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読み聞かせの本選びについて司書が話します①

 読み聞かせしてみたいな、とか、お当番になってしまって、とかきっかけは色々あると思いますが、最初にあたるのが「どの本選ぶ?」です。

 読み手の好きな本を選ぶことが正解なのですが、好きな本がまだない、わからない、という人も少なくありません。

 読み聞かせボランティアグループに属していればグループ内で教えてもらえますし、公共図書館で開催されたりする読み聞かせ講座でも有益な情報が得られます。
 グループにも属さず、講座もない、そんな時お勧めするのは【むかしばなし】です。

 「読み聞かせに良い本を教えてください」と聞かれることはよくあります。多くは「キレイな絵で、流行りの絵本作家さんとかで、おもしろい本」を期待されて聞かれるようで、むかしばなしをお勧めすると「あー…ありがとうございます」と、彼方へ立ち去ってしまいます。

 今までお勧めした方々のなかで昔話を選択したのはたったお一人でした。
 
 なぜ昔話か。
一つ目は、話が完成されているからです。
長いこと読み継がれ、語り継がれてきた話なので、間違いがありません。これはロングセラーの本にも言えます。
二つ目は、読み手の力量がわからないからです。昔話は多くの人が読んできたものなので、読み手の力量関係なく「話を伝える力」を持っています。初心者さんなら初心者さんなりの、ベテランさんならベテランさんなりの伝える力を発揮します。
三つ目は、昔話を知らない子が増えているからです。題名は知っていても結末を知らない子は本当に多いです。

 流行りの絵本は読み手が得意としているジャンル、読む時期、読み手としてのキャリアを問われるものがあり、それを無関係と読むことはできますが読み手も聞き手も望まない結果になることがあるのです。

 ということから、昔話をお勧めしています。
ただ若干長めなものが多いので、実際読んでみて決められるのが良いですね。
 

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