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備忘録: 最近読んだ論文 

久しぶりにnote投稿。

最近、Nature Communicationsに載っているGut microbiota produces biofilm-associated amyloids with potential for neurodegenerationという論文を読みました。

腸内細菌がアミロイドを産生して、それがパーキンソン病(PD)の原因と考えられているαシヌクレインの凝集を促進して、神経変性疾患を誘導する…みたいな内容。
細かい内容は各自読んでください。

ここからは私の感想になりますが、

①便秘が先なのか、PDが先なのかというのはよく分かんないなー。
つまり
a. 便秘→腸内環境変化→腸内アミロイド増加→何らかの形で脳内に移動?→PD発症 なのか 
b. PDの非運動症状としての便秘→腸内環境変化→腸内アミロイド増加→腸内レビー小体増加 なのか。
一応、筆者らはdiscussionの中で、先行研究から腸から脳への移動があり得るとして、アミロイドをマウス脳内に投与しておりますが、果たしてどうなんでしょう。

②PD発症に関わる因子(例えば喫煙など)はこれに関与していたりしないのかなー。
肺がんだったり、COPDだったり、百害あって一理なしの喫煙も、PDに関しては何故か発症が減少するみたいな報告がありますが、何故なんでしょうか。
喫煙者の腸内細菌叢が例えばアミロイドを作りにくかったり?
とか妄想してみますが、果たしてどうなんでしょう。

③もし本当に腸内細菌のアミロイドが脳内病変の進展に関与するのであれば、PD以外の神経変性疾患にも関与したりしないのかなー。
恐らく、今回の結果を見るに腸内細菌のアミロイドがseedとして線維化に関与しているのではないかなと思うのですが、それであれば、他の神経変性疾患にも関与しててもおかしくなさそうだなーとか思いますが、果たしてどうなんでしょう。

こういう凄い雑誌の論文って面白いし、データも綺麗で多様だし、自分の研究の "足りてなさ" を実感します。もっと頑張らなきゃな…。


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