横浜FC戦~3度目の早い失点


2020年11月14日 サンフレッチェ広島 vs 横浜FC エディオンスタジアム広島

 連戦を考慮してか、5人メンバーを入れ替えた。前線はヴィエイラのトップに永井、エゼヒエウという初めての試みであるが、横浜FCはミラーゲームで臨んできた。こういう対戦となった時、チームとしての力量が大きく問われる。果たして攻撃陣にそこまでのインパクトが残せるかが勝負であった。
 前からのプレッシング。これは強い強度で行われる。だが掛からない。奪いきるどころかミスすらも誘い出すことができずパスでいなされ前線に運ばれてしまう。そしてCKを与えてしまうとショートコーナー。後ろに下げたところで誰もマークにつくことができずアーリークロス。ファーサイドに入りこまれヘディング。決まってしまった。もうやられた。開始10分での失点である。今シーズン逆転勝ちをしたことのないサンフレッチェにとって早くも窮地に陥ることになってしまった。
 ところがそれからすぐにCKのチャンスを得ると茶島のキックを佐々木が決めた。場内に響いたゴールのアナウンス。だが無情にも主審の笛でファールを宣告されてしまった。佐々木とは別のとこでGKへの接触があったらしい。幻のゴール。もしこれが決まっていたら先制した相手の出鼻をくじくには大きな効果があったはずだ。それだけになるべく早い時間に追いつく必要があった。
 そんなサンフレッチェのボール保持に対しては素早いプレッシャーを掛けて自由を奪う。その圧力に屈してボールを失うと横浜FCはダイレクトパスと3人目の動きでつかまえどころがない。追いつくところか守るだけで精一杯。歯痒さが沸き立つ。どうにかしろ。動きの予測をしろ。奪い返せ。そんな叫びに応えるかのように中盤で土肥のタックルが入る。そしてそのこぼれをヴィエイラが前線に蹴り上げるのだった。
 縦に出たボールはDFの頭を超す。エゼキエウが抜け出し胸トラップによりコントロール。GKと1対1。コースを塞いだGK南の飛び出しにシュート。脇をするすると転がりゴールに入ったのだった。
 同点。まさかヴィエイラがあんなパスを送ることができると思わなかった。そしてエゼヒエウのシュートへの落ち着きは素晴らしい技術であった。ペレイラ以外にゴールが計算できる選手である予感があるのだった。
 そのゴールで調子に乗ったか、前線へのクリアボールがこぼれると奪った途端にシュート。再び入ったかと思ったが枠外。いや、惜しい。勝ち越し点はその内入るだろ。そんな楽観を抱いてしまった。
 ところが横浜FCの方が鋭い攻撃をしてくる。2次攻撃、3次攻撃に守備への負担が大きい。縦からのクロスに一美がヘッド。タイミングが合ってただけに悲鳴を上げそうになったが枠を外れホッと胸を撫で下ろすのだった。
 ただそれでも試合はイーブン。攻勢を強めるべく青山を入れ、浅野、東というアタッカーを入れてくる。それでも打開ははかれずついにペレイラをヴィエイラに代えて入れてくる。チーム1決定力のある選手。これでペレイラにどんどんボールを供給すればチャンスは広がるだろう。だがこの投入後、ちっとも前線にボールが来なくなる。パスが引っ掛かる。そしてせっかくクロスを上げてもペレイラ自らファールを犯してしまう。チャンスをみすみす潰してしまうのだった。
 横浜FCは更にギアを上げ攻撃の圧力を増してくる。それだけにGK林も忙しくなってきてボールをキャッチする。そこからパントキックで森島へ。フリックにより浅野が抜け出しペナルティエリアへ。だが自分で打たず森島への横パスを出した。これぞという場面。後は当てるだけ。それなのによりによってトラップをしてしまい、じかもそのトラップもズレてしまうものだからDFに詰められ打てずに終わってしまうのだった。ピンチがあってもその都度防いでる横浜FCはもはや攻撃に確信めいたものが備わってきた。
 ゴール前にへばりつきもはや防戦一方。もう勝つ見込みはないのだろうか。だが途中出場の森島がボールを受けるとスルスルと単独で持ち上がる。引いた横浜FCのブロックの空いたとこにいた青山にパスがでた。ミドルレンジのシュート。が、バーの上に浮いてしまう。その後もCKで野上ドンピシャで当てるもGK真正面。更には佐々木のクロスはGK南にキャッチされてしまった。
 そのプレーで倒れたまま動かない南。時間稼ぎをされている。その行為にイラつきながらもどうしてこうなる前に決めきることができなかったのかと焦りが積もる。そして最後の最後に攻勢を強めるも結局時間切れ、またしても先に点を入れられると勝つことができないのだった。
 引かれた相手を崩せない。そういう時のセオリーでミドルシュートを放っても枠に入らない。サイドプレイヤーが深い位置まで侵入してクロスを上げることができない。柏もかつてのように単独で突破してチャンスをつくることができない。なのであまり得点は期待できない。それだけに早い時間の失点は致命的なのだった。
 今シーズンこういう失点を3回もやっている。同じ過ちを3回もやってしまった。でも追いついただけマジなのだろうか。そんな自問を延々と繰り返してしまうのだった。

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