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デンマークにおけるアウトドア教育

こんにちは、すかいだいびんぐです🪂今回は6回の授業で学んだアウトドア教育についてお話ししていきたいと思います。

留学先選びでも特に重要視していたアウトドア教育。私は大学1年生の時に授業で北欧教育についてエッセイを書く機会があり、そこで北欧のアウトドア教育を知りました。幼い頃から日常的に自然と触れ合い、自然との良い関係性を築いていく教育にとても興味をもち、留学先でぜひ詳しく学びたいと思いました。

実際に授業を受けてみると、アウトドア教育は単に自然の中で遊ぶことだけではないと知りました。何個か授業で学んだことを取り上げてお話していきたいと思います。

キャンプ

アウトドアといえば真っ先に思いつくのがキャンプではないでしょうか。私たちはオールボーの郊外にある湖近くのキャンプ場で半日過ごしました。そのキャンプ場では無料のトイレ設備や中で寝られる小さなシェルターがあり、さすが自然が身近な北欧ならではの環境だな〜と思いました。
その日は前半は森の中でアクテビティをし、後半はご飯をみんなで作って食べ夜を共に過ごすというものでした。

アクテビティでは、まず班ごとにきのこ探しをしました。森中には様々な形・色・大きさのきのこが点在していました。他にもワイルドベリーもたくさん生えていて、食べてみると甘酸っぱくて美味しかったです。その後全ての班が集めてきたきのこの種類について先生が教えてくださいました。衝撃だったのは何も変哲のない白いきのこが、最悪の場合死に至るほどの猛毒を持っていること…!当たり前ですが、無闇に森で拾ったものを食べてはいけないなと思いました…

色とりどりのきのこたち。最後に見つけたきのこが食べれるもので、嬉しかったです🍄

その後は近くの湖を一周しながら、様々な教育アクティビティを行いました。例えば自然の中でどのように感じたか全体で共有したり、森の中でできるだけ多く形容詞を探したりしました。私が一番印象に残ったのは、切り株の年輪を使って自らの人生の転換点について話すというもの。班ごとに切り株に集まって、その年輪から自らの転換点だと思った年齢にピンを立てます。そしてその時の出来事についてメンバーに伝えます。この活動から自らの人生を振り返ることができるだけでなく、自分よりも長生きしている木の存在からこれからも続く人生についても目を向けることができたのではないかなと思いました。

湖は思ったより広く、雨が降ったり晴れ間が見えたり異なる天気によって変化する姿が見れました。

アクテビティの後は、お待ちかねのご飯タイム。大きなお鍋で2種類のシチューを作りました。一つは数種類の野菜入りのもの(ヴィーガン・ベジタリアンの学生のため)、もう一つは麦と鶏肉を煮込んだものでした。採ったきのこを使ったクリームソースもとても美味しかったです。授業メンバーみんなで語り合いながらご飯を食べたり、焼きマシュマロ・焼きリンゴをしたりする時間はとても貴重なものだと感じました。この時間で日本に興味を持ってくれた学生に日本語を教えてより仲良くなれたことも嬉しかったです。夜は仲の良い他国から来た留学生の子と話しながらシェルターで一夜を過ごしました。

炎の上で豪快に調理!みんなで協力(といっても私は材料を切っただけですが…)しながら作ったご飯がやはり一番美味しいなあと思いました🫕

牧場見学

アウトドア教育では牧場見学の活動もありました。デンマークは世界有数の酪農国だということを知っていますか?スーパーではたくさんの種類のチーズを比較的安価な価格で見つけることができて、チーズ大好きな私には最高の環境です🧀笑

郊外の牧場に向かう間に多くの牧草地を見かけて、その酪農国家らしさを感じられました。確かにデンマークは涼しく平らな土地であるため、牧畜にはとても最適な土地だな〜と納得しました。

その日は雨だったのでほとんどの牛さんが屋内にいました。

牧場に到着。中にはたくさんのジャージー牛が。牧場主の方から屋内を案内してくれ、その設備について勉強できました。驚いたことはその管理の徹底さ。全ての牛にチップが埋め込まれており、その健康状態をパソコンで確認することができるということでした。また多くの牛が飼育されていましたがその敷地も広いため、牛たちが自由に歩き回って生活できていました。私は肉を食べますし牛乳や卵もいただきますが、アニマルライツにはとても興味があります。このように最先端技術を使いながら家畜がのびのびと育てられる環境で管理されているのは素晴らしいなと思いました。

この日偶然出産の瞬間を見ることができました。(見づらいですが写真中央にいるのが赤ちゃんです)

最後班ごとに牧場見学に関する授業を考えます。アウトドア教育で重要になるのが「イン→アウト→イン」でプランを組むということ。これはまずは教室内で準備をし実際に見学をして最後に振り返りをするというもの。例えば算数の割り算についての授業を作るとすると、まず授業で計算の仕方を学び、見学で牛の頭数と牛乳の生産量を知る、また学校に戻ってきたら1頭あたりの牛乳生産量を計算してみる、ということではないかなと思います。アウトドア教育はただ社会科見学ではなく、理論に基づいたものなんですね。

ストリートアートツアー

アウトドア教育というと自然の中で勉強するというイメージがあると思いますが、実はそれだけではないんです!この日はオールボーの中心部に出て、街中のストリートアートを回る授業でした。オールボーには建物の壁を中心にあちこちにストリートアートがあります。以前からその存在には気づいていましたが、ここまでたくさんあるとは知らなかったです。授業では数点のストリートアートを巡りながらその作品について班で話し合ったり、それを別の科目の学習に利用したりしました。

例えばこちらの作品。班ごとにこの作品についてディスカッションをするのですが、注目したのはそのステップ。まずは自らの感情を含まないように、「作品から見えるモチーフ」だけを出し合います。その後そこから感じることを意見共有し、最後に各班で題名を考えます。このように段階を踏むことで、初め抱える自らの偏見や第一印象を超えて議論をすることができるのかなと思いました。

こちらの大きな作品では算数の授業例を体験しました。この作品の大きさを測るにはどうすれば良いか生徒に考えさせます。例えば自分の身長を知っている生徒が作品のそばにたち、その生徒何人分の大きさかを考えることができます。また隣の建物と比べることもできますね。このように作品の鑑賞だけでなく、他の科目にも応用することができるのも面白いと思いました。

まとめ

今回はアウトドア教育の授業でのいくつかの体験についてお話ししてきました。実際に体験する前は単に子供たちが自然の中で活動するというイメージしかありませんでしたが、授業を受ける中でたくさんの気づきがありました。例えば様々な活動は理論に基づいていることや、自然の中ではなく街中でもアウトドア教育として学習ができるということ。学校によっては毎週美術館や動物園などに出かけてフィールドワークすることもあると聞き、デンマークにおけるアウトドア教育の重要性に気づきました。実際に教室外に出て学び取ることで社会システムや自らと社会のつながりを学ことができるのかもしれませんね。

今回も読んでいただきありがとうございました!

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