しても追いつかれ、先に失点するとそのまま逃げ切られる。一体このチームはどうやったら勝つことができるんだろう。試合する毎に活力を失っていくチームのどこに希望を見出せばいいのかただただ途方に暮れるのだった。

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