FC東京戦~ワンパターン化によるマンネリ感

2018/09/22 サンフレッチェ広島vs FC東京 エディオンスタジアム広島

 前回負けた相手。そして前節負けたこともありとてもネガティブな感覚が抜けない。それを受けてかFWに久々に工藤が出てきた。一旦は渡で固定化されたもののこれまで1ゴールという記録を始めとしてまともにシュートを打つことすらもできない。同じシュートを打てないなら足元の上手い工藤を選択するというのは悪くない判断かもしれない。
 久々にピッチに立つ工藤。これまでの鬱憤を晴らすかのように積極的にボールに絡んでいこうとする。立ち上がりから飛ばしていく。そんな姿勢から柏がカットインからシュートにいくシーンをつくりだした。そう、それだ。そうやって自分でゴールを狙う姿勢を示さないからパトリックにマークが集中してしまう。その結果点が取れなくなってしまう。無得点で終わった試合はいつもフィニッシュの少なさに嘆いたものだった。
 そんな悩みを再現するが如くFC東京が効率よく攻撃を摘み取り縦へ速い攻撃を仕掛けてくる。佐々木もディエゴに身体を入れ替えられ裏を取られシュートまで持っていかれる。が、枠を外れることによって事なきを得るのだった。
 どう考えてもFC東京の方が効率がいい。サンフレッチェはつないでつないで最後は奪われてる。ところが中盤のファールによってサイドでFKを得ることができた。柴崎がボールをセットする。ゴール前に陣取る両選手。斜めから放り込むキックを入れる、そんなモーションをしながら青山へ横パス。縦へ放り込む。混戦の中ヘディングが飛んだ。だがブロック。攻守乱れる中パトリックが倒れながら押し込もうとするもクリア。が、ゴールに入った。え、なんで?どうやらクリアボールに倒れた姿勢のままパトリックが跳ね返したようだった。
 先制、先制、先制。パトリック、パトリック、パトリック!やっぱり決めるのはパトリックなのだった。幸先のいいスタート。このまま追加点を入れて逃げ切りたい。
 サンフレッチェの攻撃は必ずフィニッシュで終わる。そこに手堅さを感じた。このままいけば追加点が取れるのでは、そんな期待を胸に後半を迎えるとどことなくふわっとした入りだった。オリヴェイラには簡単にゴールライン際まで入られ青山が遅れてスライディング。だがあっさりと折り返されるとリンスに真正面から決められてしまった。その時ゴール前には5人くらいの選手がいたもののたった2人の攻撃を食い止めることはできないのだった。ああ、これでまた振り出し。だがその時点でもう勝つ見込みはない、そんな気がしてしまったのだった。
 工藤に代わりティーラシンが入る。青山の横パスを受け真正面からミドルシュートを打つ。が、枠の外。2、3人からの連携から稲垣がシュート。これも枠の外。そして青山に至ってはバイタルエリアでボールを持ちながらもパスを出してしまいあっさりカット。まるで恐ろしさのない攻撃に終わることでFC東京に活力を与えてしまうのだった。
 ボールが取れない。裏に出されてはクロスを上げられる。CKに逃げればクリアしてもまたCK。もはやこれは堪えるしかない状況。堪えて堪えて堪えて味方につなげても瞬きした瞬間にはもう相手ボールになってる。一体何が悪いのか。他のチームの試合を観ててもこういう光景というのはあまり見かけることはない。点が欲しいのに守備で精一杯とは何とも哀しい状況だった。
 跳ね返して跳ね返して跳ね返して何とか終わりをつげた90分。勝たなきゃいけない試合だったはずなのに負けなくてよかったという内容だった。それでも交代枠は一つ残したままだった。それほどまでに他のメンバーが信用を置けないのか。それとも城福監督がもはやフリーズしてしまってるのか。毎回同じパターンで勝ち点を逃してるような気がするのだった。
 スーパーサブとして入るティーラシンはシュートを打つだけまだましだが川辺に至っては何ら変化をもたらすことができない。あまりにも硬直化している。ここまで同じことを繰り返してるとはやっぱり指揮官がテンパってしまってるような気がしてならないのだった。
 前半戦の調子のいい頃は本当に色んな選手が色んな可能性を魅せてくれた。勝ってたというのもあるが毎回どんな試合をやるかという楽しみがあった。もう一度ああいう楽しさを味わいたい。少なくともぼくはそうすれば勝とうが負けようが熱狂できる。勝てなくなった今、その熱を取り戻すことこそがこのチームを再生することではなかろうか。

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