読み聞かせの本選びについて司書が話します③

 多くの本から選ぶ、ということは「選ばない」という本も出てきます。
 今回は読み聞かせに相応しくないかも、というものを挙げていきます。
*ここでいう読み聞かせはボランティア活動などで何人もの人を相手に絵本を読むスタイルを指します

 1. 絵が細かく描き込まれていて、文字が極端に少ないもの
 →これは絵を楽しむ本ですから、絵をじっくり見ることが楽しい絵本です。文字はほんの少しだけ解説しているだけなので、集団向けではありません。

 2.雰囲気にそぐわないもの
  →例えば朝自習での読み聞かせに「戦争」がテーマの本はあまりお勧めしません(そのようなリクエストがあった場合は別ですし、時間帯が違えば読める場合もあります)同時に、真夏にクリスマスのお話も選ばない方がよいのですが、季節感は子どもはあまり重視していないので気にならない子が多いです。しかしだからこそ季節を意識して欲しいので、大人が気を付けてほしいです。

 3.聞き手の理解力よりかなり難しいもの
  →何を言っているのかわからない本はつまらない思いしか残しません。聞き手も成長しますから、もう少し理解できるようになったら読んで欲しいです。
 反対に小学校高学年にあかちゃん絵本を読むことはダメとは思いません。昔読んでもらったという懐かしい記憶が鮮やかになることがあるからです。

 4.漫画形式のコマ割り
  →ダメではないですが、とても読み聞かせしづらいです。絵も小さく見えづらいです。これも絵を読む絵本と同じく、1〜2人で楽しむ絵本です。合わせて『ミッケ!』(作ジーン・マルゾーロ 小学館)も絵を探して楽しむ絵本のため読み聞かせには向きません。

 5.小さ絵本や淡い絵の絵本
 →言うまでもないですが、大勢に読む場合は後ろの人が見えません。モニター等使用できれば問題はありません。

 6.長すぎる絵本
 →聞き手の年齢にもよりますが、小さい子であれば集中力が続かない場合があります。大きい子であれば「今日はここまで。続きは来週」というワザを使えば大丈夫です。

 7.言葉回しが読みづらいもの
 →これは実際読んでみないとわかりませんが、言い回しが言いづらい、良く間違える、読むテンポが気持ちよくできない、などという場合は読みづらい文章のことがあります。練習を重ねてできるようにするか、別の本を選ぶ方が良いです。

番外.字のない絵本
 →読み手が自由に文をつければ良いので、読むことに問題はないです。慣れが必要で、練習も必要かと思われます。

 選ばない方が良い、と書きましたが、それでも絶対これ読みたいんだ!という場合には無理強いはしませんので、お読みいただいても良いと思っています。


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