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好きな仕事でも……の話

私の仕事は、流星くんのコンサートにおけるいわゆる「コンサートのプロデュース」というお仕事と性質が少し似ている。

流星くんは、コンサートのコンセプト、セットリスト、演出等を考えて大まかに伝え、メンバー全員の意見を聞く。
メンバーでしっかり意見を戦わせた後に、意見を選択肢としてまとめ、どれを選択するかを全員で決めていく形を取っている。
この話は、木村拓哉さんのラジオ「Flow」へ2024年5月12日に出演した時にしていて、公式サイトに文字起こしもしてある。

私の仕事は、地域で年間を通して行う子ども向けのイベントの企画・準備等。
その類のイベントを2つ同時並行で抱えている。
片方のイベントは毎年内容が変わるので、その度に各所に交渉したり、どの内容をどの時期に行うか考えたりしている。
考えるのは私1人ではなく、ボランティアで携わってくれるスタッフの方たちがいて、その方たちの意見や前年の参加者へのアンケート等を元に計画や交渉を進めていく。

流星くんがセットリストを作る作業が、私にとってはイベントの年間計画を作っていく作業にあたる。

イベントの年間計画を作っていくのは、毎年大変な作業だ。

例えば、アンケートで「りんご狩りに行きたい」という意見が出たとする。
スタッフからも「確か◯◯に行けばりんご狩りやってたはずよ!」と情報を貰う。
ところが、いざりんご狩りの交渉をしてみると、昔は受け入れていたが、今はりんご狩りの受け入れをしていないと先方に言われる。
農協など詳しそうな所にも問い合わせてみるけれど、農家の高齢化等で子どものりんご狩りを受け入れられる農家が活動として行ける範囲内には今は無いと知る。
そんな訳で、りんご狩りを計画に入れることはできなかった。
新年度の年間計画を出した時、アンケートに「りんご狩り」と書いてくれた子が「りんご狩りは?」と質問してきたので、上記のことを説明して伝えた。
その子は質問してきてくれたけど、他に同様に「りんご狩り」と書いてくれた子は、私から理由を聞いていないので、「何で入ってないの?」と思ったかもしれない。

この仕事を始めて思ったのは、「できない、しない」もしくは「できる、する」と選択したこと、いずれにもちゃんと背景や理由があるということだ。

上記の例では、「できない」理由を参加者に話すことができるけど、理由を話せない場合もある。
その1つに、参加者や活動スタッフの個人情報に関わる理由がある。
先日、毎月やっているとある活動をメインで引っ張っているボランティアスタッフが体調を崩し、急遽活動を中止したことがあった。
活動当日、参加者1人とその保護者が来て、どうしてもしないのか、振替日は設定するのかと尋ねられた。
私は、ボランティアスタッフが仕事の傍ら活動に参加していることと、いつも使用している施設の予定で、今月中の振替は無理です、と説明した。
でも実は、他に言えない理由があった。
参加者の子どもの個人情報に関わるので詳細は控えるが、とにかくこの活動をする時に、安全面を確保するため、「メインで引っ張ってくれる人」と「それを補助する大人3名以上」が必須だった。
そのメンバーを別日に揃えるのは至難の業だ。
皆、地域で頼りにされてる人ばかりで、忙しい中、月1回決まった日にと集まってもらっているのだ。

「できない」と、それを「言わない」にも、背景に何かしらの理由がある。

「できない」や「言わない」を選択すると、きちんと正確なことが伝えられないがために、分かってもらえなかったり、そこから不満を持たれてしまったりすることもある。
説明しても、忘れられてしまうこともある。

仕事だから、貴重なご意見として聞くけれど、本当のことが言えなくてモヤモヤすることも、正直ある。


★★★★★★★

何でこんなことを書いてるのかというと、今日久々に、メンタル的に「無理」と感じて、仕事を休んだからだ。
メンタル的に無理だと思うとどうなるかと言うと、仕事中も集中できずに、言われて引っかかった言葉がずっと頭を巡ってしまう。
そんな時に不意打ちで頭を抱えるような案件が入ってくると、キャパオーバーでパニックになったり、激昂したりしてしまう。
それを分かっているから、職場には絶対に迷惑かけてはいけないと思って、休んだ。
ちなみに、この感じは大学生ぐらいの頃から徐々にあって、6年前から数ヶ月に1回精神科に通院して、お薬を貰っている。
今回は薬を飲んでも治まらなかったから、まずいと判断した。

朝は何も考えたくなくて、最近お気に入りの癒しスポットにロングドライブして、1時間くらい鳥の声とか風の音を聞きながらボーッとした。
ようやく物事を考えられるようになったので、どうして今回こんなに落ち込んでるのだろうと考えていた。

私の仕事は、4〜7月がとにかく忙しい。
イベント2つの計画・受付と実行。
その他の仕事に関連する会議の準備、まとめ。
去年は、多忙と関係あるか分からないけど、6月に救急車で運ばれる事態になった。
今年は無理しないように、上手いこと仕事を分担してもらったり、仕事が楽にできるように工夫したりしていたつもりだった。
でも、コロナ禍が明けて思った以上にイベントに子どもが集まり、高齢化してきたボランティアスタッフがなかなかその活動についていけなくなってきたり、これまでOKだったことがNG になったり……。
今年には今年の「困難な点」があり、その度に各所から色々なことを言われ、その状況を上手くやり過ごしてきたつもりが、ここに来て、頭に引っかかっていた複数の言葉が、どっと頻繁に流れてくるようになってしまったのだ。

引っかかる言葉は決して罵倒のようなものではなく、むしろ建設的な意見や、私を労るつもりでかけられた言葉もある。
でもそれでも、積み重なると、なかなかのストレスになってしまう……ということを実感中である。

実は今週中に、また別のイベントの参加募集チラシを印刷して配布しないといけない。
今日は休んだけど、さすがに明日は行かないと間に合わない。

という訳で、気持ちを整理するためにここに書き込んだ。

私はこの仕事が好きだ。やりがいを感じてる。
でも、好きな仕事でも、やりがいがあっても、やっぱり積み重なるとしんどいものはしんどい。

★★★★★★★

自分の仕事でこういう経験をしているので、「どうしてできないんだろう?」と思ったら、まず尋ねてみるようにしている。
そうすると、理由が答えられる場合は相手から教えてもらえたり、意見を貰えたりする。
そうでない場合は、「言えない事情、表に出せないことがあるのだろう」と黙って様子を見るようになった。
このやり方が良いのかは分からないけど。
主軸で動く人が1番大変な思いをしているのは、きっと確かだと思う。
表立って言わないだけで、ね。

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