日記

嫌なものを見た。

最近流行のアレのおかげで弊社もリモートワークならぬリモート研修を行なっている。緊急事態宣言からGWまでは各自毎日課題をこなすだけという緩いものだったが、ずっとこのままとはいかずGW明けからは毎日8時間ビデオ通話を繋いでの講義を執り行っている。

私の同期は中小のわりに多い方で、50人以上いる。1人が遅れると全員が待つことになり、1人がヘマをすると全員の前で叱られ、謝罪をさせられる。至極普通の環境なのだが、それがどうにも息苦しかった。気を引き締めることと怯えることは違うのに、怯えてしまう自分がいた。

今日はとても良い調子だった。ここ数日持病の鬱は鳴りを潜めていたし、寝不足とはいえ居眠りもせずにきちんと研修に参加できていたように思っていた。しかし退勤間際、講師が居眠りをしていた同期を叱責し、同時に他の人たちにも気を引き締めるよう促した。仕方のないことだ。カメラもマイクも切った人々を相手にしてどこで気の緩みを感知しているのか分からないのが恐ろしいところではあるものの、私自身にも後ろ暗いものがあり、それを不特定多数に向けたかたちで指摘されることで妙な不安が煽られた。退勤間際のほんの数分で私の体調は不調へ転じてしまった。

最悪なのはその叱責を受けた同期に対する、別の同期による説教がライングループで行われていたことだった。そもそも今回問題を起こした同期はこの半月ほどで3回も全員の前で叱責を受けており、見ていて気の毒になる様相であった。謝罪を求められて震える声で受け答えされるさまがパソコンのスピーカーから流れるのは精神的にキツいものがある。それに加えて同期全員のライングループの中での説教。死体蹴りという言葉が脳裏を過ぎる。講師の言った他の人たちも注意するように、という言葉を自分に向けられていないと解釈したのだろうなと察するに余りある態度であった。

とどのつまり嫌なものを見たので気分が悪いのだ。



研修の内容がそんなに興味があるとも楽しいとも言えない。専門用語は全然覚えられないし、要領が悪くないからついていけてるだけの研修で、素質が無いのはもちろん、自分には到底向いてるとは思えなかった。

でも私を取ってくれたのはここの会社しかなかった。ありのままの自分で面接したのに採用をくれたのはここだけだった。会社の人たちもシステムも特段目につく部分はなく、それどころか丁寧すぎるほどに研修を行ってもらっている。”悪い“のは私なのだ。

どうしたらいいのだろう。中学ごろからずっと私は自分の生き方について悩んでいる。好きなことを仕事にするのは出来なかった。置かれた場所での努力もできない。ただ毎日怒られないこと、最低ラインの合格を探して生きている。

こうした気質の私には、短絡的でほとほと嫌になるが、死んでしまうのが1番の希望なのである。

死ぬ準備とやらをととのえようかと思う。私が安心して生きるために。

生来の気質による鬱か、ホルモンバランスの乱れか、気候の乱れか、社会情勢の影響か、五月病なのか、原因はわからないものの、眠れぬ夜が続いている。昨日までは眠れないだけで精神状態は比較的安定していたのに、今日すべてが崩落してしまった。明日も明後日も研修はある。50人以上の人間が集まって何も失敗しないなんて考えられないから、また近いうちに私は叱責の声と震える謝罪をスピーカー越しに聴くことになるのだろう。

酷く憂鬱な気分に文章をしたためたところで状況は改善しないのだが、のちの自分の読み物としてここに軽く記録しておいた。早く死んでしまおう。他人がどう感じようとも、死は私の最後の希望である事実は覆らない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?