司書がおもう読み聞かせに大切なのはひとつだけ

 かれこれ17年くらい、読み聞かせをしています。
そのうち半分は司書としても読んできました。

 たくさんの、おもに絵本を読み聞かせしてきて「これだけは」ということをお話ししようと思います。

 その前に。
一般的に読み聞かせで大切なことがいくつかあるので、そちらも紹介していきますね。

①  読み聞かせにふさわしい本を選ぶ
  誰に読むのか、いつ読むのか、くらいは頭に
  入れて本を選びます。
  いつ、というのは季節だけでなく、朝なのか
  昼なのか、も含みます。

②  練習をする
  当たり前なのですが、初見練習なしでの読み
  聞かせはお勧めできません。
  特に初心者さんは練習したほうが、ぐっと
  良くなります。

③   読む時は感情込めずに
  フラットな感じで、感情を込めずに読みまし
  ょう。

④    絵本の開き方(右からなのか左からなのか)で持ち手を替えます
  ページをめくるときに画面を塞がないように
  します。
 
 細かいことを言えばもっとあるのですが、おおむねこの4つは多くの人が大切と考えていることです。
 確かにどれも大切なことです。
 だけどこの4つより大切なことがあると常々思っているので、それをお伝えしようと思います。

 それは

読み手が好きだと思う本を読む

です。
 案外忘れられたり、二の次になったりするのですが、読み手の好きな本を読むことは本当に大切なことなのです。
 好きな本だから自分が読むのも楽しいし、練習だって大変じゃないし、聞き手に「伝えたいな」という気持ちが生まれてきます。
 そして、主な聞き手となる子どもたちはそういう気持ちや雰囲気に敏感です。読み手の感情に引きずられます。

 多少練習不足でも、感情こもっても(これもアレコレあります)、いつ読むのかスルーしちゃっても、「わたしが好きな本」は全てをしのぐパワーがあるのです。

 好きな本がわからない人も、たくさんの絵本や本と触れ合ううちに自分の好きな本が見つかってきます。それまではいろいろな本にふれてみてください。「あちゃ〜」な読み聞かせになってしまっても、それもまた一つの財産となります。

 ぜひ、好きな本をふやして、好きな本の読み聞かせをしてみて欲しいです。

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