木村家の人々
お金が好き、誰しもそうでしょう。でも、お金に対する執着の度合いは人によって違います。
木村家の人々 は1988年公開、異常とも思えるほど金に執着した一家を描いた映画です。見方によっては色々と考えさせられますが、素直に面白い映画です。
この映画も家族で楽しめるのですが、鹿賀丈史(木村肇)さんと桃井かおり(木村典子)さんの夜の夫婦生活のシーンがちょっとあります。でも、二人は夫婦ですから、気にするほどでもないかも知れませんね。
ほんとに簡単なストーリー
木村家では家族で一丸となってお金を稼ぐことに夢中になっている。早朝から新聞配達、注文をもらったお客さんの弁当作り、通勤は白タク、肇は会社では暇な部署であることを利用して朝作った弁当販売、典子はテレフォンSEXの相手、など様々な商売をする。バブル期の日本を舞台に、異常なまでに金銭に執着する一家。そしてそんな家族をさげすむご近所の高倉家。何よりも金を優先する木村家だったが、予期せぬライバルの出現と家族の絆を揺るがす出来事が発生。
明るいタッチで描いたコメディー映画である。
見どころはやはり金に執着する家族の姿ですが、4人家族の中に1人だけは常識的な感覚を持ち合わせた人物がいます。ラストは肇とその人のやりとりがホロリとさせられるのですが・・・
それから肇とライバルの高倉の新聞配達をめぐるカーチェイスならず、バイシクルレース(自転車競争)は見物です。お互いに新聞を積むカゴが付いたママチャリで早朝の住宅街を疾走する様は笑えます。
余談ですが、この映画での鹿賀丈史さんは、コミカルな演技で笑わせてくれますが、松田優作さんの代表作、野獣死すべし での狂気に満ちた演技は凄い迫力でした。レストランのシーンでは、岩城光一さん、阿藤海さん(当時はまだ快ではなく海です)など後に強面な役の多い人達の中で、群を抜いてました。まあ、岩城、阿藤さんたちはエリート設定でもあったわけですけど。
ついでに
狂気の演技と言えば、萬屋錦之介さんのTVシリーズの子連れ狼の中で出て来る、拝一刀の命を狙う阿部頼母(阿部怪異)役を演じた金田龍之介さんの快演も忘れられません。
桃井かおりさんはお母さん役をやっても色っぽいですね。NHK朝ドラのふたりっ子に出演する前の岩崎ひろみさんも娘役で出ています。
この映画を非現実的だと言う人がいます。でも、非現実だから面白いのだと思いますよ。万引家族、泥棒家族はいるかも知れませんが、家族全員(一人だけ例外)が映画のように小銭集めに執着し、必死な家族ってたぶんいないでしょう。
だいたい映画なんて作り物、ウソの世界です。この手の映画は小難しい事言わず、楽しめば良いと思います。あーだこーだ言うとしらけちゃいます。
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