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ルヴァンカップ福岡戦~決勝進出

 第1戦を2-3で終え、1-0で負けてもアウェイゴールの関係で勝ち抜けが決まる。ただ当然90分守るつもりもなくしっかり勝って駒を進めたい。その為にも3点入れた前回のスタメンそのままとなった。一方で福岡は大幅にメンバーを入れ替えたものの終盤に出てきて戦況を一気に変えたルキアンを入れてきた。その為、ボールを持ったらルキアンをターゲットにロングボールを蹴ってくるのは容易に想像できたのだった。

 試合開始から福岡は速い攻撃を仕掛けてくる。ロングボールでルキアンを狙ってくるものの流石に前回対戦でわかっているだけに競り負けることはなかった。それでもセカンドボールはことごとく拾われ2次攻撃、3次攻撃に繋げてくる。それを打開する為にトップのヴィエイラの収まりに期待したいとこだがここが一向に機能してない。まるで存在しないかのような希薄さ。人一倍背が高くてターゲットとなるべきヴィエイラは空気と化しているかのようだった。

 ところがそんな状況でも福岡の攻撃をカットすると左サイド柏へとパスが通っていった。一気に前へ駆け上がる。柏のカットインから中央に当てていくと跳ね返されるも後ろから駆け上がった川村はこぼれ球を拾うとそのままペナルティエリアを切り裂きシュート。ニアを狙ったボールはガツンとポストに当たり跳ね返ったもののこれで一気に目覚めたかのようにサンフレッチェはボールを握れるようになる。一つのプレーが戦況を変えてしまった。やはり今のサンフレッチェにとって川村はキーマンになってるのかもしれない。

 ところがそれ以降シュートが打てない。回して回して打開を試みるも最後は跳ね返されてしまう。そして左サイドからクロスを上げてファーに入った野上のヘディングでゴール前へ落とすもヴィエイラはそこにはいない。その後も満田が強引に割って入ったボックス内への流し込みにも反応できてない。もうトップがヴィエイラでは絶対にゴールできない。かといって代わりもいない。その為、ハーフタイムを挟んでも交代選手はなかった。さすがに第1戦でメンバーを交代した瞬間から2失点もしてしまった為に容易に替えられなくしてしまったようだ。

 それでも後半になるとなぜかヴィエイラの収まりが良くなってくる。ヴィエイラの落としから森島がゲームをつくっていく。満田も前に行きやすくなってくる。柏も上がることができ左サイドからの崩しにかかる。満田に渡すと中央へ切れ込みシュート。GKに阻まれたもののこういうプレーが観たかった。そんなシュートへの積極性からCKも取れるようになる。ただ、この日のセットプレーはまるで決まる気がしなかった。長身の福岡の選手が壁となり全て弾き返してしまう。そんな粘り強い守備で耐え凌ぐと勝負をかけてきた。温存してたファンマの投入である。それに加えジョンマリ、渡と前線へ当たりの強い選手を入れてきた。それにより福岡は再び前への推進力を得るのだった。

 前線でのプレスが効かなくなり簡単に前線までパスが通っていく。そこで最終ラインのど真ん中で受けたルキアンのターンから流されたボールに走り込まれた。追走した柏が後ろからチャージ。倒した。PKかと思ったその時、副審の旗が上がった。オフサイド。最初のルキアンの受けた位置がオフサイドだったようである。助かった。助かったものの一瞬で守備を打ち砕く福岡の攻撃の凄まじさを感じざるを得なかった。

 1点入れば福岡の戦意を喪失させることはできるだろう。だがもはや守備に追いやられる時間の方が多くなっている。1点返されればより勢いをもたれる。なので失点だけは防ぎたい。時間の経過と共に段々とゴールを守る方に意識は強くなっていくのだった。

 サイドに出されるとクロスを警戒するあまりパスを繋がれる。そこから中央へ向けてのパスにチャックに行くも叩かれ次々に選手が上がってついには最終ラインを抜けるパスを出される。ゴールに駆け込まれるも最後はGK大迫の飛び出しによるキャッチ。そこで一旦呼吸を整えることができる。そんなことを繰り返していく内にいよいよ逃げ切りの時間に入る。するとここでヴィエイラ、森島を下げナス、松本を入れるのだった。

 正直大丈夫かとも思ったものの福岡が交代で活力を得ただけにこちらもフレッシュな選手は送り込まないといけない。更にこの後右サイド野上に代わって住吉が入る。もはやこれで守備固めだろうと思ったもののこの住吉、右サイドでルーズボールを拾うと自ら持ち上がっていく。前がかりになった福岡陣内に入ると守備が整う前にミドルシュート。枠には入らなかったものの相手に当たってCK。これだけで十分時間を稼ぐことができた。そして放たれたCKに対して松本が合わせるも枠に入らない。が、これも相手に当たりCK。またしても時間を使うことができた。最後仕留めることはできなかったものの交代で入った選手が役割を全うしているのだった。

 コーナー付近で時間を使い粘りに粘ってアディショナルタイム5分を経過。無事、タイムアップの笛を聴くことができたのだった。

 0-0。2戦合計で3-2でサンフレッチェの勝利。決勝の舞台へと勝ち進むことができた。8年ぶりの決勝。あらゆるカップ戦に早々に敗退した昨シーズンは試合が少なく寂しい想いをしたものの試合が多いというのはやはり楽しい。そして決勝の国立。今までのカップ戦と違うのは最初から優勝を狙ってたというとこだ。そんな今までとの違いを結果で魅せてくれるだろうか。胸高まるものが駆け巡るもののまだ天皇杯も残されてる。喜んでばかりもいられないものの、こうやって次の試合を考えないといけないというのも幸せなことでもあるのだった。

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