見出し画像

学校図書館のウラガワ2.2〜見えない仕事②修理

タイトルのナンバリングばっかり増えてく(笑
見えない仕事の方が謎なのだからまぁいいか(笑

前記事で「本の弱いところを補強する」と書きました。学校図書館の本は本当に痛みが激しいのです。公共図書館の方がよほど綺麗です。
なぜか。
公共図書館の本は子どもが小さいころは大人主体で使用します。借りるのも家で管理するのも大人です。無理な力のかけ方はしないでしょう。
学校図書館の本は子ども主体です。思わず力が入る、常識外の使い方をすることは日常的です。
ですので、学校司書は修理の技術がないとやってられないことが多いです。
中には図書ボランティアさんにお願いする学校もありますが(うちもそう)、複雑な修理の場合は司書がするのではないかなと思っています。

修理には専用のものを使います。
専用のテープ、専用の糊ですね。こちらは酸化しにくい素材のものを使うのでどうしても専用のものを使うことになります。
道具は絵の具筆やつまようじ、BBQの串などで代用するものもあります。

少し破れた程度であれば、専用のテープ(ページヘルパーというものを使っています)でちょっと貼るだけのことが多いです。専門図書館や公文書館などはそうはいかないかもしれないですが、学校の本は質より量と素早さが優先されるのでヘルパー様々です。

ページがとれたときは、専用の糊でとれた部分を本体につけますが、小学校の場合、糊でつけただけでは不十分でページヘルパーでさらに補強しないとならないこともあります。それだけ使い方がハードなんですよね。
このページがとれた場合、上下をしっかり揃えてギチっとはめ込まないとガタガタになってしまうので実はかなり気を遣います。糊も「よくつくように」と多めにするとはみ出して他がくっついてしまうし、そこだけ強化されすぎて他のページとのバランスも崩れるので、その塩梅が大切になってきます。

背表紙から割れたとか、糸が切れたとか、表紙を掛け替えないととか、ものによっては買い替えたくても同じ本が手に入らない時は修理しかありません。

あと、良かれと思ってセロハンテープで直してくれちゃうことがありますが、あれは本当にやめて欲しいです。セロハンテープは保存に向きません。見たことないですか?時間が経ってぽろっととれたセロハンテープの跡が黄ばんでいるの。テープの横からベタベタが染み出してるの。長期保存を主としない学校図書館ですがある程度は保存しますので、テープで貼られたものは見つけ次第、手遅れではないものは救出します。
テープはがしを使ってはがした後、ベタつきを拭き取ってから糊づけしたり、ページヘルパーを貼ったりして修理です。

実は数ある修理の中で、このセロハンテープ系はわりと好きな修理だったりします(でもやめてね)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?