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御託はいいからとにかくフリーゲームを完成させるための方法論

この門を潜るものは一切の希望を捨てよ。

フリーゲームを数本完成させ、その数十倍のゲームをエタらせたオタクが、とにかくまずはゲームを一本完成させるための方法を伝授しちゃうぞ

一応ここで作ろうとしているゲームはノベルゲームやシンプルなADVゲームを想定しています。
3Dアクションとかシューティングとかについては門外漢なのでその筋の人を頼ってください

あと、このnoteで解説しているのは「何が何でもゲームを完成させる方法」であって、「楽しくゲームを作る方法」ではないです。

そこのところ誤解なきよう。

このnoteは永久に全文無料で読めますが、乞食なので投げ銭はいつでも喜んで受け付けております。ヨロシクネ

フリゲはエタるもの

これからグダグダ居酒屋の知らないおっさんよろしく管を巻くわけですが、その前にまずはこのことを肝に命じておいてほしい。

フリゲはエタる。
なぜなら無料だからだ。

だれが好き好んで一銭も報酬の発生しない作業を、それもかなりの長期間やり続けることができるでしょうか。よほどの情熱、いや熱狂、いやいや狂気がなければ不可能です。

なので、あなたがこれから作るゲーム、あるいは現在作っているゲームがエタったとしても決して自分を責めないでください。
最初から責めてない? あ、そう…

あなたは何も悪くはない。ある種の狂人ではなかったという、ただそれだけのことです。

このnoteで書いているのは、狂人が多少なりともゲームを完成させる確率を上げるための方法です。

このnoteの書いているとおりにしたって絶対ゲームが完成するわけじゃねーからな というか安易に「絶対○○ができる方法!」とかに飛びつく奴には無理だからな オレは暴言を吐くぞ

しかしまあ、フリゲがエタるなら有償ゲーはエタらないのかというと、別にそんなこともないんですよね…

もしかして:同人ゲームはエタる

なぜあなたのゲームは完成しないのか

・シナリオが壮大すぎる
・キャラクターが多すぎる
・システムが複雑すぎる
・分岐が多すぎる

総括:やることが…やることが多い…!!

ゲームを作るには、あなたが考えている100倍時間がかかります。まじで完全に初めてゲーム作るんならそれくらいかかるからな覚悟しとけよ

「まあこれくらいの作業量なら3ヶ月くらいで完成するっしょ〜」とか思ってるとしたら、300ヶ月かかります。300ヶ月とは25年です。

そんな長期間をゲーム制作にかけられる人間はいません。すなわちエタる。

以下、そんなエタって当たり前のフリゲ制作において、少しでも完成する確率を上げるための7ヶ条です。

その1 人を信じるな

何はなくともまずはこれ!

何も人間不信になれというわけではありません。人の話はきちんと最後の行間まで読め

ゲームを完成まで持っていこうとするのなら、まずは自分を含めて、人間の力というものを過信してはいけません。

「これくらいの作業1週間で終わるし」とか言ってると、1ヶ月かかります。
それは作業者が怠惰なだけでなく、(「だけ」でなくだぞよく読めよ)急な体調不良や仕事の繁忙期、家庭の事情、パソコンが壊れた、ありとあらゆる厄災がその人に降りかかるからです。

それらは決して、絶対に、個人の努力などで覆せるものではありません。

ゲームを完成させたいなら、人間の力を信じてはいけません。それどころか、希望などというものを持ってはいけません。

現実は常にあなたの見込み作業量を上回ります。
現実は常にあなたを裏切ります。
現実は常に非情です。
ゲームを作る者に神の加護などないのです。

自分にはこれから、人生で起こりうるあらゆる不都合が降り掛かってくるつもりで全ての予定を立ててください。
ゲーム作りに希望的観測は不要です。

その2 ひとりで作りきれ

その1で人間を信じるなと書きました。

人間を信じてはいけません。
自分も、他人も、血を分けた肉親であっても。

あなたがゲーム作りの仲間を募れば、絶対にその仲間は仕事をしませんし、よしんばしたとしても、今度はあなたが自分のやるべきことを放棄するでしょう。

お金を払ってマネジメント及びディレクションのプロに舵取りを依頼するつもりがないのなら、複数人でゲームを作ることは諦めるのが身のためです。

何? 世の中にはチームでフリゲ制作してる人もいる?

それは狂人の集まりだからです。
残念ながらこの世の中に狂人はそう多くはありません。
どこにいるともしれない狂人を探すより、さっさとひとりでゲームを作ってしまった方がよほど話が早いです。

もし、どうしても、気心の知れた仲間とゲームを作りたいというのなら、はなから完成させることなど考えないことです。

ゲームを完成させることにむやみやたらにこだわるのなら、それはあなたにとっても仲間にとっても良い結果を招かないでしょう。

あなたが仲間との間に絶対の信頼を感じているのなら、あるいは挑戦してみてもいいかもしれませんが。

その3 1週間で作るつもりで考えろ

たとえあなたが子供部屋おじさんのクソニートで起きている時間はずっとネトゲで暇つぶしができる環境にあったとしても、ゲーム制作期間は1週間しかないものと思って計画を立ててください。

制作期間を長く取れば取るほど、エタる確率は上がります。

1週間でできることだけを考えてください。
1週間でできないことは、1年かけてもできません。子供を産むこと以外はな

その4 シナリオを削れ

あなたは1週間でゲームを作らなければならないのだから、100万字を超す大長編シナリオなんて書いている場合ではありません。

あなたがするべきは壮大かつ斬新な傑作シナリオを書くことではありません。ゲームを完成させることです。

シナリオなんて朝刊の四コマ漫画程度のボリュームがあれば充分です。

だれが・なにを・どうした

これだけわかれば、フリーゲームのシナリオとしては成立します。

こんなキャラクターを登場させたいな
こんなエピソードを組み込みたいな

やりたいな、程度の欲であれば切り捨ててください。
絶対にその要素をゲームに組み込まなければあなたの創作者としての魂が死ぬ、それくらいに重要な要素だけに絞ってください。

その5 システムを削れ

1週間で組めるゲームシステム、しかもあなたはゲーム制作初心者です。
できることはかなり限られているでしょう。

まさかとは思いますが、スクリプトエンジンを自作しようなんて考えていませんよね?

長ったらしい名前のよくわからんシステムをゲームに搭載しようなんて考えていませんよね???

十三機兵防衛圏みたいなゲームを作ろうなんて考えていませんよね?????

システムなんて、セーブとロードができれば充分、いや四コマ漫画程度のボリュームであればセーブすらいりません。

やたら充実した環境設定メニューもいりませんし、バックログだってもちろんいりません。

極論、分岐すらいらないのです。

「そんなのゲームじゃない」?

お前がそう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな

あなたがゲームだと言い切るならそれはゲームです。
それくらいの、悪く言えば適当な、良く言えば寛容さが、フリーゲームにはあります。
自分のことは信じなくてもいいから、フリーゲームのことは信じてください。

その6 素材はフル活用しろ

「せっかくゲームを作るなら、立ち絵も背景もBGMも自分で作りたい!」

お前人の話聞いてた???

立ち絵も背景もBGMもSEもシステムUIもその他ゲームを構成する全ては、まず素材を利用することを第一に考えてください。

素材を探す手間より自分で作った方が早いときのみ自分で作ればいいのです。

あなたに用意された時間は1週間しかありません。
そのことを絶対に忘れないでください。

その7 完成度を考えるな

さて、ここまでの工程を経て、おそらくあなたのPC内には「ゲームらしきもの」のファイルができあがっていることでしょう。

そう、「ゲームらしきもの」です。

ゲーム制作の素人であるあなたが妥協に妥協を重ねさらに百倍希釈したそれを、「ゲームである」と胸を張って主張することは難しいかもしれません。

しかし、少なくともそれは、「ゲームらしきもの」と言える程度にはゲームの要素を備えています。

紙芝居ゲーだろうがポチポチゲーだろうが、ゲームはゲームです。

あなたが作ったものは、間違いなくゲームと呼べるものです。

他の何に自信が持てなくとも、その一点に関しては胸を張ってください。

最後に

ここまで「ゲームを完成させる」方法というものを説いて来ましたが、今あなたの手元には完成したゲームはありませんよね。

というか、ここまで読み進めている人がそもそも少ないでしょうね。

この記事を目に留めた人の数は「ゲームを作ろう」と思った人の数、この記事をここまで読み進めた人の数はゲームを作り始めた人の数です。

では、ゲームを完成させた人の数は?

残念ながら、ゲームを完成させられる人は、そもそもこの記事を必要としていません。
こんな記事を読んでいる時間でゲームを作って、そして完成させています。

すなわち、この文章を読んでいるあなたは、本来ゲームを「完成させられない」人間なのです。

とはいえ絶望することはありません。

ゲームとは、そもそも完成しないものです。

失敗する可能性のあるものは、失敗する。
ゲーム制作においても同様に。

ゲームを完成させられたなら、それは奇跡を起こしたに等しいことなのです。

そして、喜ぶべき――あるいは嘆くべきことは、あなたが「エタった」と思わない限り、そのゲームは完成する可能性を秘めていることです。

たとえ5年、10年、それ以上の時間がかかろうと、ただひとり、制作者であるあなた自身が「ゲームを作り続けている」と思う限り、ゲーム作りは続きます。

けれどもそれは、ゲームを「完成させる」こと以上につらく、苦しく、難しいことです。

にもかかわらずそこによろこびを見出す人だけが、ゲームを完成させられるのです。

それを人は狂人と呼びます。

あなたは、ゲームを完成させられる狂人になりたいですか?
ゲームを完成させられない、普通の人になりたいですか?
あるいはそのどれでもないなにものかに?

私は普通の人にはなれないので、せめてゲームを完成させたいと思っています。

サポートをしていただけると私がたいへんよろこびます。 ちなみに欲しい物リストはこちら→https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/2DBRPE55L3SQC?ref_=wl_share