読み聞かせの本選びについて司書が話します②

 ①では、何を選べば良いか迷っている人へ向けての内容でした。②では少し進んだ話をしたいと思います。
 
 昔話はどうにも読む気になれない、とか、どうしても現代作家さんの作品がよい、とか希望がある場合です。

 読み聞かせを始めて日が浅い場合には、ロングセラーと呼ばれる本を選ぶと良いと思います。こちらも多くの人に読み継がれてきているので本自体に力がありますから、初心者さんでも安心して読むことができます。
 もしくは、公共図書館の場合だいたい「図書館員のおすすめリスト」が存在するので、それをカウンターでもらってください。「読み聞かせにお勧めの本ありますか」と尋ねてもこのリストが出てくることもあります。

 それなりにキャリアを積んでいる人の場合、「自分はどの方向に向いているか」を把握しているかどうかで変わってきます。
 どういうことかというと、ナンセンス絵本を読むのが得意、真面目な絵本が得意、などと絵本の内容で読みやすいなぁと感じるジャンルがあるかどうか、ということです。

 例えば「わゴムはどのくらいのびるかしら?」(作マイク・サーラー、絵ジェリー・ジョイナー ほるぷ出版)の場合、ナンセンス絵本が得意な人が読むと笑いが起こる場面多数なのですが、真面目な本が得意な人が読むと同じような笑いは起こりづらいと感じています。
 逆もまた同じで、真面目な内容の本はナンセンス絵本が得意な人が読んでも、完全に聞き手に届いたと感じられることは少ないと思います。

 仕事で読み聞かせをする場合以外は、得意じゃないなというジャンルは避けても問題ないです。


 

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