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匂い

私の世界から匂いが消えた。

匂い、香り、臭い。

全てが恋しいと感じるほどには私はいつも何かしらの匂いを嗅いでる子だった。

食べ物は食べる前にくんくん
プレゼントもらったらくんくん。

なんでも先ず鼻で確かめるような子だ。

そんな私の世界から、匂いが消えた。

朝目覚めれば当たり前にした匂いが、
窓を開ければ当たり前にした匂いが、
全て消えた。

おかしな感じ、と言うしかない。

笑えないけど笑うしかない。

本音を言えば悲しい。

いや、寂しい。
あったはずのものが満たされていない
それは寂しい。

でもどうすることも出来ない。


これからも日々は続いていく。


私の身体が異常なら、世界はもっと悲しみに包まれていいはず。と私の中のヒステリックな子供が叫ぶが、そんなことは世界に通用しない。

いつまで続くか分からない異常を引きずって、
“異常ナシ”の世界を歩いてく。

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