横浜Fマリノス戦~やはり決定力不足に泣く

2020年8月23日 横浜Fマリノスvs サンフレッチェ広島 日産スタジアム

 雷を伴った豪雨はこのところ関東では頻発してる。連日の猛暑が上昇気流を生み出すせいだろう。そしてこの日もその例に漏れず激しい雨が降ったことで高温の蒸気が漂うのだった。
 この暑い夜の一戦、トップに久々のペレイラがスタメンで入ってきた。ボランチにハイネル、少しメンバーを替えてきたが、城福監督はこのゲームは落としたくないというコメントを発した。そして開始早々その決心に応えるべく右サイドからのクロスにペレイラがヘッド。GK真正面で決まりはしなかったものの、幸先のいいスタートだった。
 暑さを考慮してか前からプレスを掛けることはせず人数を揃えて嵌めに行く。そして奪ったら右サイドに預け茶島が上がっていくも蓋をされると無理をせず後ろを向く。するとその動きにすぐにもう一人詰められるともはや手詰まりになり奪われる。ボールを大事にしようとするあまり逆に失ってしまい逆に攻められる。3人のDFはその都度守備に専念しなければならない。そして例えそこでボールを奪ったとしてもマリノスの速いプレッシングにすぐにパスコースを限定されてしまうのだった。
 相手陣内に入れない。それでもわずかな隙からヴィエイラが抜け出す。縦へ突き進みクロスを浅野がヘッド。が、バーの上を飛んでいく。更にその後ハイネルとのワンツーから柏がクロスにも浅野が合わす。が、これも枠の外。ゴールまでもう3メートルくらいのところで捉えるものの肝心の決定力がない。浅野のヘディングは額の上の方で当ててる為あれではクリアはできてもゴールには入らない。攻撃の選手としてこれは致命的な欠点なのだった。
 そんなちっとも入らないサンフレッチェの攻撃に気をよくしたマリノスはブロックを敷いたゴール前にダイレクトパスで侵入してきた。ポンポンポンとワンツーと3人目の動きで守備網を切り裂くとマルコスのシュート。入った。入ってしまった。いとも簡単に先制点を決められちまったのだった。
 追わなければならない。点の取れないチームにとって一番避けなければいけない状況に陥った。ワンタッチプレーはつながらない。裏を狙ったフィードはオフサイド。ヴィエイラが真正面からミドルシュート打っても枠外。まるで打つ手ないのだった。
 そんな中でも右サイド茶島はドリブルでカットインしていくと倒された。FK。もはやセットプレーくらいしか見込みがない。競り合いに強いDF陣が上がる。ライン一戦に並んだゴール前にハイネルが蹴った。跳びあがったペレイラ。高い。GKと競るもガツンとゴールに叩き込むのだった。
 追いついた。振り出しに戻した。ここから逆転。と言いたいとこだがそれは限りなく無理な気がした。前節はたまたま3点取れたがあれで得点力不足が解消されたとはちっとも思わない。できればこのまま引き分けで終わってくれないか、そんな考えが選手に伝播したのか、この後どんどんマリノスのプレスに嵌っていく。いいようにボールを回されバイタルエリアのティーラトンへ。この時誰もプレスを掛けにいかず狙いすましたようなクロス。そこに飛び込んだサントス。高い打点とパワーでゴールに叩き込んでしまったのだった。
 呆気ない。あまりにも呆気ない勝ち越し点だった。サンフレッチェが何度上げても決まらないクロスをたった1回で決めてしまう。もはやここで両者に絶対的な差があるのだった。
 もはやマリノスは勝ちを確信しただろう。それでも攻撃の手を一向に緩めることなく、またボールロストの際には果敢なるプレス。まるで蒸し暑いこの気温をまるで意に介さない運動量をみせてくる。ボールへの執念が違う。メンバー交代でフレッシュな選手を入れても一向に選挙区は変わらない。それでも森島がえぐってクロスを入れる。ヴィエイラのヘッド。が、GK真正面。これも決定的だった。千載一遇のチャンスをまたしても決めきることができないのだった。
 それでも差はわずかに1点。最後にもう1回でもチャンスをつくれないか。GKからビルドアップでつないでいこうとする。だがこれだけプレスに引っ掛かってるのにこれは自分で自分の首を絞める行為であり、マリノスは簡単にカットするとスルーパス。抜け出したエリキ。GKとの1対1をいとも簡単に決めてしまい勝負は決したのだった。3-1、惨敗であった。
 2試合続けての3失点。サンフレッチェが堅守だなんて誰が言ったのだろうか。点取られまくってるのだが。そして決定力のなさ。1回のヘディングを決めるサントスと2回のヘディングを外す浅野。もはやこの時点で勝負にならないのであった。
 もはや今シーズン勝てないのではないだろうか。降格のないシーズンでよかった。そしてここまで勝てないチームになってしまっただけにスタジアムまで観戦に行けないことにそれ程苦痛を感じないのだった。

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