「オートマタは旅をする」を支える技術【ティラノスクリプト】
ゲーム公開時恒例の支える技術シリーズ、今回はこちらのゲームです。
というわけで、「ティラノスクリプトですごろく作ってみた」です。
無料分では本作のコンセプトやどんなシステムを実現させているかの話、有料分では技術的にもっと深掘りした話と実際のプロジェクトファイルを掲載しています。
スペック
コンセプト
このゲームは、この後に作る有償ゲームの前哨戦というか、技術検証的な意味合いの強いものです。
それに加えて、プレイヤーがカスタムする要素を実装することで、SNSなどにプレイ画面のスクリーンショットを投稿、未プレイの方へのアピールとなるよう目指しました。
大きなコンセプトとしては上記のとおりです。
世界観
本作は、人間嫌いのからくり技師が作ったオートマタが、主人に代わってからくりを売るために世界を巡るゲームです。
世界観自体は、以前制作したゲーム「ウィズファミリア~運命の輪と時の天秤~」とうっすら共通しています。
文明レベルとしては近世ヨーロッパに近い、魔法の存在する世界です。まあ今回魔法はほぼ出番ないんですけど
からくりを売るための「おつかい」、入手した衣装でオートマタの外見を変える「きせかえ」、ホーム画面の背景を変更する「もようがえ」がプレイのメインとなります。
基本システム
同世界観である「ウィズファミリア」と同じく、本作もオートセーブとなっています。
実装としては、sf変数のみを使うことで、単一のセーブデータでのみ遊ぶことができるようになっています。
ゲーム開始時に必ずホーム画面を経由することで、この機能を実現しています。詳しい話は「ウィズファミリア」の記事を読んでいただければ。
すごろく
本作の肝となるすごろくは、見ての通りドラゴンクエストのすごろく場に強く影響を受けています。
すごろくは本来複数人で遊ぶものですが、DQのすごろくはひとりプレイです。
そのため、「一回休み」のような自分の手番を飛ばす系のマスがなく、逆に「サイコロを振れる回数」が決まっています。この回数が0になると、すごろくは終了となります。
また、RPGであるDQらしく、すごろくのマスには「モンスターとの戦闘」「アイテムの取得」など、ゲームの世界観に合わせたものが多くあります。
本作でもこれらの要素を参考に、世界観に合わせたマスの構成を心がけました。実際に用意したマスは以下のとおりです。
すごろくである「おつかい」攻略の物語的な目的としては、「主人が作ったからくりを売ること」です。
そして、各マップごとに固有のメインストーリーと、ランダムで発生するミニイベントとがあります。
それ以外の、「○マス進む」などのイベントでも、世界観に合わせた文言を用いています。
さらに、すごろくではアイテムを使うことで一度に振れるサイコロの数を増やしたり、残りターン数を増やしたりすることもできます。
このアイテムの名称にも、世界観を反映させました。
技術的には、サイコロの目に合わせたコマの自動移動、コマの移動時の画面追従などがメインです。
DQのすごろくではコマの移動はプレイヤーがしなければならず、またマップ中に分かれ道などもありましたが、さすがに処理が複雑になるので本作ではオミットしました。
きせかえ、もようがえ
本作のもうひとつのメインである着せ替え要素です。
すごろくをクリアしたり、買い物をすることによって衣装と家具を手に入れることができます。
これらはそれぞれ、ホーム画面の「きせかえ」「もようがえ」のメニューからプレイヤーが好きなように変更することができます。
こちらは、私の愛するゲーム「艦これ」の「模様替え」をイメージして作りました。
母港、いわゆるホーム画面の背景をプレイヤーが変えることのできる機能です。
艦これでは艦娘、キャラクターの衣装を着せ替えることはできませんが、本作にも「ホーム画面」ともいうべき「自宅」の画面があるので、キャラクターの外見とともに背景も変更できるようにしたかったのです。
また、艦これリスペクトな要素として、窓の外から見える空がプレイ時間帯に応じて変わるようになっています。
かいもの
もうひとつ、重要な要素として、本作には「かいもの」画面があります。
いわゆるショップ機能で、プレイヤーが任意のアイテムを選んで購入することができる機能です。
処理としてやってること自体はお金を減らしてアイテムを増やすだけなんですが、ショップ画面自体の構成を工夫しました。
上の画面のとおり、画面左側に「アイテム」「衣装」「家具」のタブがあり、それを選択すると各カテゴリで購入可能なアイテムが表示されます。
一画面中に収まりきらない場合は、アイテムのサムネイルが表示されているエリアの上下に「▲▼」の画像が表示され、そこをクリックし続けることで上下にページが移動します。
これと同じ仕組みをすごろくの「マップを見る」機能でも使っています。
本作で使用したプラグイン
ランダム値取得プラグイン(こ・ぱんだ様)
スライダーUIプラグイン(自作)
BGM・SEのフェード待ちプラグイン(自作)
漫符表示プラグイン(自作)
デバッグ支援プラグイン(自作)
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