京アニの事件を受けて

今日一日、本当に何も手につかなかった。日頃、ニュースを見てもそこまで何かを感じることはなかったのだが、この事件を知ってからずっと、なんでこんなことが起こるんだって、そんなことばかり考えてた。

深夜アニメにハマったのは高校一年生の時からで、でもその当時なぜか、そこらへんのオタクとは違うと言う謎のプライドがあった。自分はストーリーを楽しんでいるのであって、可愛いキャラ見たいがためにアニメを見てる奴とは違うって。京アニの名前は知っていたが、そう言うアニメを生み出す権化と言うイメージを高校生の頃は持っていた。

そんな考えを改めさせられたのが、浪人しているときで、京アニの「けいおん!」を視聴したのがきっかけだった。衝撃を受けたのが、あの作品全体を包み込むような独特の空気感。他の会社のアニメではできないような間の取り方をしていて、それが高校生活のセンチメンタルで哀愁漂う雰囲気を醸し出していた。僕はアニメの偏った部分しか見ていなかったことを気付かされた。けいおんを見終わっても、毛嫌いしていた他の京アニの作品を一気に見た。アニメの味わい方というのを僕は京アニから教わった気がする。

そんな会社が燃やされた。なんかもう、本当にわからない。
こんなことが起こっていいんだろうか。アニメーターというのはすごく大変なのに、給料が少ないとかよく言われる。実際はどうなのかわからないが、少なくとも、将来の安泰とか、とりあえず金を稼ごうとかそういうモチベーションでアニメ制作に関わろうとする人はいないんだろう。自分の好きなことを仕事にしたい、それで人に楽しんでもらいたいって人がなる職業なんだと思う。高校3年生の時にそういう選択をしようかと悩んだ挙句、結局医学部に行くという安全策を取った僕からみれば、彼らは心から尊敬できる人達だし、自分もそうあらねばなとアニメを見ながら感じさせられることもよくある。そんな人達が、さあ今日も頑張ろうと仕事をしている中、気がついたら火の中にいたなんて状況を想像してしまうと、やりきれない。悲しすぎる。

アニメの味わい方、それどころか何気ない日常を捉えなおさせてくれた、けいおんやハルヒやらき☆すた。そんな作品に惹かれてみたら、全然日常してない日常。家族、特に父について考えさせられたCLANNAD、明るいけど切ないフルメタ。作画が変わってきても美しかったユーフォや中二病。どれも大好きですし、僕の大切な財産です。今回被害に遭われた方、そのご家族や親しかった方、お大事になさってください...

一ファンとしてご冥福をお祈り申し上げます。


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