天皇杯大分戦~中途半端な敗戦

2019/09/18 サンフレッチェ広島vs大分トリニータ エディオンスタジアム広島

 惨敗したリーグ戦から中3日、ある程度ターンオーバーをしてくるのかと思ったらほぼ変わらないメンバーで臨んできた。膠着、勝てなくなってくると城福監督はこうしてメンバーを固定してしまう。そして悪い流れをそのまま引きずってしまう傾向があるだけに嫌な予感がした。だが、立ち上がり高い位置からボールを奪う姿勢にこの試合へのい意気込みを感じることができた。渡やサロモンソンや松本は結果を出さなければならない。そんな気迫は感じることができた。
 その高い位置でのプレッシャーは相手のミスを招くとフリーの松本の元へ。GKは飛び出してる。がら空きのゴールへ向けてシュート。が、このボールをミートすることができずボテボテと転がる。GKもキャッチするのに余裕で戻ることができたのだった。
 だが悪くない。流れは悪くない。そして高い位置でボールの奪い合いで渡がファールを受けFK。森島が蹴ったボールはゴールから離れるボール。荒木がヘッド。が、ゴールの上を飛んでしまった。
 更にその後ショートカウンターから東がロングシュート。威力はあったものの枠に入らない。真ん中で渡が読んでただけに急ぎすぎた感がある。でもシュートの少ないこのチームにおいてシュートを打つということ自体に批判はできないのだった。
 するとこんなもたつきを見せている内に主導権が大分に移っていった。ロングボール1本でトップに入る。そこを起点にサイドを始め次々に選手が上がってくる。食い止めるので精一杯。クリアすると見事にセカンドボールを拾われる。取れない。どんなにプレスをかけようとすらりとかわされてしまうのだった。
 すると右に深くボールを入れられる。だがこぼれ球をサロモンソンがカット。ただこれを処理をし損なってゴール前へ落としてしまう。ゴール前から大分の選手がシュート。荒木がついてたものの、その守備をものとのせずゴールに叩き込まれてしまった。失点、あまりにも呆気ない失点なのだった。そしてそれがアピールすべきサロモンソンのミスというのが哀しかった。
 先制したことで余裕を持った大分。ますますサンフレッチェは追い込まれる。だが後半始めにサロモンソンに代えてハイネルが出る。更に松本に代わって青山、渡に代わって川辺が入る。結果を出したい選手が弾き出されてしまった。が、ここから快進撃が始まる。
 トップに入ったハイネルが縦横無尽に動き回ることで色んなとこでボールに絡む。それにより攻撃が活性化されサイドから浮き球、それをワンタッチで中へ入れる。中央にいたハイネルがベイシクルシュート。そんな無謀なプレーが上手くいく訳がない。が、後ろ向きながらも空中でボールの芯を捉える。次の瞬間にはゴールに叩き込まれていたのだった。
 追いついた。ハイネル、凄い。
 あり得なかった。まさかあんなシュートが決まると思わなかった。ここに至るまでに3本もシュートを放っていただけあってシュートの意識が強かった。FWが怪我人続出した中でハイネルこそトップにふさわしいのかもしれないのだった。
 そこから怒涛の攻撃が続く。攻め急ぐことなく左右で揺さぶりスイッチを入れると一気にゴールに押し寄せる。シュートを打つ。が、大分の守備は固い。確かに人数を掛けてゴール前にはいつくばっているが、サンフレッチェがこの状況になったらここまでブロックできるだろうか。果たしてこれはサンフレッチェの守備が弱いのか、それとも大分の守備が強固なのか。だがそれ以上にサンフレッチェの選手はシュートが下手だ。それもそのはず、普段からそれぞれの選手にシュートの意識が低過ぎる。だからこれだけ攻め込んでいるのに点を取る為にあと一歩足りないのだ。
 そうこうしてる内に90分終了、延長戦となる。もはや疲労により選手に動きの切れがなくなってきた。あと1点がとてつもなく遠いものとなる。そこで最後の交代として松本大哉が入る。全員疲れた中で唯一フレッシュな大哉に預けて打開したい。が、よりによってファーストタッチでスルーパスを狙った。疲労困憊してる味方よりも自分でドリブルすべき場面だった。それが象徴するように大してボールに触ることなく延長戦の終了を迎えてしまった。
 PK戦。
 嫌な予感がした。でも守備に翻弄した大分の方が疲れてるはずである。ハイネルから始まったPK戦。難なく決めた時には鳥越苦労だったかと安堵するのだった。ところがこの後GK大迫はことごとくコースの読みを外してしまう。対して大分のGKは結構な確率で読みを当てていた。ただ、サンフレッチェのキッカーがその都度ギリギリのキックを蹴る為にそれでも決めてしまうのだった。
 サドンデスに入り遂に10人目のキッカー柴崎。安定したプレーの柴崎なので安心してた。が、まるでGKにパスをしたのかというくらいのヘナチョコシュートを打ってしまい余裕でキャッチされてしまった。決められないにしてもあのシュートはないだろと腰砕けになると大分のキッカーはきっちりと決めた。またしても大迫は逆を飛んでしまった。結局大迫があまりにも読み外すのでキッカーにプレッシャーを与えることができなかったようだ。
 PK戦とはいえまたしても負けた。敗因はサロモンソンのミスとワントップとして何の脅威も与えられなかった渡である。そして終了間際に入った松本大哉が何もできなかったこと。だけどそれならそれで最初から今まで天皇杯を勝ち上がってきたメンバーにやらせて欲しかった。どことなく中途半端だった。城福監督に思い切りが足りなかった。
 昨シーズンもこの時期から連敗をした。今シーズンもそうなるのだろうか。この先シーズン終わるまでずっと試練の時を過ごさねばならないのだろうか。

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