湘南戦~ついに負けたリーグ戦

2021年4月10日 サンフレッチェ広島 vs 湘南ベルマーレ エディオンスタジアム広島

 澄んだ空、こんな週末を迎えるのは何と6週間振りだとか。果たして試合後、この快晴の天空の色彩と同じ心境に導いてくれるだろうか。
 スタメンには前節から8人入れ替え、怪我から復帰したハイネルと井林も入っていた。今季初スタメンの2人。それに加えて普段試合に出てない選手が主体となってるだけに不安はあるものの、そんな中でアクセントとなるべくハイネルを入れたのだろう。
 蒼く透き通る空へ舞っていくように試合開始のホイッスルが鳴り響いた。両者守備に強度を高め、一進一退を極めた。その中でサンフレッチェはサイドでショートパスでつなぎ藤井のスピードで裏を突くという作戦に出たが上手くいかない。それも湘南は織り込み済みのようで蓋をされる。ただ、足が速いというのはそれだけで優位性があり、随所でスルーパスが入れられるがそれにも合わせることができないのだった。
 左サイドでは柏がカットインを見せファールを貰ったまでは良かったがボールへの予測が悪いのか、柏のとこでボールが収まらないのでマイボールにならない。縦へ行けない。行き詰りバックパス、結局最終ラインまで戻してしまい振り出しに戻ってしまう。これの繰り返し。相手の出方を探ってるというより前への推進力がないように思えるのだった。
 そんな中、長沼がスルスルとドリブルで上がっていき低い弾道のクロスを放つ。クリアされたもののCK。打開策がないだけにセットプレーは生かしたい。だがここでキッカーとなったハイネルのキックはラインを割ってしまう。そして一度ならずも二度目までもラインを割るとさすがに憤りを感じた。久々の出場で感覚が鈍ってるのかもしれないがそれならそれで蹴って欲しくなかった。さすがにプロの試合で2回連続CKラインアウトというのは目に余るものがあった。
 そんな動きのない前半を終え後半に藤井に代え森島を投入した。藤井のスピードを切って森島のゲームのコントロールを期待したものの戦況は悪くなる一方だった。ボールは奪えず攻め続けられる。奪っても湘南の速いプレスの前でボールを前に運ぶことができない。圧巻はハイネルである。右サイドで受けると前を蓋をされたら横パスに逃げるもそんなとこには誰もいないものだから湘南へのプレゼントパスになる。そして再び攻め込まれるもGK大迫が処理。中央から打開すべく浮き球を入れたもののそこで受けたハイネルがまたしても競り合いで負ける。フリーで持たれるも追わないハイネル。そのまま縦パスを入れられるとゴール前のDFラインを勝ち割るように切り裂かれゴール前出ると余裕でシュートを決められてしまった。
 失点。守備の人数は揃っていた。GK大迫の判断は攻め急いでしまったのではないか。そしてハイネルの安直なプレーは危機を招いてばかりいる。意表を突くプレーが得意だがこの日は味方の意表ばかり突いてしまったのだった。
 ここで一気に3人代える。川辺、サントス、浅野と主力組が出るもゴール前を固めた湘南の守備は崩せない。サントス、浅野のコンビでCKを奪うも井林のヘッドは枠外。サントスで前線でよく収めてチャンスをつくるも森島はシュートを枠に入れることができない。それでもサントスは力業で押し込みCKを得ると森島のキックはGK谷にキャッチされてしまう。全てが全て読まれてる。パスも読まれキックも読まれそれを上回るプレーができない。せっかくサントスがチャンスをつくってもそれを生かすことができない。
 茶島も浅野もシュートは打つ。だがその全てを外してしまう。決められない。ならばもっと決定機の数を増やしたい。そう思ってたら湘南のボールキープに対して奪うことができない。4人掛かりで1人の選手に襲い掛かりやっとマイボールにできるともうロングボールに頼るしかない。だがそれも湘南は余裕で跳ね返してしまう。入れても入れても跳ね返される。単調な攻撃に守る方は楽だ。かといってつないでいこうにもパスがつながらないのでしょうがない。
 そして空しくタイムアップ。0-1、リーグ戦での初黒星になってしまった。戦犯は間違いなくハイネルだろう。チームでの序列は間違いなく下がってしまった。だが潤沢でない選手層においていつかはまた出番があるはずだ。その時今回の汚名を晴らすことができるだろうか。そして負けてなかったことでわずかに保っていた緊張の糸が切れてしまわないだろうか。後で振り返って大きなターニングポイントとなる一戦かもしれないのだった。

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