【web3週報⑩】Story Protocol
こんにちは
Skyland Venturesの愛川です。一橋大学の3年生です。
毎週web3の気になったプロジェクトを紹介しています。
前回の記事:
今週は現在(2024/09/03)の直近7日間でもっともHotなプロジェクト、Story Protocolについて紹介します。(RootData調べ)
Story Protocolとは
生成AIの発展
近頃、ChatGPTやClaude、DALL·Eなど、様々な生成系AIが発展しています。しかし、その発展に伴って著作権侵害が問題になっています。
生成AIは人間が作ったコンテンツ(文章・絵など)を元データとして大量に学習し、プロンプトに基づいて適切なアウトプットを出力しています。
しかし、膨大な学習データをたくさん加工をすることなどが理由で、生成AIは引用元を基本的に明示しません。
これはクリエイター側にとってはたまったものではありません。
New York TimesがOpenAIとMicrosoftを訴えるなど、この問題は深刻化してきています。
Story Protocolについて
Story Protocolは上記のような生成AIに基づく問題を解決するためのプロジェクトです。Andreessen Horowitz (a16z) という米有名VCのクリプトファンドがリードインベスターとして、115億円をシリーズBで集めています。
「AIがあなたの作品を利用するなら、あなたに報酬を支払うべきだ」という考えにより作られたこのプロジェクトは、IP(知的財産)をブロックチェーン技術を利用して管理・収益化するための新しいインフラです。
このプロトコルは、クリエイターが自分のIPを「IPレゴ」として登録し、モジュール式でプログラム可能な資産として扱うことができます。
これにより、IPのライセンス付与、管理、収益化がスマートコントラクトを通じて行われ、クリエイターは自身の作品に対するコントロールを強化できます。
Story Protocolのココがすごい!
データ主権の確立
クリエイターは、ライセンス条項を自分のIPレゴに直接埋め込むことができます。使用するユーザーは必ずそのルールに従う必要があり、これによりAIによる無断利用からアーティストが作品を守ることができます。
収益化モデル
ブロックチェーンを活用してIPのライセンスや収益分配が自動化されるので、クリエイターに公平な報酬が支払われる仕組みが整います。
これは、今よりも少し良い世界になる糸口になりうると愛川は思います。
実例ケース
実例としては、300万人以上のユーザーを持つコラボレーション型デジタルアートプラットフォームMagmaがあります。これはStory Protocolのプログラム可能なIPインフラストラクチャを活用しています。
また、AIモデルのクリエイターとデータ提供者が適切に報酬を受け取れるようにIP追跡や収益分配をオンチェーンで管理するプラットフォームのMahojin、
生成AIを活用して誰でも簡単に没入型のマルチメディアストーリーを作成できるプラットフォームのSekai、
生成AIを活用して誰でもファッションデザインをリミックスし、ブランドと共同で独自のアイテムを作成・収益化できるプラットフォームであるAbloなどがあります。
感想
生成系AIの台頭に基づく著作権問題は、この大きなイノベーションに関わる一つの課題であり、それに一種の解決策を出していることは素晴らしいと思いました。
また、利用方法がIPレゴに明記されていて、生み出された収益がアーティストに還元される仕組みのおかげで、逆に二次創作の流行が盛り上がったりすることもあり得ると思います。
全てのクリエイターがStory Protocolを利用する世界が実現するのか?などまだまだ考える余地はありそうですが、面白いプロジェクトだなと感じています。
最後に
CRYPTOLAND HUNTERSというTelegramのコミュニティがあります。
250人以上のメンバーが参加している大きめのクリプトコミュニティです。
web3に興味がある人であれば、初心者も玄人も皆歓迎です。以下のリンクから入れます。
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ありがとうございました。
参考にさせていただいたリンクです。
Story
ストーリー・プロトコル開発企業、115億円をシリーズBで調達──AIと知的財産の課題に取り組む | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)