『ディテールから考える構造デザイン』  とても参考になる一冊

ディテールから考える構造デザイン 金箱温春 著 学芸出版社

建築デザイン、構造デザインに関わる人、興味のある人、それらを学んでいる人にとって、とても参考になる一冊です。

書名のとおり、全体的な計画だけではなくディテール、接合部の詳細がスケッチなどで示されています。また、施工途中の写真も多く掲載されていて、竣工後の写真からは分からない情報も得ることができます。構造設計者である著者の思考プロセス、建築家との関係性などもうかがい知ることができます。

鉄骨、鉄筋コンクリート、木質材料、それらを組み合わせた混構造などさまざまな構法に対して、力学的にどう考えて、どういうディテールにしたかというプロセスが分かります。

構造や構法について、基本的なことがらも記載されていますが、さらりと記載されている専門用語については、その意味が分からなければ、調べながら読まないと理解できない部分もあるかもしれません。

各種構法の基本的な用語や基礎的な力学の計算方法について学んだものの、それらの得た知識を実際の建築物や構造物の設計でどう生かすことができるのか、今一つ分からない。そういうモヤモヤ感を持っている人がこの本を読めば、構造的に考えるヒントをつかむことができます。


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