名古屋戦~勝てない勝てないサンフレッチェ

2019年9月28日 サンフレッチェ広島vs 名古屋グランパス エディオンスタジアム広島

 しぶとく続く暑さの日中を乗り切り日が落ちるとスーッと気温が落ちたことで空気も澄んできたような気がしてしまう。涼しくなってきたことで体力の消耗も低減するだろう。最初から飛ばしていくのだろう。というよりもはやスタミナを計算した戦いを考える余裕はない。何せこの1か月近く全く勝ってないのだった。
とにかく点が取れない。代わりに失点はしまくってる。あれだけ無失点の試合を続けていたのが信じられない。得点力不足が失点を招いてるのだろうか。それとも失点の多さが得点を遠ざけてるのだろうか。
 そんなもやもやを払拭すべく走りまくる。相手ボールに対しては素早く当たりに行く。それにより主体的なゲームを進める。最後尾である野上から前線へパスが入る。受けた川辺がミドルシュート。
ガツン。
乾いた響きでゴールバーに弾き飛ばされた。いい弾道だった。だけど入らない。川辺のシュートは本当に入らない。得点力がない原因の一つはシャドーがゴールを決めないからだ。シュートの意識が足りない。シュートの精度がない。それについては森島も一緒なのだった。
ところがその森島からのCK、ゴール前の密集地帯をするっと抜けるとファーサイドに。ぽっかりと野上がフリーで待ち構え頭に合わせるとゴールに入った。正に決めるだけだった。そういえば点が決める時というのはほとんどが森島のキックからだった。あまりにも久々のゴールだったものでそんなことすら忘れてしまったのだった。
先制。幸先がよかった。ゲームも主導権を握っている。後ろからのビルドアップ。攻め急がない。前が詰まれば後ろに下げる。そして柏からGK大迫へのバックパスをリターン。が、このキックの精度が悪くラインを割りみすみす相手ボールにしてしまうのだった。
このスローインから名古屋がつなぐ。すでに自陣に戻って守備に構えてる。が、ポンポンポンとつなげられてトップのジョーへ入るとワンタッチで落とされそこへ走りこんだ前田がトラップ。これを野上が見事に逆を突かれゴールの隅に決められてしまったのだった。呆気ない、あまりにも呆気ない失点だった。そして何よりも失点しても大して悔しくもなかった。そう、すでに失点することに慣れてしまっていたのである。
大迫の中途半端なキック。そして相手のスローインにたいしてのぬるい守備。そのたった1回を逃さない名古屋の攻撃。まさに失点をし続けるサンフレッチェを象徴するシーンであった。
後半に入ってもサンフレッチェの優位は変わらない。その割にシュートを打ててない。トップの渡に入れてもトラップが大きくなってしまいボールが収まらない。その為、森島がドリブルで縦へ抜けるが身体をぶつけられて倒れても今日の主審はファールを取らない。そこでスルーパスで打開を図るも完全に読まれてる。サイドのハイネルからのパスに対してはスルーして渡に託すも反転シュートは枠から大きく外れる。慎重にボールを回して回して青山がミドルシュートを打つも枠の上。シュートは打てるようになってきたものの、誰も枠の中に入れることができないのだった。
ボールを握るも打開できない。その打開策として渡に代えヴィエイラが入る。ハイネルが柏とのワンツーによりシュートするもブロックされてCK。だがこのCKもヴィエイラの高さを生かせない。更にパスを回して活路を見出そうとするもミスが出てボールを奪われる。そして守備に戻ってボールを奪ってもトップのヴィエイラにボールが収まらないのだった。
ゴール前でのアイデアが足りないのだろうか。それとも個の力量が足りないのだろうか。ボールを支配しても一向にゴールが決まるという気配がない。青山のスルーパスから川辺がゴール前へグラウンダーのクロスを出すもクリア。柏がカットインからのドリブルをすると倒されFK。これをサインプレーで決めようとするも実らず。個を使おうとアイデアを使おうとやはり結果が出ないのだった。
交代で入ったヴィエイラに至ってはボールが収まらないに止まらず裏へ走るボールに追いつけず何もできない。今頃になってあれだけ酷評してた渡との交代が失敗だったことを悟るのだった。
ハイネルをシャドーにポジションチェンジ。左右をゆさぶるパス回し。でもゴール前を固めた名古屋の守備に対して何の脅威にもなってなかった。こういう人数を掛けた守備を崩すのをサンフレッチェは苦手としている。それをフィッカデンティ監督はよくわかってるようだった。
1-1のドロー。勝てた試合だと思う。名古屋のチャンスなんて失点をしたたったあの一瞬だけだった。でもそれを決めた名古屋。終始ボールを支配してシュートも打ちながらも決めることのできなかったサンフレッチェ。そんな試合だった。
どことなく停滞感が漂う。こういうのを突き破ってくれたのが森島であり荒木だった。これらはカップ戦で結果を出してスタメンを勝ち取った選手である。そう思えばここ最近のカップ戦をほぼそのままリーグ戦のメンバーにしてしまったのは失敗だった。そしてもはやカップ戦は全て敗退してしまった。シーズン終了まで果たして1回でも勝つことはできるだろうか。それともここは渡のように期待に実情が追いついてない選手を我慢して使うか。城福監督も試されてる期間であるのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?