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パリオリンピック注目種目⑥

サーフィン

ルールの概要

サーフィン競技では、選手は波に乗りながらトリック(技)やマニューバー(技の組み立て)を行い、5人のジャッジが、それらの多様さ、タイプ、難度に基づき採点を行う。選手のスピード、パワー、フロー(ひとつの波から次の波へと流れるように動きをつなぐこと)も審査の対象だ。オリンピックでは、ショートボードが使用されるが、このタイプの ボードは、スピードが速くて、よりテクニカルな動きを行いやすいため、豪快で壮観なトリックを演出するのには最適である。

オリンピックにおける歴史

1920年、3度のオリンピック競泳自由形の金メダリストであるデューク・カハナモクをはじめとしたアスリートやハワイのサーファーたちが、サーフィンをオリンピックの正式競技に採用するよう求めたキャンペーンを展開した。長い年月を経て、サーフィンはついに、東京2020オリンピックで正式競技として実施され、パリ2024でも引き続き行われる予定だ。パリ2024では、会場として伝説のサーフスポット、タヒチ島チョープーが選ばれている。


会場

タヒチ・チョープー

タヒチ島チョープーは、オリンピック精神にのっとって新たな高みへの到達を目指し、息をのむようなスポーツで観客をもてなすことで、パリ2024の価値を祝福する貴重な舞台となる。オリンピックには、サーフィンを含む4つの華麗な競技が加わり、場所と会場が厳選された。東京2020オリンピックで登場してから2回目のオリンピック競技となるサーフィンは、その舞台にタヒチ島チョープーを選んだ。チョープーは、世界で最も美しい波がブレークする世界で屈指のサーフスポットのひとつであることは間違いない。

今回、チョープーがサーフィン競技の会場に選定されたことは、競技をフランス全域に広げたいというパリ2024の熱意から生まれた。これによって、フランス海外領とそれらのコミュニティがオリンピック競技大会に参加する初の機会となり、これを通じて、フランスの豊かで多様な歴史や伝統が示されることになる。

チョープーの大波では、オリンピッククラスのアスリートたちの素晴らしいチャレンジが期待される。そして、タヒチや世界中のファンに息をのむほどの体験をもたらすに違いない。タヒチは、世界のサーファーたちが崇拝する特別な場所であり、唯一無二なコンペティションの舞台となる。チョープーは、20年以上にわたり、タヒチプロ・チャンピオンシップのホスト会場として男子チャンピオンシップツアーのハイライトのひとつとなっており、多くの世界のトップサーファーにとっては夢の舞台である。レジェンドサーファーである、ガブリエウ・メジーナ、ケリー・スレーター、 ジェレミー・フローレス、アンディ・アイアンズ、マーク オクルーポらがこれまでに優勝を成し遂げている。1999年から2006年には、女子チャンピオンシップツアーが開催され、いったん途切れたはしたものの、2022年に復帰した。

競技会場は、島固有の自然環境の保護に配慮して設計されている。オリンピック選手村では、組み立て式の住宅が整備される。オフショアで波がブレークするため、イベント開催による海岸への影響は少ないだろう。会場を訪れるファンは、会場内に満ちあふれるスリルと興奮を体験することになる。そして、ポリネシア文化とオリンピック精神の融合によるパリ2024の価値を祝福する機会となるだろう。

レガシー

パリ2024後、仮設施設は撤去され、チョープーは引き続き、ワールドサーフリーグ・チャンピオンシップツアーのホスト会場となる。「ファレ」と呼ばれる、伝統的なポリネシア住居を模した仮設のオリンピック選手村は、パリ2024後、移転され、地域の利益となるよう還元される。

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